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2章 怨みの象
24話 作戦結構に備えて
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モミナ家の別荘 居間
「お帰りですの」
「只今」
「た、只今」
「ただいま」
部屋に入ると、アーティナが御帰りの挨拶をして、ヒョウガ達も只今の挨拶をする。
「んで、俺達が居ない内に誰かが気付いたとか、怪しんだりとかは無かったか?」
「大丈夫でした。誰も気にも留めてませんでした」
「そっちは大丈夫だったんですの?」
「ああ、勿論だぞ。有り得ない程に上手く行き過ぎてるぞ!」
ヒョウガが、自分たちが居なかった時の様子を聞くと、ミューフィがあったことを説明する。
アーティナが逆質問してくると、ヒョウガが不思議とすんなりと進んだと言う。
「それより今何時だ?」
「十一時三十五分分です。もう直ぐでお昼御飯です」
「何か用意してあるんじゃないですの。別荘に居るのは、アタシたちを覗けば、ルエル、カレロ、他のお手伝いさんと執事さん達だけですの。そう言えばですの」
それだけしかいないのかと、ふむふむと頷く。
「まだ昼ご飯速いし、暑いから怖い話しよー」
「い、嫌よ、怖い話なんて。怖いのが苦手って訳じゃないけど」
「これはウチも体験したし、お母さんも体験した話だよー」
「き、聞こえないわよ」
アミリが止めてと言っても、止める様子が無く話が始まる。
その話を聞くまいと、耳を塞いでいる。サラの話は続く。
「ある日、親が掃除しろって煩いから掃除してる時、襖の間を覗いてみたら、何かと目があった様な気がしたんだー。お母さんも最近、誰かに覗かれてる気がするって言ってたんだー。其の翌週の火曜日位に、お風呂に入ってて、髪の毛を洗ってると、誰かの視線を感じたんだ」
そこで一度区切って、もう一度話し始め。
「でも目が開けられなくて、やっと開けれて、鏡に目をやったら血まみれの女の人が何かを伝えようとしていたんだ。恐る恐る振り返ったら、誰もいなかったんだ。お母さんが、ある日、大切な話があるって声を掛けて来たんだ。そこで、見た事ない箱から、アルバムを取り出して見せて来たんだ。そこに、ウチの観た女の人がいた。聞いてみたら、忘れてしまっていたけど、ウチには年の離れた姉が居たんだって。それからは出なくなったんだ」
サラが話し終えると、
「はい、これは実話です」
ミューフィが作り話ではないと言う。
「怖かったですの」
「ま、まあ、怖かったわ」
「俺は其処までじゃなかったぞ!」
「私も」
サラ実話の怖い話を聞いて、其々感想を言う。
その時、とんとんとドアをノックする音。 アミリが飛び跳ねて。
「アーティナお嬢様。お友達の皆様。お食事を温めたので来てくだい」
が、他の皆は何と無くだれか分かっており、驚くこと無く部屋を出て行く。アミリも遅れて出て行く。
そして食卓へと向かう。
中に入ると、食卓机に乗ってる料理から、未だ湯気がちゃんと出ていた。
「今日は私の分も用意してあったので一緒に食べます」
「勿論、良いですよ」
ルエルの分も用意して居り、一緒に食べることになる。
「では、戴きましょうか」
「ああ、戴きましょう」
「い、戴くわよ」
[[戴きます]]
「戴くですの」
「戴くよー」
お昼御飯のメニューは、海老焼売、パスタ、カラフルで栄養たっぷりのサラダ。
「このパスタ、凄く柔らかくて美味しいね。頬っぺたが落ちそう」
「其れは当たり前ですよ。料理長とフォーカムさんの相性はばっちりですから」
カナミがパスタを口にすると、ほっぺを抑えながら美味しさを表現する。
それが当たり前と、ルエルさんが口に出す。
「俺の所は市販のものですから、本物は美味しいですよ。海老焼売」
「それでは今度作りましょう。こんなに美味しくは到底出来ませんけど」
「 今度やって見るか」
「た、楽しそうね。私も手伝ってあげるわよ」
その楽しそうな光景を、目の辺りにしたルエル。
「とても仲が良いようですね。皆様!」
「ん……!? そうだと思いますよ」
余りにも仲がいいのでそう仰ると、ヒョウガが否定しないので間違いないと思う。
最後にサラダを食べる。
「サラダ美味しいよー」
「た、確かに美味しいわね。気に入ったわよ」
「そうですね」
サラに続き、アミリ、ミューフィが口を揃えて言う。
「ふう~お腹一杯ですの」
「私も同じ」
「わ、私もお腹一杯よ。もう」
「ワタシもです」
「ウチももう駄目」
「俺ももう腹が膨れた!」
全員が満腹の御様子。
「後片付けは任せてくださいね」
そう言ってからの皿を持って行く。
俺たちはそれぞれ一度部屋に戻る。
「ねえ、ヒョウガ君。お昼寝するよね。夜は忙しいもん」
「ああ、そうだぞ。シナモン」
ベットに横になったヒョウガは、瞼を閉じて眠りに就く。
それから二、三時間かそれ以上経った頃。
『お、起きなさいよ。ヒョウガ先輩』
――ん……!? 何で夢の中に中にアミリが居るんだ?
現実ではこうで。
「お。起きなさいよ。夜ご飯よ」
「ん……!? 夢じゃなかったのか!? あ、ああ分かった。それより何でここに居るんだ?」
「そ、そんなのドアを何回ノックしても気付かないからに決まってるでしょ!」
「ああ、成程な。納得したぞ!」
「そ。それより行くわよ」
「ああ」
ヒョウガが目を覚ますと、アミリが直ぐそこに立つ。
――アミリは、何回も俺を呼んでたようだぞ!
爆睡していたヒョウガは、ドアをノックした音など気に求めて無い。
話し終わると、アミリはヒョウガを連れて食卓に向う。
今日の夕食は、ナータムだ。
「夏らしいですね」
「そ、そうね。夏の風物詩よね」
「美味しいー」
ミューフィが夏を感じると言うと、アミリも同じような事を思っていた。その会話を余所にサラはナータムをバカバカと取って行く。
それに続いて、アミリとミューフィも無くなると思い、急いで食べ始める。
食欲旺盛だったようで、あっと言う間にザルは空っぽになっていく。
ヒョウガの方にあるザルもあんな沢山あったナータムがもうから。
なので、皆ご馳走様をして、順番にお風呂に入りに行く。
皆で終わると、歯磨きを済ませに向う。
そして、それが完了すると、其々が部屋に戻って、寝る準備をして横になる振りをする。
そして深夜零時に、作戦を実行する為にお花畑に向かっていく。
「お帰りですの」
「只今」
「た、只今」
「ただいま」
部屋に入ると、アーティナが御帰りの挨拶をして、ヒョウガ達も只今の挨拶をする。
「んで、俺達が居ない内に誰かが気付いたとか、怪しんだりとかは無かったか?」
「大丈夫でした。誰も気にも留めてませんでした」
「そっちは大丈夫だったんですの?」
「ああ、勿論だぞ。有り得ない程に上手く行き過ぎてるぞ!」
ヒョウガが、自分たちが居なかった時の様子を聞くと、ミューフィがあったことを説明する。
アーティナが逆質問してくると、ヒョウガが不思議とすんなりと進んだと言う。
「それより今何時だ?」
「十一時三十五分分です。もう直ぐでお昼御飯です」
「何か用意してあるんじゃないですの。別荘に居るのは、アタシたちを覗けば、ルエル、カレロ、他のお手伝いさんと執事さん達だけですの。そう言えばですの」
それだけしかいないのかと、ふむふむと頷く。
「まだ昼ご飯速いし、暑いから怖い話しよー」
「い、嫌よ、怖い話なんて。怖いのが苦手って訳じゃないけど」
「これはウチも体験したし、お母さんも体験した話だよー」
「き、聞こえないわよ」
アミリが止めてと言っても、止める様子が無く話が始まる。
その話を聞くまいと、耳を塞いでいる。サラの話は続く。
「ある日、親が掃除しろって煩いから掃除してる時、襖の間を覗いてみたら、何かと目があった様な気がしたんだー。お母さんも最近、誰かに覗かれてる気がするって言ってたんだー。其の翌週の火曜日位に、お風呂に入ってて、髪の毛を洗ってると、誰かの視線を感じたんだ」
そこで一度区切って、もう一度話し始め。
「でも目が開けられなくて、やっと開けれて、鏡に目をやったら血まみれの女の人が何かを伝えようとしていたんだ。恐る恐る振り返ったら、誰もいなかったんだ。お母さんが、ある日、大切な話があるって声を掛けて来たんだ。そこで、見た事ない箱から、アルバムを取り出して見せて来たんだ。そこに、ウチの観た女の人がいた。聞いてみたら、忘れてしまっていたけど、ウチには年の離れた姉が居たんだって。それからは出なくなったんだ」
サラが話し終えると、
「はい、これは実話です」
ミューフィが作り話ではないと言う。
「怖かったですの」
「ま、まあ、怖かったわ」
「俺は其処までじゃなかったぞ!」
「私も」
サラ実話の怖い話を聞いて、其々感想を言う。
その時、とんとんとドアをノックする音。 アミリが飛び跳ねて。
「アーティナお嬢様。お友達の皆様。お食事を温めたので来てくだい」
が、他の皆は何と無くだれか分かっており、驚くこと無く部屋を出て行く。アミリも遅れて出て行く。
そして食卓へと向かう。
中に入ると、食卓机に乗ってる料理から、未だ湯気がちゃんと出ていた。
「今日は私の分も用意してあったので一緒に食べます」
「勿論、良いですよ」
ルエルの分も用意して居り、一緒に食べることになる。
「では、戴きましょうか」
「ああ、戴きましょう」
「い、戴くわよ」
[[戴きます]]
「戴くですの」
「戴くよー」
お昼御飯のメニューは、海老焼売、パスタ、カラフルで栄養たっぷりのサラダ。
「このパスタ、凄く柔らかくて美味しいね。頬っぺたが落ちそう」
「其れは当たり前ですよ。料理長とフォーカムさんの相性はばっちりですから」
カナミがパスタを口にすると、ほっぺを抑えながら美味しさを表現する。
それが当たり前と、ルエルさんが口に出す。
「俺の所は市販のものですから、本物は美味しいですよ。海老焼売」
「それでは今度作りましょう。こんなに美味しくは到底出来ませんけど」
「 今度やって見るか」
「た、楽しそうね。私も手伝ってあげるわよ」
その楽しそうな光景を、目の辺りにしたルエル。
「とても仲が良いようですね。皆様!」
「ん……!? そうだと思いますよ」
余りにも仲がいいのでそう仰ると、ヒョウガが否定しないので間違いないと思う。
最後にサラダを食べる。
「サラダ美味しいよー」
「た、確かに美味しいわね。気に入ったわよ」
「そうですね」
サラに続き、アミリ、ミューフィが口を揃えて言う。
「ふう~お腹一杯ですの」
「私も同じ」
「わ、私もお腹一杯よ。もう」
「ワタシもです」
「ウチももう駄目」
「俺ももう腹が膨れた!」
全員が満腹の御様子。
「後片付けは任せてくださいね」
そう言ってからの皿を持って行く。
俺たちはそれぞれ一度部屋に戻る。
「ねえ、ヒョウガ君。お昼寝するよね。夜は忙しいもん」
「ああ、そうだぞ。シナモン」
ベットに横になったヒョウガは、瞼を閉じて眠りに就く。
それから二、三時間かそれ以上経った頃。
『お、起きなさいよ。ヒョウガ先輩』
――ん……!? 何で夢の中に中にアミリが居るんだ?
現実ではこうで。
「お。起きなさいよ。夜ご飯よ」
「ん……!? 夢じゃなかったのか!? あ、ああ分かった。それより何でここに居るんだ?」
「そ、そんなのドアを何回ノックしても気付かないからに決まってるでしょ!」
「ああ、成程な。納得したぞ!」
「そ。それより行くわよ」
「ああ」
ヒョウガが目を覚ますと、アミリが直ぐそこに立つ。
――アミリは、何回も俺を呼んでたようだぞ!
爆睡していたヒョウガは、ドアをノックした音など気に求めて無い。
話し終わると、アミリはヒョウガを連れて食卓に向う。
今日の夕食は、ナータムだ。
「夏らしいですね」
「そ、そうね。夏の風物詩よね」
「美味しいー」
ミューフィが夏を感じると言うと、アミリも同じような事を思っていた。その会話を余所にサラはナータムをバカバカと取って行く。
それに続いて、アミリとミューフィも無くなると思い、急いで食べ始める。
食欲旺盛だったようで、あっと言う間にザルは空っぽになっていく。
ヒョウガの方にあるザルもあんな沢山あったナータムがもうから。
なので、皆ご馳走様をして、順番にお風呂に入りに行く。
皆で終わると、歯磨きを済ませに向う。
そして、それが完了すると、其々が部屋に戻って、寝る準備をして横になる振りをする。
そして深夜零時に、作戦を実行する為にお花畑に向かっていく。
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