Love Trap

たける

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4.

事情を聞いたノッドは、過去からやって来た自身をきつく睨みつけた。

「馬鹿な事をしたもんだな」

そう言ってやると、自身は腹立たしげに歯を食いしばった。

「ウルセー……!だったら、どうすりゃよかったってんだよ?」

まるで子供だ。ノッドは、自身の未熟さに何とも言えない複雑な心境になった。


──あぁ、これでまた未来は枝分かれしてしまった。しかもそれはとても悲しく残酷だ。


「俺はお前でお前は俺だ。自分を責めても何にもならないし、もうお前の世界を巻き戻す事も出来ない」

ノッドは立ち上がり、窓から宇宙を見つめた。特殊硝子に自身の睨む姿が映っている。

「あぁ……クソッ……!」
「俺が歩いた過去は、そんなんじゃなかった」

穏やかで幸福の10年。
愛し愛され、確かに2人の間には愛情が溢れていた。

「お前が悪い……」

呪いの言葉を紡ぐよう、自身は低く呟いた。

「俺が……?」
「いや……ファイだ。あいつも悪い。お前達が全部悪いんだぞ……!」

そう怒鳴った自身は、素早く手を翳す。するとノッドは、そのまま窓に押し付けられた。

「ぐぅ……!」
「お前が俺に、ファイと出会う道を選ばさなければ……ファイが俺に未来を話さなければ、こんな事にはならなかった!」

更に力が込められ、ノッドは息が詰まった。
自分がした事については理解している。だが、ファイが話した未来の事に関しては、ノッドは知らない。
それについてノッドが尋ねると、自身は自嘲気味に笑った。

「俺が自由になるには、10年もあのままだ。そんなの、聞かされたらどうだ?しかも、力は使えなくされてたんじゃないってお前、言ったよな?だったらどうだ?目の前にある掴めそうな自由を掴むだろ?俺はそうしたんだ。フィックスと自由になりたかった……!」

涙ぐむ自身の手が緩み、ノッドは逆に今度は自身を壁に押し付けた。

「そう言う事か……」

自身の頭の中に、ファイが言った言葉が浮かんでいる。
もし自分が逆の立場なら、同じように自由を掴む為に行動しただろう。
だがノッドは誰にも何も知らされなかった為、行動も起こさないまま直進して来た。そして今がある。


──哀れだ。


自身の事をそのように思った。

「哀れむなよ……!お前達のせいなのに、何で俺がその道を進まなきゃならないんだよ?」

涙が零れた。
ノッドは翳した手を下ろし、自身を解放した。

「過去を変えても今はもう変えられない。だが、未来はこれから変えられる」

どうすればいい、と考えても、サイボーグになったフィックスを人間に戻す事は出来ない。ならば、フィックスを取り戻し、暗闇に変わった未来に光を差し込ませるしかない。

「何処にいるか分からないんだ……」

ノッドの心を読んだのか、自身がそう漏らした。

「もしストレイン達が俺と同じタイプのサイボーグにしたってんなら、力は使える筈だ。テレパシーを送り続けろ」

そうノッドが言うと、扉が叩かれた。

「ファイです。ノッド、誰と話をしているんです?」

声がした途端、自身が怒りに満ちた顔でノッドに手を翳した。




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