ほえ?

Seabolt

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第10話

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「ほえ?」

俺は渚の方を見て、思わず吹きそうになった。そう、彼女の名前は大島渚、そうあの有名な監督と同姓同名だ。妹にはやめとけと言ったのだが、どうしても、この名前にしたいと頑なに聞き入れず、彼女の名前は、大島渚となってしまっていた。

「か・・監督って・・・おかしい・・ひ・・・」

と大笑いしている俺の顔をグイッと押しやって

「たろちゃんは黙って!!」

ばつが悪い様子だったが、そんな彼女は何とか持ち直して、

「どうして、美沙さんがここに?」

その言葉に、美沙は反応した。

「ですから、たろちゃんの婚約者としてここにいます。それより監督はどうしてここに?」

すると俺の今にも殺しそうな視線を向けたかともうとため息をついて

「たろちゃんは私のおじなの」

その言葉を聞いた美沙は軽く微笑んだ。それは、渚と俺は結婚できないと分かったからだろう。少し余裕すら見えて来ていた。

「ということは、これから私の姪になるのですね」

その言葉にムッと来たのか、渚は

「どうして、こんなおばさんがいいの?」

すると、売り言葉に買い言葉で美沙も

「監督と1歳しか違わないんですけど・・・」

そこへ俺が言った言葉を聞いた二人

「俺45なんだけど・・・俺からみるとかわらないんだけど・・・」

「「うるさい!!」」

俺は、二人からパンチを食らってしまった。しかし、不思議なもので、渚と美沙はいつの間にか仲良くなっていた。実は、二人、同じ中学のクラスメートだったのだ。そして、渚が

「ところで、たろちゃん、どうして美沙さんと結婚することになったの?」

「ま・・・なんとなく・・」

「どういう意味?」

そこへ、美沙が嬉しそうに

「へへへ・・ママとパパとの挨拶も終わって、了解はもらってるの」

そんな美沙を見た後、俺の方を見た渚は

「まさか、美沙に手を出したの?このロリコン野郎!!青少年保護条例違反で逮捕されるわよ」

「ば・・・バカなことを言うな」

「さっき、逮捕されそうになったんだけどね」

美沙・・・それって、援護射撃になっていないんだけど、腕を組んで俺を完全に見下し始めた渚

「ふーん、やっぱ・・たろちゃんはロリコンだったのか」

「ロリコン!!ロリコンっていうな」

「この現状を見て、よく開き直れるわね!!」

俺の方を一瞥した渚は、美沙と再び会話をしていたのだった。

「美沙さん・・・ところで、たろちゃんの職業知ってるの?」

「いえ・・」

「実は、中学校の先生で・・・4月からうちらの学校へ来るんだよ」

その言葉を聞いて、目を輝かせた美沙

「本当?」

「ほら、あの涼子ちゃんが嘆いてたじゃない。今度来る先生・・・いまいちパッとしないのよねって・・」

その言葉を聞いて俺の心はかなり複雑骨折をしていた。涼子ちゃんと呼ばれるのは、多分、面接の時に案内をしてくれた。篠田涼子先生のことだろう。かなりきれいな方で体型もナイスバディな方だった記憶が、しかも、俺と会って、
「素敵な方が来られて光栄ですわ」
なんて言っていたものだから、俺の好感度はかなり高かったのだが、裏ではあんなことを言っていたのかということで、話は、二人にもどすと

「で?いつ結婚するの?」

「とりあえず、4月3日が誕生日だからその日を考えてるんだ」

「だったら、急がないと、私かえって、じぃじとばぁばに行っておくから美沙さんのこと」

「本当?」

「任せておいて」

そう言って、渚は家から出て行ってしまった。こうして二人きりになってしまうと意識してしまう。すると、美沙は、俺の前に座って

「たろちゃん。お話があります」

真剣なまなざしでそこまで言われると、おれも彼女にあわせる様に座ってしまった。するとか彼女は三つ指をついて、頭を下げた。その姿は、あの時の美里さんの再来だった。

「不束者ですが末永くよろしくお願いします」

「あ・・こちらこそ・・・」

そう言い切ると、顔を上げた美沙はうるんだ目で俺を見つめていた。俺は吸い込まれる様に彼女に近づい行くと、彼女はそっと目を閉じた。そして、彼女を抱きしめる寸前まで行ったところで玄関から物音が聞こえた。

ガチャ!!

ビク!!いきなり開いた扉の音に俺たちは驚いていた。というより、助かったというのが正解だったかもしれない。あのままだと、完全に俺は、美沙を抱きしめて・・・う・・え・・あ・・・なって・・・お互い顔を赤くして、ちらちらと視線を合わせようとするが、何とも言えない空気に合わせることが出来ないでいるとそこへ渚が入って来て

「たろちゃん!!美沙さん!!!じぃじとばぁばが今すぐ来いって!!」

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