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2章 怨みの象

46話 デート

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  僕には大切な妹がいる。とても賢い妹だ。
  妹さえいれば、例え学園に居場所が無かろうが、家で煙たがられようと良いと思ったいた。
  彼は重度のシぬくコンと言うやつだ。

  レクトの心の拠り所は妹だけ…

 それ程に妹の存在は大きい。
そんなある時のこと。
`あの人´と出会う。

  学校帰りの妹を迎えに中央都へ向かっていると。

  路地裏の方から誰かの叫び声が聞こえ…
そこにいたのは妹である。
  レクトは急いでそちらへ向かうも、男の魔の手の方が早い。

  駆けつけた時には、襲おうとした男は平伏していて…

平伏させたのは、あの人だ。

その人物はフードを深く被っていて表情が見辛い。

  あの人と呼ばれた人物は、いつの間にかレクトとの距離を詰めてて、更に詰めると。

  「守れて良かった。次は君がその手で守ってあげな。兄貴何だろう。今の君じゃ、来たとしても救えない」

  性別不明な相手言葉に、安堵と不安が襲う。

  一言も兄妹だとは言っていない。
  それに自分が物凄く弱いこと等一言も言っていないのだから。
  不安を抱くのは無理ないだろう。

「目元とか良く似てるから。何となく筋肉も全然付いてないから」

「そう言うこと?」

   心を読まれてしまったが、ここはスルーしておこう。

「ああいう奴らの居ない世界を一緒に作ろう。君も強くなるんだ。未来のために」

  その悪魔の囁きに耳を傾けてしまう。
  負けた結果、今のレクトが出来上がってしまった。


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  「やはり早めに動かないと駄目さ」

 「けどのう。この前は酷い殺られようだったからのう。警戒も上がってる」

  岡の上に佇む小屋の外で二人は話している。

  夜中に抜け出すのは難無くない。

事を進めようとするレクトを、一旦止めさせた。

「あれは油断していただけさ」

  「どうしても今するのかのう」

  「悠長にしてる時間はないからさ」

  言い訳をし、リュードに正論を返す。

「本気を出すからさ」

  ーーー見捨てられない為にも

  「なら止める必要はないのう。呉々も他の人には見付からぬようにのう」

  「ありがとう。出来るだけそうする」

  孫達も眠りに就いてる中、二度目の襲撃が進んで行く。



━━━━━━━━━━━━━

翌朝。

  目覚めたヒョウガは、隣で全裸で眠るリーフを何時も通りに起こす。

   「はわぁぁ····おはようなのじゃ。ヒョウガ」

「ああ、おはよう。リーフ」

  目を擦りながら、目覚めたリーフと挨拶を交わす。

リーフが顔を洗い、衣類を身に纏うと丁度朝食が運び込まれてきて….、

早速二人は朝食を取る。

  暫くして食べ終わったリーフが、一度部屋へと戻っていく。

  歯磨きをし、着替えを済ませた。

  待つこと数十分経ち、リーフがやってきた。

  リーフの服装は、青のリバーシブルなジャケットを羽織り、中にはリボンつきのシャツを着ている。下はチェック柄のスカートだ。

「どうなのじゃ?」

チラッとこちらを見てくる。

  「ん···!?   似合ってると思うぞ」

「ありがとうなのじゃ」

  好きな人に褒められ、嬉しさのあまり頬を赤らめてしまう。    

  ーーーコロネの選んだ服は、間違いなかっ
  コロネは服のセンスがあるようだ。


少し前に遡る。

    「どれを来ていくか迷うのじゃ」

着ていく服で悩むリーフ。くかか  色々服は持ってきていむが、どう組み合わせれば良いのか分からない。なか

故に中々決まらずにいた。

「リー、私が選んであげる」

と言ってコロネは手伝う。.
幾つか試してから決めることに…

  先ずはデニムシャツワンピースだ。

「うん、似合ってる」

「嬉しいのじゃ」

   続いてグレーのパーカーにデニムパンツのコーデだ。

  「これも似合う。滅茶苦茶可愛い」

  「これならヒョウガも堕とせるのじゃ」

何処からその自信が来るのだろうか。

  続いて、シンプルな長袖のエメラルドグリーンで無地のパレオーバーだ。下にチェック柄のスカートだ。

「物凄く良いね。可愛い」

「ありがとうなのじぁ」

  ーーー先から着せ替え人形みたいにされてるのじゃ

遅れてその事実に気付く。

「じゃあ、これで良いと思う」

  そう言って渡したのは、リボン付きのシャツ。

「そうするのじゃ」

渡されたシャツに袖を通す。
  続いてチェック柄のスカートを穿く。
最後にジャケットを羽織完成だ。

「じゃあ、行ってくるのじゃ」

  「行ってらっしゃい。楽しんできて」

  小さな鞄を方に掛け、挨拶をして部屋を出た。


        ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇


そして今に至る。

  「ヒョウガも恰好良いのじゃ。何時もだけど」

「ありがとう」

  リーフの評価に、ヒョウガは素直に喜ぶ。

  彼が来ているのは、黒のフード付きパーカースウェット。下はラーガパンツを穿いていた。

 「んじゃあ、行くか。行く場所そう言えば決まってなかったな。行きたいところとかあるか?」

「うーん。そうなのじゃな···」

  昨日の今日で決まったこともあって、行き先は何一つ決まっていない。

「遊園地に行きたいのじゃ」

「ああ、良いぞ」

  リーフの言う遊園地とは、海底楽園都市の最南端に位置する巨大なテーマパークのこと。
  テーマパーク内には、幾つものアトラクションがある。
  深海をテーマにした乗り物や、海の生き物をテーマにしたアトラクションが主だ。

    この遊園地は、普段はこの都市の者達しか入れない。
  処が大会が行われる期間のみ、外の者も入ることが出来るようになっている。

  ヒョウガの承諾を得て、二人は遊園地の方へと向かう。


━━━━━━━━━━━━━━━

  カナミ達の部屋には、現在アミリ達一年生しか残っていない。

  カナミは珍しくアーティナと二人で夜まで出掛けていた。

  ルーミランとトラニアはの方も、二人で何処かへ出掛けているらしく。

  残された三人は、何をするか考えていた。

「な、何しようかしら」

「そうだねー」

「どうしましょうか」

  何をするか決まらずにいた。


   ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇

  遊園地へとやって来たヒョウガとリーフ。
  入り口は長蛇の列が出来ていて、早速チケットを購入し、列へ並ぶ。

  開園まで時間があり、前な進めない状況は続く。

「人凄いのじゃ」

「確かに凄いな」

子供連れやカップルが目立つ。

  待つこと数分。漸く遊園地が開園し、こうにしたチケット片手にどんどんと中へ入っていく。

「さて、何処から回るか···」

  入口で取ったパンフレットを見ながらそう呟く。

  ーーーすると、リーフがあるアトラクションを指差す。

  指差した方にあったのは、小型魚型潜水艦で深海を回るアトラクション。

「んじゃあ、並ぶか」

「うん」

二人は最後尾に並ぶ。

暫く並んでいると。


「そろそろだな」

「そうなのじゃ」

自分らの番が回ってきて…

  潜水パニックと言う名の建物の中へ入ると、少し経て乗り場へ到着。

  ライドは六人乗りで早速乗り込む。
ヒョウガとリーフは真ん中だ。

  ーーー安全バーが下り、動き出した。

  魚型潜水艦は、どんどんと潜水していく。

  目の前には綺麗で見たことのない魚が泳いでいた。

「綺麗なのじゃ」

「確かにな」

  目の前に広がる魚達に魅入っていると。

  目の前を泳ぐ魚達が、巨大な深海生物に文字通り食べられてしまう。

  次に深海生物は、魚型潜水艦を大きな口で食べていく。

   食べられた魚型潜水艦は、勢い良く墜落していく。
浮上することが出来ない。
  何故なら鋭い牙に機体を殺られ、上手く機能しないから。

ーーー絶体絶命とその時ーーー

   巨大生物が何かと衝突し、痛みに苦しみ、そして魚型潜水艦を吐き出す。
  吐き出した直後、深海生物が落下していく。

  目の前には巨大な鯨が此方を炯眼けいがんしていた。

  魚型潜水艦へ近付く鯨を、避けることなど出来ない。

  呑み込まれると思いきや、寸前でエンジンが復活し、鯨の口元から猛スピードで脱する。

  鯨が追いかけてくることもなく、魚型潜水艦は先へ進んでいく。

  進んだ先でも、また巨大生物に襲われてしまう。
  激しく揺れる魚型潜水艦。しかし、それだけで傷はほとんどない。

  巨大生物のから逃げ切ると、魚型潜水艦は浮上していき、出口へ到着した。

  安全バーが上がり、係員の指示でライドから降りた。

「あ~あ、楽しかったのじゃ」

「そうだな」

  出口へ向かうに二人は、楽しそうに感想を言い合う。

「次は何乗る?」

 「う~んと、あれに乗りたいのじゃ」

  と言ってリーフが指差したのは、周囲を岩で囲まれた大きなジェットコースター。


  このコースターからは、海底楽園都市を一望することが出来る。
ここも人気で、待ち時間が長い。

  「意外だな。リーフこういう系いけるんだな」

「大好きなのじゃ。ヒョウガはどうなのじゃ?」

「俺も行けるぞ。好きだ」

   ヒョウガは兎も角、リーフもいけるのはヒョウガの言う通り意外だ。

  数十分程会話して待っていると、漸く自分達の番がやって来た。

  ライドへ係員に案内され、二人は乗り込む。
  ヒョウガとリーフは先頭から二列目だ。

  安全バーが下り、少し経ち出発した。

  ゆっくり走るライド。少しずつスピードを上げ始め、レールの上を駆け抜けていく。

  スピードを緩めたかと思うと、どんどんと上昇していく。

  頂上へ達すると、海底楽園都市を一望し次の瞬間ーーー急降下した。

「きゃああぁ····」

「ぎゃああぁ····」

悲鳴が木霊する。

レールを猛スピードで駆け抜け…
  岩の間を完走し、もう一度スピードを緩めて上昇した。
  上昇へ達すると、再び急降下していく。

「きゃあぁぁ····」

「ぎあぁぁ····」

二人の悲鳴が木霊する。

  スピードを落とし、暫くして出口へ到着。安全バーが上がって、係員の指示で降りた。

「凄く楽しかったな」

「ホント凄かったのじゃ」

二人は楽しそうだ。

楽しんだ二人は、少し休憩することに…


━━━━━━━━━━━━━━━

一方その頃。
残された一年生組は。

  部屋から出ずゆっくりと過ごしていて、丁度今から出掛けようとしていた。

  出掛けると言っても少し散歩したりするだけのはずが。

「つ、ついでにお昼ご飯も食べに行くわよ」

「そうしましょう」

「良いよー」

  アミリの提案で、急遽外食することに。

軽く身支度を整え、準備完了。
  少し経てから、三人は散歩しに行った。


遊園地の方。

回転魚に並んでいた。
ここも人が多く、中々進まない。

  お喋りをしながら待っていると、自分達の番が回ってくる。

  係員の指示で何グループかが一人ずつ鮫に跨がる。

ヒョウガが跨がったのは、黒い海豚だ。
リーフの方は、青色の海馬タツノオトシゴだ。

ーーー回転魚が動き出す。

ゆらゆらと動く鮫と海馬。
  回っている間、冷たい風が美しい紫色の髪を揺らした。

  何周かし終えた頃、乗り物が止まり、降りていく。

「回転魚も楽しかったのじゃ」

 「ああ、そうだな。久し振りに乗ったけど。楽しかった」

  幼い時っ切りのヒョウガに対し、リーフは初めての様だ。

「次はあれ乗りたいのじゃ」

「並ぶか」

「うん」

   二人は手を繋ぎながら歩いてると、あるアトラクションを指差す。

ーーーボートだ。

  ボートはエリア内を一周すると言うものの。

  向かおうとした刹那ーーー何処からかお腹の音がなった。

  「先に早いけど、ご飯にするか?」

「そうするのじゃ」

  珍しく恥じらうリーフに、呼び掛けると小さく頷く。

  時間は少し早いものの、何処の店も人が多く。
  歩きながら程良い具合に賑わうレストランを探す。 

  すると、条件にあったレストランを発見。
早速レストランへと入っていく。

「どれにするか迷うな」

「妾も迷うのじゃ」

  入口に貼られたメニューを覗き込んで悩む二人。

「う~んと、俺はこれにしよ」

   ヒョウガが選んだのは、ディッシェオメイスだ。
  ディッシェオメイスとは、多種類の香辛料を併用し、お肉や野菜等に味付けした料理。
  それを、トマトソースと味付けした鶏肉とベーコン、玉葱などとご飯を炒め卵で包んだやつの上に掛けた料理。

「うーん、妾は····」

  とメニュー表を眺め、漸く注文が決まる。 

「妾はこれにするのじゃ」

  リーフが選んだのは、ポークステーキだ。

  注文が決まり、二人は入口で注文し、食券で支払う。

  店の奥へ行き、左際の席に二人は向かい合うように座った。

  待つこと暫くして、探す仕草を見せ店員が料理を此方へと運んできた。

「んじゃあ、食うか」

「そうするのじゃ」

そう言って食べ始め…

  スプーンで卵を切った時のふんわり感が凄い。

掬い上げたオメイスを口に運ぶ。

  「んーん。美味いな。このディッシェの辛さが丁度良いぞ。オメイスとの相性抜群だ」

  食べた率直な感想をヒョウガは言う。

  「うーん、お肉が柔らかくてジューシーなのじゃ」

  ジューシーなお肉を口に頬張りながら、幸せそうな顔で言う。

食べるスピードも上がる。

「滅茶苦茶美味しかったな」

「もうお腹一杯なのじゃ」

  お腹の膨れた二人は、水で口直しをすると。
暫く休憩をし、二人は店を出た。


━━━━━━━━━━━━━━━

同じ頃。
  出掛けていたカナミとアーティナ。
二人はお昼ご飯を取ることに。

「何を食べよっか」

「そうですのね」

  近場の店で食べられる所を探す。

  探すこと数分が経ち、ドバラーヤ料理の専門店へとやってきた。

店内は混んでおり、少しの間待たされ…
    待つこと数分経ち、店員に席へと案内された。

  入口から見て、右中央の向かい合う席に案内され席に着く。

  少し経て店員がメニュー表とお茶を持ってやって来る。

「何にしようかな」

「迷うですの」

とメニュー表を見つつ悩む。
  数分が経ち、二人は頼む料理が決まる。

  カナミが選んだのは、鱈のクリームグラーセット。
アーティナは、ポルヴ・アロースコシードのセットだ。

  セットには、馬鈴薯ジャガイモのスープとミスとが付いている。

店員を呼び注文をした。
  暫くして料理が運び込まれてきた。

「それじぁ、食べるですの」

「うん、そうしよう」

  自分の前に料理を置き、食べ始め…

フ~フ~。パクッ、

  「んーん、クリーミーで美味しい」

パクッ、モグモグ、

 「んーん、蛸の旨味が確りしてて美味しいですの」

  二人は美味しい料理に舌鼓を打つ。


ゴクゴク。モグモグ、

 「このスープもミストも美味しいね」

ゴクゴク、モグモグ、

「確かに美味しいですの」

  馬鈴薯のスープも、ミストも美味しいらしい。

どんどんと食べ進めていく。
  皿の上に盛られた料理が、見る見る内に無くなっていく。
遂には空になってしまう。

  食べ終わると、苦しそうにし、その場で休む。

  それから食券片手に、鞄を持ってレジに向かい、支払いを済ませた。
  店を出た二人は、別の場所へ向かう。


━━━━━━━━━━━━━━━


  同時刻。少し遅めの昼食を取ろうと、レストラン街を歩いていた。

「そ、それにしても、ヒョウガ先輩がリーフ何かとデータするなんて···羨ましいわよ」

  知っていたとは言え、気に食わない様子のアミリ。

  「仕方ないよー。全然構って貰えなかったんだからー」

  「美味しいもの食べて忘れましょう」

    別にリーフを擁護するわけではないが、ヒョウガの決めた事だから口を出せない。

  「そ、そうね。簡単に奪われたりしないわよね」

アミリは自信を取り戻す。

ーーーリーフ何かに負けないわよ

ライバルに対し、闘士を燃やす。

  等と思っていると、空いているレストランを見付け中へ入っていく。
  このレストランは、ニーフール料理の店だ。
  
  入店に気付いた男のウェイターが、席まで案内する。
案内されたのは窓際の席だ。
  奥にアミリとサラ。手前はミューフィだ。

   ウェイターにメニュー表を手渡され、三人はそれぞれメニュー表を覗き込む。

  暫く悩み、漸く注文が決まった。

「済みません」

「はーい」

  偶々近くを通り掛かったウェイトレスを呼ぶ。

「ウチは牛ハラミ肉のステーキで、ナチェッツ添えセットを一つ」

  「わ、私は牛ララ肉のニーフールビナ煮のパンのセットにするわ」

 「ワタシはサーノルのカルパッシェとベーコンと菠薐草ホウレンソウのヌーシュのライスとサラダセットで」

  「牛ハラミ肉のステーキとナチェッツ添えのセットがお一つ。牛ララ肉のニーフールビナ煮のパン、サラダセットがお一つ。サーノルのカルパッシェと、菠薐草のヌーシュのライス、サラダセットがお一つ。以上になりますね」

  注文の確認を行い、厨房へ向かう。

  少しすると、サラダが先に来てアミリとミューフィが先に食べ始める。

ムシャムシャ、モグモグ

  「こ、このサラダドレッシングが利いてて美味しいわね」

「確かに美味しいです」

  サラダを口に頬張る二人は、サラダに満足した様子だ。

  するとそこへ、メインが運び込まれてきた。

  運び終わるとウェイトレスは別の所へと向かった。

  「そ、それじょあ、メインを戴くわよ」

「戴きます」

「戴くよー」

そう言ってメインを食べ始め…

ふうーふうー。

  「んーん。お、お肉は柔らかいし、濃厚なニーフールビナが美味しさを挽き立ててるわ」

ジュワ···

  「んーん。凄くジューシーで美味しいよー。物凄く滑らかだよー」

  「滑らかなサーノルがマーニョソースとマッチングしてて、凄く美味しいです」

  三人は率直な感想をそれぞれが口にした。

  「こっちのベーコンと菠薐草のヌーシュも、サクサクして甘くて美味しいです」

  幸せそうな顔で食べるミューフィ。それ程美味しいのだろうか。

 「ナシェッツも美味しいよー。米も」

  「こ、このパンも特別な材料を使ってる見たいだけど、美味しいわよ」

二人もまた美味しいと絶賛し…
食べるペースが無意識に早まる。

  テーブルに乗ったお皿が、見る見る内に無くなっていく。


 「ふうー、も、もうお腹いっぱいで何も食べられないわ」

「ワタシももう何も入りません」     

「ウチもだよー」

  お腹の膨れた三人は、苦しそうにしてその場で少し休む。
  暫し休んでから、三人は荷物を持ってレジへ向かう。

  会計を食券で支払い、三人は店を出た。



「ーーー漸く見付けた」

  ターゲットであるサラを見付けたレクト。

  「邪魔物がいるけど、殺るしかないさ」

  狼の仮面をし、マントを纏うとサーベル片手に動き出した。
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