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夜のパムラは冷える。秋だと言うのに、まるで冬のような冷え込みだった。
フィックスは漸く解放され自室に戻ると、何度も何度も全身を洗った。
いくら外見は綺麗になっても、もう中は汚い。
研究者達に回され、レイプされた体はもう、自分の体ではない。彼等の物だ。
シャワーを頭からかぶりながらタイル床にうずくまり、フィックスは自身をかき抱いた。
ストレインがわざと置いて行ったノートパソコンにメールを送った。あれから2時間は経っただろう。もうそれを読み、2人してこちらへ来る算段をしているだろう。それとも、もう近くまで来ているのだろうか?
だったら、これは罠だと教えてやりたい。ストレイン達の汚い計画だと言ってやりたかった。
だがもう彼等に連絡を取る手段はない。パソコンも没収され、テレポートの出来ないフィックスには、ノッドとハンクに危険を知らせる事は出来なかった。
押し寄せる絶望。
何度も、この手が2人を殺してしまう幻覚を見た。
大切な2人を殺してしまうなんて出来ない。だが、ストレインはそうさせる。必ず。
「ノッド……」
シャワーの音でかき消えてしまうぐらいの声で囁いた。
自分が思い描いた再開は、こんな悲劇的なものではなかった。嬉しさに涙を零す筈だった。
だがこのままでは、涙は悲しみでしかない。
──助けてくれ……助けないでくれ……
矛盾する感情に板挟みにされ、フィックスは潰れてしまいたかった。
『フィックス……』
不意に頭の中へ声がした。
懐かしい声。愛しい声。
『ノッド…!君なの?』
『良かった。やっと通じた』
嬉しそうなノッドの声に、フィックスは絶望を思い描いた。それが彼にも伝わったのか、ノッドはもう1度名前を呼んだ。
『どうしたんだよ?もうすぐ助けてやるからさ』
『来ないでくれ……!』
『どうして?……やっぱり、あのメールは罠なのか?』
ノッドは気付いていた。フィックスは濡れた頭を抱えた。
『あぁ。罠だ……!来たら、君達は死んでしまう!』
また、自分の手で2人を殺してしまう幻覚が見える。
『何だよそれ。フィックス、お前が俺達を殺すってのか?』
不安がる声。
嘘だ、と叫ぶ感情。
伝わる愛しさ。
『ストレインの命令は絶対なんだ。だから……俺が君達を殺す事になる。そう言う罠なんだよ。だから俺の事はもう諦めてくれ。頼む……』
殺してしまうなら、助からなくていい。研究者達が死ぬまで、彼等の奴隷であっても構わない。
『いや、無理だな。それは無理だよフィックス』
そう、ノッドは力強く言った。
『無理じゃない。もう、忘れて欲しいんだ……!』
そう叫ぶと、ノッドから切ない感情が流れてきた。
『それも無理だ。第一、俺達が諦めても、ストレインにはもう1つ企んでる事がある。それを止めなきゃ』
『企み……?』
『フィックス。お前は俺の代わりなんだ』
兵器にされる、と言ったノッドは、辛そうな声をしていた。
『そんな……』
ストレイン達の命令は絶対。拒否出来ない。
まるで兵器みたいだ、と、ノッドの力を初めて知った時に抱いた感想。
『俺がお前を助けるよ。最悪のシナリオなんかにはさせない。だからフィックス、もう少しだけ我慢してくれ。必ず行くから』
それ以降、ノッドからのテレパシーは無かった。
フィックスはシャワーを止めて浴室から出ると、自分が泣いている事に漸く気付いた。
涙の理由は2つの感情からきている。だが分からない。最悪のシナリオとは何だ?互いを殺させあうと言うストレインのシナリオか?
だとしたら、早く終わらせて欲しい。
こんなシナリオはいらない。
フィックスは漸く解放され自室に戻ると、何度も何度も全身を洗った。
いくら外見は綺麗になっても、もう中は汚い。
研究者達に回され、レイプされた体はもう、自分の体ではない。彼等の物だ。
シャワーを頭からかぶりながらタイル床にうずくまり、フィックスは自身をかき抱いた。
ストレインがわざと置いて行ったノートパソコンにメールを送った。あれから2時間は経っただろう。もうそれを読み、2人してこちらへ来る算段をしているだろう。それとも、もう近くまで来ているのだろうか?
だったら、これは罠だと教えてやりたい。ストレイン達の汚い計画だと言ってやりたかった。
だがもう彼等に連絡を取る手段はない。パソコンも没収され、テレポートの出来ないフィックスには、ノッドとハンクに危険を知らせる事は出来なかった。
押し寄せる絶望。
何度も、この手が2人を殺してしまう幻覚を見た。
大切な2人を殺してしまうなんて出来ない。だが、ストレインはそうさせる。必ず。
「ノッド……」
シャワーの音でかき消えてしまうぐらいの声で囁いた。
自分が思い描いた再開は、こんな悲劇的なものではなかった。嬉しさに涙を零す筈だった。
だがこのままでは、涙は悲しみでしかない。
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矛盾する感情に板挟みにされ、フィックスは潰れてしまいたかった。
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『良かった。やっと通じた』
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『どうしたんだよ?もうすぐ助けてやるからさ』
『来ないでくれ……!』
『どうして?……やっぱり、あのメールは罠なのか?』
ノッドは気付いていた。フィックスは濡れた頭を抱えた。
『あぁ。罠だ……!来たら、君達は死んでしまう!』
また、自分の手で2人を殺してしまう幻覚が見える。
『何だよそれ。フィックス、お前が俺達を殺すってのか?』
不安がる声。
嘘だ、と叫ぶ感情。
伝わる愛しさ。
『ストレインの命令は絶対なんだ。だから……俺が君達を殺す事になる。そう言う罠なんだよ。だから俺の事はもう諦めてくれ。頼む……』
殺してしまうなら、助からなくていい。研究者達が死ぬまで、彼等の奴隷であっても構わない。
『いや、無理だな。それは無理だよフィックス』
そう、ノッドは力強く言った。
『無理じゃない。もう、忘れて欲しいんだ……!』
そう叫ぶと、ノッドから切ない感情が流れてきた。
『それも無理だ。第一、俺達が諦めても、ストレインにはもう1つ企んでる事がある。それを止めなきゃ』
『企み……?』
『フィックス。お前は俺の代わりなんだ』
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『そんな……』
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まるで兵器みたいだ、と、ノッドの力を初めて知った時に抱いた感想。
『俺がお前を助けるよ。最悪のシナリオなんかにはさせない。だからフィックス、もう少しだけ我慢してくれ。必ず行くから』
それ以降、ノッドからのテレパシーは無かった。
フィックスはシャワーを止めて浴室から出ると、自分が泣いている事に漸く気付いた。
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