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第2章
2─3
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1週間聞き込みをして回ってみたが、バイヤー達は皆知らないと言った。
「もうクタクタよ」
通りを出た場所にある公園で、ローレン達は休憩を取っていた。ジェシカの手には缶コーヒーが握られている。
「でも、他に手がかかりはないからね」
現場周辺の聞き込みからも、目撃者等の情報は得られていない。
「随分温かくなってきたみたいだけど、まだ冷えるわね」
5月初旬とは言え、温かいのは昼間だけだ。街路樹も花は咲きつつあるが、まだ見頃とは言えない。
ローレンも缶コーヒーに口をつけた。と、公園内へと誰かがやって来るのが見えた。外灯の光が届かない為、影だけが揺れているように見える。
「若者だったら、聞いてみましょ」
そう言ったジェシカは、コーヒーを飲み干した。
「あんたらか?俺を捜してるってのは」
外灯の下に現れたのは、肌の浅黒い若者だった。
「君……あぁ、そうだよ」
ベンチから立ち上がり、若者と向き合う。
「持ってるの?」
彼の視線が上がる。決して若者は小柄ではなかったが、彼にしてみればローレンは巨大に見えただろう。
「勿論。で、いくら欲しい?」
人気のない公園で、若者は早速取引を持ち掛けてきた。ジェシカも立ち上がると、ローレンの横に並んだ。
「悪いんだけど、物が欲しい訳じゃないんだ」
そうローレンが言った途端、若者の顔は青ざめ、瞼が引き攣った。
「あんたら警察かよ……!俺を逮捕しようってのか?」
走って逃げられなかった分、内心安堵する。そして2人で警察手帳を見せてから本題に入った。
「先日この先の路地裏で殺人事件があったんだけど、それについて君に聞きたいんだ」
ローレンとジェシカが名乗ると、若者はビリーと名乗った。
「じゃあ、薬の件は?」
「うーん、協力してくれたら目をつむるよ」
そう言うと、ビリーはベンチに腰掛けた。その隣にジェシカが座り、ローレンは彼の前にしゃがんだ。
「知ってるよ。ナターシャは、俺の友達だったんだ」
「そう……それは気の毒だったね」
ビリーは、一瞬胸が詰まったのか、俯いてそして唇を噛み締めながら顔を上げた。
「で、俺は何を話せばいいんだ?」
「彼女の死因は、ヘロインの過剰接触による中毒死だったんだけど、薬は貴方から買ってたの?」
厳しい口調でジェシカがそう質問すると、ビリーは表情を曇らせた。
「変だ。ナターシャは適量を十分知ってる筈だから、過剰接触するなんてありえない」
「そうね。犯人が彼女に、殺害目的で与えたのよ。それでビリー……貴方からヘロインを買ったお客の中に、ミカルって人はいたかしら?」
そう言うと、ジェシカは似顔絵を取り出してビリーに見せた。彼は暫くそれを眺めてから、首を左右に振った。
「いや、知らないな。ミカルって名前……どっかで聞いたような……」
「じゃあ、誰かから恨みをかっていたとかは?」
そう言ったローレンにも、ビリーは首を振った。
「いや、聞いてないよ。ナターシャは売春もやってたけど、恨まれるような事は何も……」
「じゃあ、恋人はいた?」
ローレンの質問に、ビリーは一瞬口篭った。
「恋人……かは知らないけど、熱を上げてた奴はいたみたい」
「名前は?君はその人に会った事はある?」
「会った事はないけど、ナターシャがそいつの事を話す時……そうだ、そいつの事をミカルって言ってた」
やはりミカルだ、と内心思いながらも、ローレンはビリーからは他に何も情報が得られないと感じた。
隠しているようでもない。
「そうか……」
落胆の声を漏らしたローレンが立ち上がると、ビリーは似顔絵をジェシカに返した。
「協力ありがとう。また、何か思い出したら教えてくれるかな?僕達は署の11階の殺人課にいるから」
ジェシカも立ち上がり、2人して立ち去ろうとした時、ビリーも慌てて立ち上がった。
「あ、あのさ。関係ないかも知れないけど、ナターシャが死んでた場所で、先月も死体が見つかってるんだよ」
初耳だ。
先月と言えば、ローレンは友人のハリスに捜査協力を頼まれ、ブレイブシティへと赴いていた。
ジェシカを見遣ると、怪訝な顔をしている。どうやら彼女も覚えがないらしい。
「その話、詳しく聞かせて貰えるかな?」
「いいよ。発見されたのは、マイケル・グリードって言う奴で、そいつを俺がナターシャに紹介したんだ」
「もうクタクタよ」
通りを出た場所にある公園で、ローレン達は休憩を取っていた。ジェシカの手には缶コーヒーが握られている。
「でも、他に手がかかりはないからね」
現場周辺の聞き込みからも、目撃者等の情報は得られていない。
「随分温かくなってきたみたいだけど、まだ冷えるわね」
5月初旬とは言え、温かいのは昼間だけだ。街路樹も花は咲きつつあるが、まだ見頃とは言えない。
ローレンも缶コーヒーに口をつけた。と、公園内へと誰かがやって来るのが見えた。外灯の光が届かない為、影だけが揺れているように見える。
「若者だったら、聞いてみましょ」
そう言ったジェシカは、コーヒーを飲み干した。
「あんたらか?俺を捜してるってのは」
外灯の下に現れたのは、肌の浅黒い若者だった。
「君……あぁ、そうだよ」
ベンチから立ち上がり、若者と向き合う。
「持ってるの?」
彼の視線が上がる。決して若者は小柄ではなかったが、彼にしてみればローレンは巨大に見えただろう。
「勿論。で、いくら欲しい?」
人気のない公園で、若者は早速取引を持ち掛けてきた。ジェシカも立ち上がると、ローレンの横に並んだ。
「悪いんだけど、物が欲しい訳じゃないんだ」
そうローレンが言った途端、若者の顔は青ざめ、瞼が引き攣った。
「あんたら警察かよ……!俺を逮捕しようってのか?」
走って逃げられなかった分、内心安堵する。そして2人で警察手帳を見せてから本題に入った。
「先日この先の路地裏で殺人事件があったんだけど、それについて君に聞きたいんだ」
ローレンとジェシカが名乗ると、若者はビリーと名乗った。
「じゃあ、薬の件は?」
「うーん、協力してくれたら目をつむるよ」
そう言うと、ビリーはベンチに腰掛けた。その隣にジェシカが座り、ローレンは彼の前にしゃがんだ。
「知ってるよ。ナターシャは、俺の友達だったんだ」
「そう……それは気の毒だったね」
ビリーは、一瞬胸が詰まったのか、俯いてそして唇を噛み締めながら顔を上げた。
「で、俺は何を話せばいいんだ?」
「彼女の死因は、ヘロインの過剰接触による中毒死だったんだけど、薬は貴方から買ってたの?」
厳しい口調でジェシカがそう質問すると、ビリーは表情を曇らせた。
「変だ。ナターシャは適量を十分知ってる筈だから、過剰接触するなんてありえない」
「そうね。犯人が彼女に、殺害目的で与えたのよ。それでビリー……貴方からヘロインを買ったお客の中に、ミカルって人はいたかしら?」
そう言うと、ジェシカは似顔絵を取り出してビリーに見せた。彼は暫くそれを眺めてから、首を左右に振った。
「いや、知らないな。ミカルって名前……どっかで聞いたような……」
「じゃあ、誰かから恨みをかっていたとかは?」
そう言ったローレンにも、ビリーは首を振った。
「いや、聞いてないよ。ナターシャは売春もやってたけど、恨まれるような事は何も……」
「じゃあ、恋人はいた?」
ローレンの質問に、ビリーは一瞬口篭った。
「恋人……かは知らないけど、熱を上げてた奴はいたみたい」
「名前は?君はその人に会った事はある?」
「会った事はないけど、ナターシャがそいつの事を話す時……そうだ、そいつの事をミカルって言ってた」
やはりミカルだ、と内心思いながらも、ローレンはビリーからは他に何も情報が得られないと感じた。
隠しているようでもない。
「そうか……」
落胆の声を漏らしたローレンが立ち上がると、ビリーは似顔絵をジェシカに返した。
「協力ありがとう。また、何か思い出したら教えてくれるかな?僕達は署の11階の殺人課にいるから」
ジェシカも立ち上がり、2人して立ち去ろうとした時、ビリーも慌てて立ち上がった。
「あ、あのさ。関係ないかも知れないけど、ナターシャが死んでた場所で、先月も死体が見つかってるんだよ」
初耳だ。
先月と言えば、ローレンは友人のハリスに捜査協力を頼まれ、ブレイブシティへと赴いていた。
ジェシカを見遣ると、怪訝な顔をしている。どうやら彼女も覚えがないらしい。
「その話、詳しく聞かせて貰えるかな?」
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