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翌朝、ジグザ警部補から連絡が入り、フィックスは8日振りに警察署へやって来た。
「フィックス!久しぶりだな。どうだ?そっちは」
ブラス・エンカートが笑顔で迎える。それに笑顔を見せると、フィックスはうまくいっている、と答えた。
「ケリー、こっちへ」
執務室からジグザ警部補が呼ぶので、フィックスはブラスと別れた。
「失礼します」
そう言って入室すると、警部補は厳しい顔をしていた。
「そこに座れ、ケリー」
彼のデスク前にあるソファを示され、腰掛けると、ジグザはため息を漏らした。
「何かあったんですか?警部補」
「ストレイン博士から連絡があってな。君を解雇するから、新しい人間を寄越してくれと言われた。君、向こうでどんなヘマをしたんだ?」
突然の言葉に、フィックスは目を丸くした。ヘマをした覚えはない。
「いいえ!ヘマなんてしてません。何かの間違いでしょう?」
心拍数が上がっている。胸が苦しい。
──解雇だって?どうして……!
「いいや、間違いじゃない。まったく……!君を信用してこの件を頼んだのに、これでは私の面子が丸潰れじゃないか!」
厳しく叱咤する警部補は、フィックスを睨んできた。
「そんな……!私は何もしてません!」
そう言いながら、フィックスにはノッドとの秘密の外出が脳裏を過ぎっていた。まさか、それが彼等に見つかってしまったと言うのだろうか?
「向こうも特に理由を話してくれなくてな。とにかく、ケリー刑事ではなく他の人間にしてくれと言われた」
そうジグザが言うと、執務室の扉がノックされた。
「入ってくれ」
扉が開くと、ハンクが入ってきた。
「だからケリー。君は今日から行かなくていい」
それはまるで、死刑を宣告されたような衝撃を伴ってフィックスに届いた。
「どうしました?警部補」
ハンクが隣に座る。
「君を呼んだのは、ケリー刑事に任せておいた件を継いでもらいたくてな」
「ケリーの……?」
視線を感じ、フィックスはハンクを見遣った。
「あぁ……分かりました。私が引き受けましょう」
そう、ハンクはフィックスを見つめたまま言った。
彼にはもう会えないのだろうか?それは嫌だ。
フィックスは唇を噛み締め、そして拳を握りしめた。
「フィックス!久しぶりだな。どうだ?そっちは」
ブラス・エンカートが笑顔で迎える。それに笑顔を見せると、フィックスはうまくいっている、と答えた。
「ケリー、こっちへ」
執務室からジグザ警部補が呼ぶので、フィックスはブラスと別れた。
「失礼します」
そう言って入室すると、警部補は厳しい顔をしていた。
「そこに座れ、ケリー」
彼のデスク前にあるソファを示され、腰掛けると、ジグザはため息を漏らした。
「何かあったんですか?警部補」
「ストレイン博士から連絡があってな。君を解雇するから、新しい人間を寄越してくれと言われた。君、向こうでどんなヘマをしたんだ?」
突然の言葉に、フィックスは目を丸くした。ヘマをした覚えはない。
「いいえ!ヘマなんてしてません。何かの間違いでしょう?」
心拍数が上がっている。胸が苦しい。
──解雇だって?どうして……!
「いいや、間違いじゃない。まったく……!君を信用してこの件を頼んだのに、これでは私の面子が丸潰れじゃないか!」
厳しく叱咤する警部補は、フィックスを睨んできた。
「そんな……!私は何もしてません!」
そう言いながら、フィックスにはノッドとの秘密の外出が脳裏を過ぎっていた。まさか、それが彼等に見つかってしまったと言うのだろうか?
「向こうも特に理由を話してくれなくてな。とにかく、ケリー刑事ではなく他の人間にしてくれと言われた」
そうジグザが言うと、執務室の扉がノックされた。
「入ってくれ」
扉が開くと、ハンクが入ってきた。
「だからケリー。君は今日から行かなくていい」
それはまるで、死刑を宣告されたような衝撃を伴ってフィックスに届いた。
「どうしました?警部補」
ハンクが隣に座る。
「君を呼んだのは、ケリー刑事に任せておいた件を継いでもらいたくてな」
「ケリーの……?」
視線を感じ、フィックスはハンクを見遣った。
「あぁ……分かりました。私が引き受けましょう」
そう、ハンクはフィックスを見つめたまま言った。
彼にはもう会えないのだろうか?それは嫌だ。
フィックスは唇を噛み締め、そして拳を握りしめた。
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