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2章 怨みの象

32話 友人《アミ》

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 ーーー部屋に戻る途中でリーフと別れた俺は、戻った所、純白のドレスに身を包めた少女が俺の部屋その前こに佇んでいた 


 その少女は、艶やかな黒髪を持つ美少女。

「戻ってこられたのですね」

 ヒョウガに気付くと、柔らかい声音で話しかけてきた。

「ん・・・・・・!? どちら様だ?」

 「私としたことが済みませんね。ホント。わたくしは―――カルナ・ミアと申します。それで要件なんですが・・・・・・」

 「―――ミアさん。貴方あんた、運営委員会の人だろ? 昨晩殺された男と同じ所で、んで要件ていうのが、犯人基仲間が強いがために、自分たちの力では手も、足も出せないとかじゃないか?」

 「話が速くてとても助かります。彼の話だと、どうやら海底楽園都市ライシス内に、゛悪しき者が潜んでいる”ようで。そいつらがアンドレアを殺したんです」

 ―――ヒョウガは相手の狙いを言い当てる。するとその少女―――カルナは両手を後ろ手に組んだまま、ニコっと言う。


 「多分、元学園長せロラン・リュードが関かかわってる気がするぞ!」

 「元学園長……!? アンドレアがその名前を言ってました。それで話は戻ります。私と協力してもらえません?」

 聞き覚えがあるらしく、その名前に反応し、協力を申し出る。

 そして少しの時間考え込んだ後、一つの答えを出す。

 「断るぞ! 何せあって数分しかたっていない。信用の仕様が無い。だからもっとお互いを知って信頼関係を築く必要があるぞ!」

 キッパリと断ったヒョウガ。

 「それなら仕方有りませんね。では、ご友人になりません? ヒョウガ? 貴方の事に興味を持ちましたから」

 「ああ、勿論良いぞ! 色々教えてやるからな。んでだけど、今の時点でどこまで知ってるんだ?」

 ―――その言葉を聞いたカルナは諦めたように肩を竦めた。
 が、その代わりに友好関係を結ぼうと、無邪気な笑みを浮かべて頼む。

 そう来るだろうと予測していた彼は、差し出された手を取り、握手を交わす。
 その直後今迄の感じからして、もしやと思い、そう尋ねると。

 「私が伺っているののは、ヒョウガはロリコンで、幼女に全裸にして寝かせせて、酷い事をすると言う最低クズ野郎と言うことだけです」

 「良いか? 確り聞いておくんだぞ! 俺はロリコンでも、幼女手を出す最低クズ野郎でもないんだぞ! 誤解だ。誤解!」

 「分かりました。信じます。私ってば、よく誤解しちゃいやすいんですよね。済みません」

「分かればいいんだ!」

 何処から聞いたのか―――否、もうほとんどの人に間違った情報が文字通り―――流出してしまったに違いない。

 そのデマに、溜め息交じりの吐息を溢し、ヒョウガは感情剥き出しにして、誤解を解いてもらうと。

 どうやら信じて貰えたらしく。

 天然な一面を見せたミアは、ヒョウガとは反対のエレベーター方面を向くと。

 「では、今日はこれで失礼しますね」

 顔だけそちらへ向かせて言うと、ヒョウガは「ああ、じゃあな」と別れの言葉をかけ、今度こそエレベーターへと向かった。

 ―――そして、部屋へと戻ろうとしたら。

「今の黒髪の美少女は誰だったんですの?」

 「ま、まさかとは思うけど、告白されたんじゃないでしょうね?」

「え? そうなの!? ヒョウガ」

 一連の光景を目撃していたカナミ達が、見知らぬ少女の事を問い質す。

 するとヒョウガは、皆に耳を傾けるように仕向けるや、ごにょごにょと話しだして、そして伝え終ると。

 「まさかあの美少女が、運営委員会の人だったとは思いませんでした」

 「大事なのそこじゃないよー。そのカルナさんていう人の言ってることが確かなら、これで終わるとは思わないよー」

「確かにそうだね!」

 カルナが運営委員会に属していることを、驚いた顔で口にするミューフィへ、鋭いツッコミをサラが挟む。

 そして言われた事の惨劇性を口にし、フラグを立ててしまう。

「だが、先ずは明日のことが優先だぞ!」

 先のことを危惧するのではなく、今の事に集中しろと言われ、カナミ達はただ頷く。

 そんな事をしている内に夕食の時間になり、部屋に戻って行くと、選手ここホテルの従業員スタッフが料理を運んで来て―――。

 先ず先付けで、松茸の和あえ物、焼き豆腐、フナフナの甘露煮、#茄子_ナス__#。次に椀物で、海老の沢煮。そして造りは#鰤_ブリ__#、鮫、鱧ハモ。台物は、セレーモル牛の鉄板焼き、ブロッコリー、南瓜カボチャヒラタ、クルジェット、バター。その次に温物で、手造り豆腐、湯葉、苦汁にがりが机の上へと運ばれてきた。
 そして、次に鯛サラダ、シーザードレッシング、煮物はキスきすの銀煮、昆布、竹の子。勿論ご飯も釜に沢山入っていて、そして汁物として鯛のお吸い物。そしてデザートにロールケーキも運び込まれてきて。

机に全てを並べると。

「んじゃあ、食うか」

 そう言うと、手前にある刺身から順に食べて行き―――見る見るうちに無くなって行く。

―――ん~ん。どれもこれも美味いぞ!

そうあれやこれを食べて思い。

 それから残りのご飯と、お吸い物を食べて行って、ご飯が無くなると、釜から又取り出して、食べていく。

「フ~もうお腹一杯だぞ!」

何とか全部食べ切った彼は、そう零す。

「それでは、片付けさせて頂きます」

「ん・・・・・・!? ああ、ありがとう」

 ―――偶然終わった時にやって来た男のスタッフは、次々とお盆の上にからの容器を載せて行き―――全て終わると、机を拭く。

そしてスタッフは部屋から立ち去った。

 そして少し椅子に座って寛いでから、洗面所に向い。ヒョウガは歯を綺麗に磨いて、嗽をして。顔を洗いタオルで拭く。
それからカナミ達の部屋へ挨拶に向い。

 コンコンと、ドアをノックしてから、ドアノブに手を掛けてから、ドアを開く。

「んじゃあ、俺は寝るわ!」

「うん。お休み」

「お、お休みなさいよ!」

「お休みなさいですの!」

「お休みなさい」

「お休みだよー」

 彼がお休みの挨拶をすると、彼女たちがお休みを返す。

 そして彼は寝る準備をして、横になり、何分かして眠りに就く。

 カナミたちも何十分か経ってから、寝る準備をして横になり、眠りに就く。

こうして二日目は終わりを迎えた。

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