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第4章
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尋問室は、少し冷たい印象のあるタイル壁とマジックミラー。そしてテーブルと椅子があるだけだ。そのミラーの向こうには──聴取と言うより尋問を待つような面相をしているだろう──テイラーがいる。
そんなマジックミラーを正面に2人を座らせると、ローレンはマイケルの件の調書と似顔絵を目の前に置いた。
「それで、進展と言うのは?マイケルが殺されたと分かったんですか?」
黙っているデニスに代わり、ハングマンが口を開く。ローレンはそんな好々爺を見つめると、首を振って否定した。
「僕もマイケルの件について調書を読みました。担当した解剖医にも話を聞きましたが、彼は自殺です。貴方達が疑うのも無理はありませんが、ナターシャ・メロウは直接彼の死に関わっていません」
そうローレンが話すと、デニスの肩が震えた。ハングマンは僅かに目を見開いたが、反論する事はなかった。
「マイケルは遺書等を残していませんでしたが、ハングマンさん、彼が自殺した理由をご存じでしょう?」
ローレンの言葉に、ジェシカもハングマンを見遣る。
「私は……以前も別の刑事さんに話したが、マイケルが虐めにあっていると知っていた……まさか彼が自殺を考えていたなんて、そこまで考えなかった……」
灰色の瞳が滲む。
「俺には話してくれなかった……!」
デニスがテーブルを叩いた。ハングマンは慌てて彼を見遣ると、その拳を握った。
「マイケルは、君に心配をかけたくないと言っていたんだ。それに、彼から私に相談してきた訳じゃない。たまたま私が気付いたんだ」
それについてデニスは、何も言わなかった。気付いてやれなかった自分を責めているのかも知れない。
「彼が何を思っていたかは推測するしかありませんが、貴方達に内緒で街に出たマイケルは、ビリーと言う青年に、メロウを紹介してもらったそうです」
2人が何をしたかは分からないが、マイケルはメロウと別れてほどなく命を絶った。彼の死亡推定時刻には、メロウは仲間達とバーで飲んでいた。それは聞き込みからも裏が取れている。
「マイケルはメロウからヘロインを買い、それで自殺したんです。彼女はヘロインを売っただけだった。それを自殺幇助と取るかどうか、と聞かれたら、僕はそうじゃないと思います」
そう言いローレンは、2人の前にある似顔絵を指で示した。
「これはデニス、君だね?」
デニスは黙っている。それを認めたと取ったローレンは、先を続けた。
「弟を死に追いやった彼女を君は捜し出し、兄だと言う事を伏せてメロウに近付いたんだ。そうじゃないかな?あの夜、君はメロウを呼び出したんだ。マイケルが死んだ場所に」
推理を続けるローレンを、ジェシカは黙って見守っている。
「知らない。俺はそんな女なんか知らない……!」
まだ否定し続けるデニスへ、ローレンは新たな書類を取り出した。
「これは、彼女の部屋から採取された指紋なんだけど、君の物と一致したよ。それでも彼女を知らないと言うのかい?」
証拠を突き付けると、漸くデニスは自身がミカルと言う女性に変装して、彼女のアパートへ出入りしていた事を認めた。
「ミカルは確かに俺だよ。ナターシャを殺してやろうと思って近付いたんだ」
ハングマンはそれに対し、驚く様子を見せない。
「貴方もご存じだった……そうですね?ハングマンさん」
「あ……あぁ。デニスが、マイケルに薬を売った奴を見つけたと、聞いていたんだ。そして、油断させる為に、親密な仲を作っていたのも聞いてた」
1つずつ、推理が確かな物へと変わって行く。それに自信過剰になる訳でもなく、ローレンは続けた。
「と言う事は、貴方はデニスが、メロウを殺害しようとしている計画を、知っていたんですね?」
そう言うと、ハングマンは小さく唸りながら頷いた。
「ハングマンさん、貴方のDNAを採取させて頂きたいのですが、よろしいですね?」
ローレンはちらとジェシカを見遣った。すると彼女が、手早く綿棒を取り出す。
「何を調べるつもりで?」
明らかにハングマンは動揺している。それを見つめながら、ジェシカは腰を浮かせた。
「貴方は先週、何者かに殺害されたナターシャ・メロウ殺しの被疑者なの。悪いけど、口を開けてちょうだい」
「何だって?わ……私は殺してない……!」
椅子を後ろに引いて抵抗を見せるハングマンを、デニスは戸惑いながら見ている。
「それなら、犯人じゃないと証明する為にも、協力して」
ジェシカは鋭い視線をハングマンに向けた。すると彼は観念したように椅子を戻し、口を開けた。
「鑑識に回してくるわ」
ハングマンの咥内から唾液を採取したジェシカは、そう言って尋問室を出て行った。
「違うよね……?レナードさん。あいつを殺してないよね?」
さすがのデニスも疑っているようだった。ハングマンは──その問いに対し頷くと──デニスを抱きしめた。
「大丈夫だ、大丈夫だからな」
そう繰り返すハングマンは、デニスに、と言うより、自身に言い聞かせているようだった。
「さっきも言いましたが、ナターシャ・メロウは先週、何者かに殺害されました」
そう言いながら似顔絵を引き寄せ、代わりに解剖前の遺体の写真を2人の前に差し出した。目を背けるデニスを抱きしめたまま、ハングマンは唇を噛み締め写真を睨む。
「死因は見ての通りです」
写真に写るメロウの首には、痛々しい青痣ができ、腕は腫れている。
「犯人は、推定180センチ前後の男だと僕達は考えてます」
そう言ってローレンは、ハングマンを見つめた。
「そんな男、街にはたくさんいるじゃないか」
「えぇ、確かに、たくさんいます。ですが、180センチ前後で、ドーランをつけていた男、となると、限られてくるでしょう」
そうローレンが言うと、扉が叩かれ、鑑識の男が書類を持って顔を覗かせた。
「DNAの結果です」
「ありがとう」
書類を受け取り席に戻ると、ローレンは結果に目を通した。やはりメロウを殺害したのはデニスではない。
「凶器の1つとして使用されたスカーフから、DNAが採取されました。それとデニスのDNAを比較しましたが、別人でした」
そう報告すると、ローレンはハングマンに視線を戻した。
「貴方は昔、サーカスでピエロをしていたそうですね。ピエロのメイクには、ドーランを使用する」
デニスはハングマンを見つめ続けているが、次第にその目は悲しみに満ちていった。
「レナードさん……はっきり言ってやってよ!ナターシャを殺してないって……!」
再び扉が開き、今度は書類──超特急で調べさせたのだろう──を手にしたジェシカが入って来た。その顔は険しく、また、哀れみを含んでいるように見える。
「鑑識の結果よ」
ローレンの隣に座ったジェシカは、そう言って書類をテーブルに置いた。
「さっき貴方から採取した唾液から、DNAを取って犯人が残した物と比較したわ」
ジェシカはハングマンを見つめた。ローレンも書類に目を通して、そして頷いた。
「ハングマンさん。DNAが一致しました。ナターシャ・メロウを殺害したのは、貴方だ」
そうローレンが言うと、デニスの瞳から涙が零れた。
「どうして……?どうしてレナードさんが!」
「デニス、すまない。君には手を汚して欲しくなかったんだ」
ハングマンも目に涙を浮かべている。
「話してくれますね?」
そんなマジックミラーを正面に2人を座らせると、ローレンはマイケルの件の調書と似顔絵を目の前に置いた。
「それで、進展と言うのは?マイケルが殺されたと分かったんですか?」
黙っているデニスに代わり、ハングマンが口を開く。ローレンはそんな好々爺を見つめると、首を振って否定した。
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そうローレンが話すと、デニスの肩が震えた。ハングマンは僅かに目を見開いたが、反論する事はなかった。
「マイケルは遺書等を残していませんでしたが、ハングマンさん、彼が自殺した理由をご存じでしょう?」
ローレンの言葉に、ジェシカもハングマンを見遣る。
「私は……以前も別の刑事さんに話したが、マイケルが虐めにあっていると知っていた……まさか彼が自殺を考えていたなんて、そこまで考えなかった……」
灰色の瞳が滲む。
「俺には話してくれなかった……!」
デニスがテーブルを叩いた。ハングマンは慌てて彼を見遣ると、その拳を握った。
「マイケルは、君に心配をかけたくないと言っていたんだ。それに、彼から私に相談してきた訳じゃない。たまたま私が気付いたんだ」
それについてデニスは、何も言わなかった。気付いてやれなかった自分を責めているのかも知れない。
「彼が何を思っていたかは推測するしかありませんが、貴方達に内緒で街に出たマイケルは、ビリーと言う青年に、メロウを紹介してもらったそうです」
2人が何をしたかは分からないが、マイケルはメロウと別れてほどなく命を絶った。彼の死亡推定時刻には、メロウは仲間達とバーで飲んでいた。それは聞き込みからも裏が取れている。
「マイケルはメロウからヘロインを買い、それで自殺したんです。彼女はヘロインを売っただけだった。それを自殺幇助と取るかどうか、と聞かれたら、僕はそうじゃないと思います」
そう言いローレンは、2人の前にある似顔絵を指で示した。
「これはデニス、君だね?」
デニスは黙っている。それを認めたと取ったローレンは、先を続けた。
「弟を死に追いやった彼女を君は捜し出し、兄だと言う事を伏せてメロウに近付いたんだ。そうじゃないかな?あの夜、君はメロウを呼び出したんだ。マイケルが死んだ場所に」
推理を続けるローレンを、ジェシカは黙って見守っている。
「知らない。俺はそんな女なんか知らない……!」
まだ否定し続けるデニスへ、ローレンは新たな書類を取り出した。
「これは、彼女の部屋から採取された指紋なんだけど、君の物と一致したよ。それでも彼女を知らないと言うのかい?」
証拠を突き付けると、漸くデニスは自身がミカルと言う女性に変装して、彼女のアパートへ出入りしていた事を認めた。
「ミカルは確かに俺だよ。ナターシャを殺してやろうと思って近付いたんだ」
ハングマンはそれに対し、驚く様子を見せない。
「貴方もご存じだった……そうですね?ハングマンさん」
「あ……あぁ。デニスが、マイケルに薬を売った奴を見つけたと、聞いていたんだ。そして、油断させる為に、親密な仲を作っていたのも聞いてた」
1つずつ、推理が確かな物へと変わって行く。それに自信過剰になる訳でもなく、ローレンは続けた。
「と言う事は、貴方はデニスが、メロウを殺害しようとしている計画を、知っていたんですね?」
そう言うと、ハングマンは小さく唸りながら頷いた。
「ハングマンさん、貴方のDNAを採取させて頂きたいのですが、よろしいですね?」
ローレンはちらとジェシカを見遣った。すると彼女が、手早く綿棒を取り出す。
「何を調べるつもりで?」
明らかにハングマンは動揺している。それを見つめながら、ジェシカは腰を浮かせた。
「貴方は先週、何者かに殺害されたナターシャ・メロウ殺しの被疑者なの。悪いけど、口を開けてちょうだい」
「何だって?わ……私は殺してない……!」
椅子を後ろに引いて抵抗を見せるハングマンを、デニスは戸惑いながら見ている。
「それなら、犯人じゃないと証明する為にも、協力して」
ジェシカは鋭い視線をハングマンに向けた。すると彼は観念したように椅子を戻し、口を開けた。
「鑑識に回してくるわ」
ハングマンの咥内から唾液を採取したジェシカは、そう言って尋問室を出て行った。
「違うよね……?レナードさん。あいつを殺してないよね?」
さすがのデニスも疑っているようだった。ハングマンは──その問いに対し頷くと──デニスを抱きしめた。
「大丈夫だ、大丈夫だからな」
そう繰り返すハングマンは、デニスに、と言うより、自身に言い聞かせているようだった。
「さっきも言いましたが、ナターシャ・メロウは先週、何者かに殺害されました」
そう言いながら似顔絵を引き寄せ、代わりに解剖前の遺体の写真を2人の前に差し出した。目を背けるデニスを抱きしめたまま、ハングマンは唇を噛み締め写真を睨む。
「死因は見ての通りです」
写真に写るメロウの首には、痛々しい青痣ができ、腕は腫れている。
「犯人は、推定180センチ前後の男だと僕達は考えてます」
そう言ってローレンは、ハングマンを見つめた。
「そんな男、街にはたくさんいるじゃないか」
「えぇ、確かに、たくさんいます。ですが、180センチ前後で、ドーランをつけていた男、となると、限られてくるでしょう」
そうローレンが言うと、扉が叩かれ、鑑識の男が書類を持って顔を覗かせた。
「DNAの結果です」
「ありがとう」
書類を受け取り席に戻ると、ローレンは結果に目を通した。やはりメロウを殺害したのはデニスではない。
「凶器の1つとして使用されたスカーフから、DNAが採取されました。それとデニスのDNAを比較しましたが、別人でした」
そう報告すると、ローレンはハングマンに視線を戻した。
「貴方は昔、サーカスでピエロをしていたそうですね。ピエロのメイクには、ドーランを使用する」
デニスはハングマンを見つめ続けているが、次第にその目は悲しみに満ちていった。
「レナードさん……はっきり言ってやってよ!ナターシャを殺してないって……!」
再び扉が開き、今度は書類──超特急で調べさせたのだろう──を手にしたジェシカが入って来た。その顔は険しく、また、哀れみを含んでいるように見える。
「鑑識の結果よ」
ローレンの隣に座ったジェシカは、そう言って書類をテーブルに置いた。
「さっき貴方から採取した唾液から、DNAを取って犯人が残した物と比較したわ」
ジェシカはハングマンを見つめた。ローレンも書類に目を通して、そして頷いた。
「ハングマンさん。DNAが一致しました。ナターシャ・メロウを殺害したのは、貴方だ」
そうローレンが言うと、デニスの瞳から涙が零れた。
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