上 下
24 / 56
2章 怨みの象

19話 泳ぐ練習

しおりを挟む
連れてこられたのは、沢山の衣類が仕舞いっぱなしになってる、衣類試着室。

「ーーーこっちよ! 皆好きなの選んでね」

「これ全部作ったんですね」

「そうよ! アタシが作った奴」

「す、凄いわね」

 アーティナの母に言われるまま進むと、色んな種類の水着もが並んでおり。

 ーーーど、どれにしようかしら、胸が気になるからラインが分からない奴にしたいわね。まあ、見られたことあるんだしバレてるだろうけど。

 とーーーアミリが考えながら探してると。

  「これなんてどう? アミリちゃん。胸のラインは難無くカバー出来て誤魔化せるわよ」

 「そ、その似合うかしら?」

 「彼なら屹度似合うって言ってくれるって。彼のハートも一頃よ」

 「そ、それならこれにします」

 ——ミュ、ミューフィ達は、何にしたのかしら。

 そう思ったアミリは、ミューフィ達の方へ行く。

 「な、何にしたのよ。ミューフィとサラは?」

 「ワタシは、キャンディーのデザインが可愛かったので此れにしました」

 そう言って見せて来たのは、キャンディーがデザインされた、紫色のビキニで。

「サ、サラは何にしたの?」

「スポーツ水着だよー」

「カ、カナミさんは?」

「このシンプルな白色のビキニ」

 ―――た、確かにシンプルが似合う二人は良いわね。私は身長も胸も無いから。

 と、アミリは自分の欠けている所を指摘し…

 「それじゃあ、皆決まったみたいだし行くよ!」

 アーティナの母がそう言って、四人共水着をもって更衣室に向かう。

更衣室が付いてるなんて凄い。

と、カナミは思った。

 「アミリ、一寸胸大きくなったんじゃないかー?」

「そ、そんな訳無いわよ」

 「零点一ミリ大きくなったねー」

「あ、余り変わって無いわね」

 アミリは少しながら嬉しそうで。
 そして皆が水着に着替えると、更衣室を出て外に出ると、ヒョウガとアーティナが待っていて。

 「ねえねえ、ヒョウガ。アミリちゃんの水着どう思う?」

 「どうって、可愛いぞ。水着似合ってるじゃねえか」

 「そ、その有難う」



 ヒョウガに褒められて嬉しそうだが、照れ臭いアミリは、ヒョウガに聞こえない声でお礼を言う。

 「それでは早速泳ごうですの!」

 アーティナの両手や両腕には遊び道具を幾つも持っていて。

 「海に入る前に準備体操をしましょう」

 「良いじゃんか。ここまで来てー!」

 「ですが、海の怪我の元ですのでしましょう」

「チぇ~」

  ミューフィが、準備体操をしようと言うが嫌がる
サラ。何とか押し通すミューフィに、不満げな様子だが仕方なく了承してくれた。

 準備体操を始めて、体が良い感じに解れた所では終了する。

「今度こそ泳ごうですの」

 「じゃあ、先ず向こうの水平線まで競争だー」

 「じゃ、じゃあ私はここで待っといて上げるわよ」

 ——ぜ、絶対無理。あんな所まで何て死ぬわよ!

 と、アミリは水平線の方を見てそう思う。

 サラの提案に、面白そうだと他の子は思っていて。

 「皆、先に行ってて良いぞ。なあ、アミリ。一寸向こう行くぞ!」

「な、何でよ。別に良いわよ」

 「まわくどいのは止めだ、止め! 泳げないんだろ。なら、俺が教えてやるぞ」

 「べ、別に泳げなんか、泳げなんかあるわよ。あ、有難う・・・・・・」

 皆に先に先にやっててと言ったヒョウガは、アミリに泳ぎ方を教えてやると言う。

  アミリの小さな声で感謝を伝えると、ヒョウガは「まだ教えて無いけどああ、どう致しましてだぞ」と言う。

余り人の居ない所に行った。

「どうやって教えて欲しいんだ? 手を引っ張ってやる? それか、体を支える?」

 「カ、体を支える? そ、そんなの恥ずかしいわよ! じゃ、じゃあ手を引っ張りなさいよ!」

 「ま、そうだろうな。じゃ、早速入るぞ!」

と言って海に入った。

 「は、離さないでよね。ヒョ、ヒョウガ先輩! も、もし離したら絶対許さないんだから」

 「ああ、絶対放さねえぞ! 先ず息継ぎからやって見ろ」

「ブクブク、ハ~ブクブクハ~」

「もっとバタつかせろ!」

 バシャバシャっと、アミリは勢いよくバタ足して。

 「良し、良い感じだ! 次は悪いけど、やっぱり体を支えさせて貰うぞ」

 「な、何よ。仕様が無いわね。良いわよ」

 アミリは顔を真っ赤に赤らめながら承諾した。

 ヒョウガに、お腹と胸を支えられてる状態になっている。

 「んじゃあ、クーロの練習からだぞ」

「わ、分かったわよ」

 鼻で良きをしながら、バタ足をして、左右を交互に動かしって、水を掻いで、少ししてから息継ぎをし。

 「一応だけどあれもやるか! 平泳ぎの練習もするぞ」

 「ま、まだ放さないの? わ、分かったわよ」

 蹼虫のように足でそてぞれ掻き、両手を同時に開く。
其の儘繰り返す。

 「上手くなったぞ! じゃあ、一人で泳いで見ろ」

 「い、良いわよ。やってあげる」

  バシャバシャブクブクハ~ブクブク、ハ~バタ足と息継ぎ良し、次は、クロールとスーハー、スーハー、バシャバシャバシャバシャブクブクハ~ブクブク、ハ~バタ足と息継ぎ良し、次は、クロールとスーハー、スーハー、バシャバシャと左右の手を交互に動かしてと、水を搔いてと、ハーで顔を傾けて息継ぎをし。

 その次に、ヒィールをした。お見事習得した。

「良くやったぞ! アミリ」

 「お、泳げるようになったのは、そ、そのヒョウガ先輩の御陰だから、本当に有難う」

 「やけに素直だな、アミリ。どう致しまして。まあ、そう言うアミリも可愛いから良いぞ」

「ホ、本気にするわよ」

  泳ぎ切った、アミリの所に行ったヒョウガは、アミリを良くやったと褒めた。それで直にお礼を言うと、キュンっと来る言葉をヒョウガに言われた。
しおりを挟む

処理中です...