気が付いたら厩戸王がいた世界に転生してしまったんですけど…どうなるのでしょう

Seabolt

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第3話  鉄とレンガと秘密兵器

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タチバナのトヨヒト皇子には、収穫高を見てご満悦だったのは言うまでもない。それよりも村を視察に来たウマヤド皇子の方が興味深々で村を回った。

「斎藤、この臭いこれはなんだ?」

「肥溜めです」

「肥溜め?」

「はい。堆肥を作る為の場所です」

「堆肥とは?」

「肥料と言えば、わかりやすいてますか」

「肥料?」

「我々が食事をとるように植物にも食事に当たるものになります」

「食物も食事が必要なのか?田んぼに植えたら生育するではないか」

「何もない状態では、栄養が不十分です」

「栄養とは」

「ですから、今回の生産量をみましたか?」

「おお、そうだった。この村は、他の村の倍以上の生産量だったな。それはこの肥料ご関係しているのか」

「肥料だけではありませんが」

「そうか、とにかく、父上の領地で来年から取り入れるから頼んだぞ」

「かしこまりました」

すると皇子様は、この村の新しい施設に目がいった。多分、簡易温水器だろう。しかも、簡易お風呂も設置したから興味津々である。

「佐藤!!あれはなんじゃ」

「あれは、簡易温水器おお風呂です」

「風呂?そんなものがここにあるのか」

「あくまで簡易的なものですから、大したものではないです」

そして、お風呂を準備して入ってもらうことになった。

一応、今回の収穫で油を作ることに成功、秘密兵器として、石鹸を作ってみました。それまでは、ムクロジで代用したのだが、今回はウマヤド皇子様が来られたので、出すことにした。

これは石鹸というものです。そこにある麻布で少し揉んでから体を擦って下さい。

あまりにもさっぱりできたので、石鹸を献上しろと、言われたのだが、

「すみません。現在、石鹸はそこにある一個しかありません」

「では、普段はどうしているのだ」

「そこにあるムクロジを使っています」

「わかったから、すぐにこの風呂を我が宮に作るのだ」

「承知しました。ところでお願いがございます」

「なんだ?」

「龍田と河内の間、青谷に鉄を扱う一族がいると聞いているのですが」

「ああ、確かあそこには金山一族がいるな。それがどうしたの?」

「彼らを紹介して欲しいのですが」

「わかった。しかし、何故だ?」

「吉野より更に南に鉄山があるという噂を聞きまして」

「うーむ。鉄は大事だな、わかった。秘密裏に行うように」

「承知しました」

こうして、鉄山開発を始めたのだった。


ドロ川、吉野から更に南にある鉄山だ。
私としては、佐渡金山、石見銀山、生野銀山、別子銅山の開発もしたいところなのだが、何せ、この時代だ。遠い。

ドロ川でも遠いと思っているのだから、しかし、皇子様の許可が出たからよかった。

鉄の確保と一緒にコウゾ、ミツマタを取ってきて紙作りをしよう。それとレンガ作りも合わせてしよう。

一方、作物は、小麦を栽培している。粟やヒエも栽培しているが、小麦を優先した。村民は、不思議そうにしていたが、取り敢えず、指示に従ってもらった。

あと、ニワトリもいたので、こいつも育てることにした。そして、月一回ほど、オスと卵を産まなくなったメスを捌いて、焼き鳥祭りをしている。

特に今回は秋の収穫祭もあって、イノシシも取ってきて、盛大にすることなった。

酒は濁酒だが、アルコール度数は低い。しかし、普段飲んでいないから、酔うのも早いようだ。

来年は清酒を飲めるようにしないとということで、戦略的物質である鉄の確保に目処がたったので、来年は少し楽になるだろう。

きっと

鉄の一族は架空ですが、大阪府柏原市青谷に金山彦神社と金山比賣神社があります。たしか、どちらかの境内には古墳が存在し、かつ、ここの境内からは、鉄鏃が見つかっています。あくまで参考情報てす。
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