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警察署の玄関先へと転送先を指名したのは、フィックスだった。
「ではフィックス。ここでお別れです」
そっと、肩に触れていた手を放す。
温もりが爪の先から去っていくのが淋しい。
「ファイ、ありがとう」
フィックスが言った。それは何に対しての礼か分からず、ファイは彼を見つめた。青い瞳は相変わらず美しく、赤毛が太陽に照らされて更に栄えている。
「私は何もしていません。だから、礼など」
「いえ」
途中で言葉を遮り、フィックスは首を傾げる仕種を見せた。
「貴方がいてくれて、どんなに心強かったか。だからお礼を言わせて貰ったんです」
安堵の笑み。これが、フィックスが見せる本当の笑顔なのだろう。
「それは良かったです。有り難くその言葉を頂戴しましょう」
そう言って背を向け、転送を、と言いかけた時、フィックスが呼び止めてきた。
「まだ何か……?」
振り返り、フィックスを見遣る。青い瞳は真っ直ぐ自分に向けられていた。
「最後に1つ、聞きたいんですが」
「何でしょう?」
「日蝕と月蝕の話しをしましたね。理由は?何故、その話題を選んだんです?」
全く予期せぬ質問に、ファイは口角を僅かに引き攣らせた。
「初めて貴方を見た時、美しい赤毛と、真っ直ぐで深い、海のような青い瞳がとても印象的で……そうですね、後付けになりますが、このサバルと言う土地にある太陽と海に、貴方は似ている」
フィックスは黙って聞いている。
玄関先に、2人の男の姿が見えた。確か、フィックスが仲間と連絡を取りたい、と言った時に画面の向こうにいた、ベイトとエンカートだ。フィックスを出迎えに来たのだろうが、こちらへ近付くのを躊躇うように足踏みしている。
「フィックス、貴方は本当に太陽のような人だ」
眩しく、そしてその存在感は大きい。無くてはならない存在。
「また私を太陽だと比喩するんですか?だとしたら、私は貴方を月だと比喩します」
そう言ったフィックスは、可笑しそうに笑っている。
「貴方が太陽で私が月ならば、私達の出会いはそう、皆既日蝕だと思いませんか?」
我ながら陳腐な比喩だと思ったが、ファイは先を続けた。時間はもう、僅か程もない。
「月が太陽を隠してしまったんです。人質として。仕方がなかったとは言え、非礼をお詫びします」
ファイは頭を下げようとした。が、それをフィックスが手で制し、優しい手でファイの頬を撫でた。
「非礼だなんて、とんでもありません。さっき私がお礼を言ったばかりじゃありませんか」
「それとこれとは」
「同じです、ファイ。それに、私達の出会いは、私には皆既日蝕だとは思えません」
ついさっきまで俯き、ひかえめな印象さえあったフィックスが、そうきっぱりと言い放った。ファイは少し驚いたが──表情を変える事なく──自分の中で組み立てたフィックス・ケリー、と言う地球人の性質を修正する。
「では、何でしょう」
皆既日蝕ではないのだとしたら、一体何だと言うのだろう。フィックスは、自分達の出会いをどう捉えているのか。
「日蝕でも月蝕でも、どちらでもありません。この出会いは必然なんです。もし私が例えていいのなら、これは金環日蝕だと答えるでしょう」
太陽と月が重なった直後、神々しいまでのダイヤモンドリングが現れる。
それが、2人の出会いだとフィックスは言う。
「それは、どう言う……?」
今回はファイが質問する番だった。
「他に例えようのない、かけがえのない物、です」
フィックスは照れたように笑っている。
ファイも口元を緩めた。
「とても、光栄です、フィックス」
そう言うと、フィックスは1歩踏み出し、ファイを抱きしめた。
細い体が密着し、その腕が力強くファイに回されている。
「どうか、ご無事で……」
そう耳元で囁くフィックスに、ファイは躊躇いながらも同じ様に腕を回した。
「フィックス……これの意味は?」
肩に顔を埋め、鼻をくすぐる赤毛に目を閉じる。
体温と心音が、直に肌で感じられる。フィックスの鼓動は緩やかで心地よく、懐かしい音楽のようだ。
「こうして抱き合っていると、人はこんなにも安心するものなんですね。まるで腕に抱かれ、母親の心音を聞いて安心し眠る赤子のような……」
この心地よさは、安心からくる物なのか、と、納得する。そしてその安心に応えるように、ファイも腕に力を込めた。
「これが地球人の別れの挨拶、のようなものでしょうか?」
抱き合ったまま質問する。だがファイは、この抱擁の意味を知っていた。
今は亡き母ララも、父がそうしてくれたように、よくこうしてファイを抱きしめてくれた。母の場合、それは息子への愛情表現だったが、フィックスの抱擁はそうではない。
フィックスとは親子程歳が離れてるとは言えど、親子ではないし、ましてや恋人でも、リタルド人同士でもない。
そう考えている間に、同じく肩へと顔を埋めていたフィックスが、ファイから放れた。
「そうですね……ですがこれは、別れだけを意味する物ではありません」
背中に回した腕が、指が、放れるフィックスを惜しむようだ。
──まだ、触れていたい。
そう思っているのはファイだけではないようで、彼も腕を完全に放せないように、ファイの青い上着を僅かに握っている。
「では、他にどのような意味があるのですか?」
見つめ合っている間にも、アルテミス号の出発の時は迫っていた。
ジョシュから帰還を責付く通信が、今にも入ってきそうだ。
「他に、淋しい時や悲しい時、幸せな時等にも、こうやって抱き合います」
淋しげな瞳がファイを見上げている。
今度は、ファイがフィックスを抱き寄せた。
もう腕に躊躇いはない。
「まだ、ありますか?」
そう尋ねた理由は分からない。だが、まだ何かあるような気がした。何故なら、フィックスが何か言いた気だったから。
「あります……」
そう答えるフィックスの声が震えている。
「それは?」
「言葉に出来ない感情を表す時にも……」
果たして、そのような感情があるだろうか?ファイには、フィックスの言う言葉が理解出来なかった。
「すみませんフィックス。私にはそのような感情が分かりません」
分からない、と言うのは半分嘘だった。何故なら、ファイには地球人である父の血も流れている。そんな父が、何も言わずファイを抱きしめた時もあった。その時父も、言葉に出来ない感情を抱いていたのだろうか。
だがリタルド人として教育を受けたファイに、そのような感情を分かっている、とは表現出来ない。無理矢理にでも、押し殺してしまう。
「そう……ですか」
淋しそうにそう呟いたフィックスは、ファイの腕から逃れるように体を捻った。きっとその目に、迎えに来た仲間が映ったであろう。
『ファイ、そろそろ』
結末を急がせるように、ジョシュからの通信が入った。
「あと1分だけ待って下さい」
そう返事をし、ファイはフィックスの背中を見つめた。
この背中も、この地球人とも、もう出会う事はないだろう。
そう考えると、何故か胸がざわめいた。
──このまま別れて、悔いはないか?
ふと、父ロバートの声が聞こえた気がした。
いい訳がない。この女性への興味は、まだ胸の中に秘められている。
「フィックス」
振り返ったフィックスを、最後に強く抱きしめた。
「嘘をつきました。さっき貴方の言わんとした、言葉に出来ない感情を表す時……それは私にも理解出来ています」
フィックスの腕が背中に戻ってくる感触を確認してから、ファイは赤毛にそっと唇を寄せた。
「何も言わなくても、何もしなくても、分かる事はあります……ファイ、貴方のその感情は、ちゃんと私の胸に届きました」
フィックスの笑顔に、永遠の別れを告げる時が来てしまった。
「さっきのが地球人の別れの挨拶なら、私の故郷リタルドでの挨拶を貴方に」
互いに距離を置いて立ち、ファイはそう言った。
「是非、教えて下さい」
フィックスの青い瞳は潤んでいたが、そこから悲しみは伝わってはこない。
ファイは左手で、何かをそっと目の前へ撒く仕種をした。それを見ながら、フィックスも同じポーズを取る。
「フィックス……貴方に幸福が降らん事を……」
強く願った。
「ファイ、貴方にも幸福が降らん事を……!」
そう言ったフィックスは明るかった。
別れは悲しみを伴うが、そればかりではない。出会いが喜びに変わると言う事もあるのだ。例えそこに、別れが切り離せなく着いて回ろうとも。
「転送を」
フィックスの仲間達が駆け寄って来るのが見える。
ファイはフィックスに向け、口角を僅かに引き攣らせた。
了
「ではフィックス。ここでお別れです」
そっと、肩に触れていた手を放す。
温もりが爪の先から去っていくのが淋しい。
「ファイ、ありがとう」
フィックスが言った。それは何に対しての礼か分からず、ファイは彼を見つめた。青い瞳は相変わらず美しく、赤毛が太陽に照らされて更に栄えている。
「私は何もしていません。だから、礼など」
「いえ」
途中で言葉を遮り、フィックスは首を傾げる仕種を見せた。
「貴方がいてくれて、どんなに心強かったか。だからお礼を言わせて貰ったんです」
安堵の笑み。これが、フィックスが見せる本当の笑顔なのだろう。
「それは良かったです。有り難くその言葉を頂戴しましょう」
そう言って背を向け、転送を、と言いかけた時、フィックスが呼び止めてきた。
「まだ何か……?」
振り返り、フィックスを見遣る。青い瞳は真っ直ぐ自分に向けられていた。
「最後に1つ、聞きたいんですが」
「何でしょう?」
「日蝕と月蝕の話しをしましたね。理由は?何故、その話題を選んだんです?」
全く予期せぬ質問に、ファイは口角を僅かに引き攣らせた。
「初めて貴方を見た時、美しい赤毛と、真っ直ぐで深い、海のような青い瞳がとても印象的で……そうですね、後付けになりますが、このサバルと言う土地にある太陽と海に、貴方は似ている」
フィックスは黙って聞いている。
玄関先に、2人の男の姿が見えた。確か、フィックスが仲間と連絡を取りたい、と言った時に画面の向こうにいた、ベイトとエンカートだ。フィックスを出迎えに来たのだろうが、こちらへ近付くのを躊躇うように足踏みしている。
「フィックス、貴方は本当に太陽のような人だ」
眩しく、そしてその存在感は大きい。無くてはならない存在。
「また私を太陽だと比喩するんですか?だとしたら、私は貴方を月だと比喩します」
そう言ったフィックスは、可笑しそうに笑っている。
「貴方が太陽で私が月ならば、私達の出会いはそう、皆既日蝕だと思いませんか?」
我ながら陳腐な比喩だと思ったが、ファイは先を続けた。時間はもう、僅か程もない。
「月が太陽を隠してしまったんです。人質として。仕方がなかったとは言え、非礼をお詫びします」
ファイは頭を下げようとした。が、それをフィックスが手で制し、優しい手でファイの頬を撫でた。
「非礼だなんて、とんでもありません。さっき私がお礼を言ったばかりじゃありませんか」
「それとこれとは」
「同じです、ファイ。それに、私達の出会いは、私には皆既日蝕だとは思えません」
ついさっきまで俯き、ひかえめな印象さえあったフィックスが、そうきっぱりと言い放った。ファイは少し驚いたが──表情を変える事なく──自分の中で組み立てたフィックス・ケリー、と言う地球人の性質を修正する。
「では、何でしょう」
皆既日蝕ではないのだとしたら、一体何だと言うのだろう。フィックスは、自分達の出会いをどう捉えているのか。
「日蝕でも月蝕でも、どちらでもありません。この出会いは必然なんです。もし私が例えていいのなら、これは金環日蝕だと答えるでしょう」
太陽と月が重なった直後、神々しいまでのダイヤモンドリングが現れる。
それが、2人の出会いだとフィックスは言う。
「それは、どう言う……?」
今回はファイが質問する番だった。
「他に例えようのない、かけがえのない物、です」
フィックスは照れたように笑っている。
ファイも口元を緩めた。
「とても、光栄です、フィックス」
そう言うと、フィックスは1歩踏み出し、ファイを抱きしめた。
細い体が密着し、その腕が力強くファイに回されている。
「どうか、ご無事で……」
そう耳元で囁くフィックスに、ファイは躊躇いながらも同じ様に腕を回した。
「フィックス……これの意味は?」
肩に顔を埋め、鼻をくすぐる赤毛に目を閉じる。
体温と心音が、直に肌で感じられる。フィックスの鼓動は緩やかで心地よく、懐かしい音楽のようだ。
「こうして抱き合っていると、人はこんなにも安心するものなんですね。まるで腕に抱かれ、母親の心音を聞いて安心し眠る赤子のような……」
この心地よさは、安心からくる物なのか、と、納得する。そしてその安心に応えるように、ファイも腕に力を込めた。
「これが地球人の別れの挨拶、のようなものでしょうか?」
抱き合ったまま質問する。だがファイは、この抱擁の意味を知っていた。
今は亡き母ララも、父がそうしてくれたように、よくこうしてファイを抱きしめてくれた。母の場合、それは息子への愛情表現だったが、フィックスの抱擁はそうではない。
フィックスとは親子程歳が離れてるとは言えど、親子ではないし、ましてや恋人でも、リタルド人同士でもない。
そう考えている間に、同じく肩へと顔を埋めていたフィックスが、ファイから放れた。
「そうですね……ですがこれは、別れだけを意味する物ではありません」
背中に回した腕が、指が、放れるフィックスを惜しむようだ。
──まだ、触れていたい。
そう思っているのはファイだけではないようで、彼も腕を完全に放せないように、ファイの青い上着を僅かに握っている。
「では、他にどのような意味があるのですか?」
見つめ合っている間にも、アルテミス号の出発の時は迫っていた。
ジョシュから帰還を責付く通信が、今にも入ってきそうだ。
「他に、淋しい時や悲しい時、幸せな時等にも、こうやって抱き合います」
淋しげな瞳がファイを見上げている。
今度は、ファイがフィックスを抱き寄せた。
もう腕に躊躇いはない。
「まだ、ありますか?」
そう尋ねた理由は分からない。だが、まだ何かあるような気がした。何故なら、フィックスが何か言いた気だったから。
「あります……」
そう答えるフィックスの声が震えている。
「それは?」
「言葉に出来ない感情を表す時にも……」
果たして、そのような感情があるだろうか?ファイには、フィックスの言う言葉が理解出来なかった。
「すみませんフィックス。私にはそのような感情が分かりません」
分からない、と言うのは半分嘘だった。何故なら、ファイには地球人である父の血も流れている。そんな父が、何も言わずファイを抱きしめた時もあった。その時父も、言葉に出来ない感情を抱いていたのだろうか。
だがリタルド人として教育を受けたファイに、そのような感情を分かっている、とは表現出来ない。無理矢理にでも、押し殺してしまう。
「そう……ですか」
淋しそうにそう呟いたフィックスは、ファイの腕から逃れるように体を捻った。きっとその目に、迎えに来た仲間が映ったであろう。
『ファイ、そろそろ』
結末を急がせるように、ジョシュからの通信が入った。
「あと1分だけ待って下さい」
そう返事をし、ファイはフィックスの背中を見つめた。
この背中も、この地球人とも、もう出会う事はないだろう。
そう考えると、何故か胸がざわめいた。
──このまま別れて、悔いはないか?
ふと、父ロバートの声が聞こえた気がした。
いい訳がない。この女性への興味は、まだ胸の中に秘められている。
「フィックス」
振り返ったフィックスを、最後に強く抱きしめた。
「嘘をつきました。さっき貴方の言わんとした、言葉に出来ない感情を表す時……それは私にも理解出来ています」
フィックスの腕が背中に戻ってくる感触を確認してから、ファイは赤毛にそっと唇を寄せた。
「何も言わなくても、何もしなくても、分かる事はあります……ファイ、貴方のその感情は、ちゃんと私の胸に届きました」
フィックスの笑顔に、永遠の別れを告げる時が来てしまった。
「さっきのが地球人の別れの挨拶なら、私の故郷リタルドでの挨拶を貴方に」
互いに距離を置いて立ち、ファイはそう言った。
「是非、教えて下さい」
フィックスの青い瞳は潤んでいたが、そこから悲しみは伝わってはこない。
ファイは左手で、何かをそっと目の前へ撒く仕種をした。それを見ながら、フィックスも同じポーズを取る。
「フィックス……貴方に幸福が降らん事を……」
強く願った。
「ファイ、貴方にも幸福が降らん事を……!」
そう言ったフィックスは明るかった。
別れは悲しみを伴うが、そればかりではない。出会いが喜びに変わると言う事もあるのだ。例えそこに、別れが切り離せなく着いて回ろうとも。
「転送を」
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ファイはフィックスに向け、口角を僅かに引き攣らせた。
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