14 / 69
第14話
しおりを挟むとりあえず、屋上へ上ると眼下にはグランドが広がっていた。これから、ここで俺の教師生活が始まるのだ。一抹の不安があるけど・・渚と言い、美沙と言い一体何をやっているんだあいつらは、学校で無駄な覇権争いなんて、虚しいものを・・・ま・・美沙はもう大丈夫だろう。俺の妻として完璧なまでに何でもこなしてくれるようになった。掃除洗濯料理といった家事については、申し分ないくらいだ。下手な女でもあそこまでやるのは難しいだろう。それは、彼女のこれまでの人生にその答えがあった。それは、置いておいて、既に、夫婦生活も完全にこなしていると言える。そんな妻のことを悪く言われて思わずプチッと来てしまった。初夜の時、初めてなんだから・・・と最後に目に涙をためキスをしてきたことを思い出すとあの言葉の重さがようやく身に染みてわかってきた。だからこそ、俺が美沙を守ると思っていると後ろから声がしてきた。
「春日先生!!」
思わぬ声にビクッとしてしまったのだが、振り返ると篠田先生がそこに立っていた。そして、目があった瞬間に、視線を下に向け、髪をいじり始めた。
「あ・・あの・・その・・・」
「篠田先生、どうされたのですか?」
ビクッと反応するものだから俺の方が驚かされたのだが、やけにもじもじとしている。そして、ようやく、意を決したかのように
「先ほどはすみませんでした」
そう言って、頭を下げてきたのだった。
「あ・・・そんなことしなくても、頭を上げてください」
「本当にすみません。私の勉強不足でした」
頭を上げようとしないので、思わず肩を掴んで、上げさせた。
「わかりましたから、さっきは私も言い過ぎました。ですから、頭を上げてください」
するとゆっくりと上がった時に視線が俺と会った瞬間、その視線を逸らせ困惑の表情をみせるのだが、一体どうしたというのだろうか。
「先生、職員室へ戻りましょう」
「あ・・はい・・」
ようやく我に返ったみたいで、俺の後ろをついて来ていた。そして、後ろで
「あれだけ、はっきりと注意されたのは初めてだったんです。生徒のことをそこまで思いやれるなんてすごいなって、そんな春日先生を尊敬します」
「あ・・・ありがとうございます。けど、そこまで尊敬されるほどのことではないですよ」
「いえ・・本当に、私・・わたし・・あ・・」
俺が足を止めて振り返った時、彼女と視線が合ったのだが、その瞬間、硬直しているようだった。直ぐに我に返ったのか再び視線を外して
「いえ・・本当に尊敬してます」
彼女の不可解な行動には疑問符が出ていたのだが、こうして、俺たちは職員室へ戻ると、新学期からの予定の打合せが始まった。そんな中、俺の横にいたのは、体育教師の近藤達夫だった。彼はこの学校は2年目と日が浅く、独身らしいのだが、体育教師という割には、なんか弱そうに見えるのは、何故だろうかとおもえる彼が、俺にぼそりとつぶやいた。
「すごいですね。篠田先生を一喝するなんて」
「ほえ?」
「俺なんて、逆に一喝されたくらいだから、怖くて・・それに、女性教諭だから、他の先生方も扱いに困ってたみたいで・・・ほぼ、彼女は、野放しみたいになっていたんですよ。特に、最近、パワハラ、セクハラとうるさいでしょう・・・」
「確かにそうだけど、言うことは言わないとね」
すると彼は納得したかのように腕を組んでうんうんと頷いている。いわゆる草食系男子という奴なのだろう。体育教師のくせにと思っている。
「どうしました?」
「あ・・いや・・べつに・・」
と思っていると視線を感じたその先には篠田先生がいて、目が合うとさっとそらせてしまった。なんだろう?そう思っていると今度は、
「春日先生ですよね。おひさしぶりですぅー」
黒ぶち眼鏡をかけた、白衣を着ている女性教諭が現れた。童顔な顔のわりにナイスバディをしている彼女の名前は、
「あ・・お久しぶりです・・・えっ・・と」
「あ~ひっどーーい!!。まさか忘れたなんて言わせませんよ」
本当になんだっけ、この先生は、確か理科の先生で、えっと・・・あ
「本田先生、お久しぶりです」
するとさっきまでの激おこプンプン〇状態だった顔が一瞬で笑顔に変わった。そして、すっと握手をしてきた。
「お久しぶりです。本当に」
近藤先生は、俺たちの会話にようやく入ってくることが出来たようだった。
「お知り合いなのですか?」
「ええ・・前の学校で」
そう言って、俺の腕をつかんできて、ご自慢の胸をぐりぐりと押して当ててきた。そんな光景を見て、驚いた表情を見せる近藤先生が驚いている一方、職員室のどこからか、ガタッという音がしたような気がするけど、目の前の近藤先生は顔を真っ赤にしている。
「ええ!!どういう関係なんですか?お二人は?」
「俺の教え子の一人です」
というと未だに腕を離そうとしない彼女
「違います!!」
再び激おこぷんぷん〇状態へ、そして、俺の手から離れようとしない。
「いい加減にはなせよ」
俺がそういうと急にウルルと泣き顔になって
「昔はあんなにかわいがってくれたのに」
「そうだな、確かにかわいかったな。小さくて・・・それが今じゃこんなになって」
おれは、空を眺める様に想い出にしたっていると
「春日先生はやっぱりロリコンだったんですね」
「失礼な!!」
俺の反論に更にムッとしたのだろう。前の学校の飲み会のことを言い出してきた。
「だって、前の飲み会の時、私を解放してくれたのに、自宅まで連れて行ってくれたのに、玄関入ったところで置いて帰るのはどうかと思いますが」
するとそこへ篠田先生がプツリと切れたかのように
「本田先生!!いい加減にしなさい!!」
「えっ?」
驚いている瞬間に、篠田先生が俺から本田先生を引き離してくれた。これは何ともありがたいことだった。そして、
「本田先生!!あなた、春日先生が正しいことしているのに、なんですか。その言い方は、本来ならありがとうと言うべきところでしょうが」
すると本田先生も負けていない。
「普通ならベットまで連れて行ってくれてもいいんじゃないですか?」
「それだと、間違いがあったら困るから、春日先生はあなたを玄関に置いて行かれたのでしょうが。それのどれが間違っているの」
「間違っているわよ。それを待っていた私はどうなるのよ」
本田先生の大暴露に職員室は静まり返ってしまった。そんな中、すーと深呼吸をした篠田先生は
「本田先生、それは、残念でしたわね。春日先生は既婚者ですわよ。そんなことできるとお思いで?」
その言葉を聞いた本田先生は、もちろん、驚いた。そして、
「うそーー!!こんな小太りの見た目パッとしない頭の薄いおじさんが結婚するなんてーー!!絶対私しか貰い手がなかったと思ってたのにーー」
そう叫んで、彼女はしばらく硬直したのはいいのだが、俺のことなんて言いようだと思っているうちに、職員室の騒動は終わりを迎えた。そして、俺は、教頭から日頃の生活態度を慎むようにと注意を受けてしまった。
あと数日で、新学期が始まる。渚と言い美沙といい何もしないでくれよと言うことが俺が願うことだった。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
👨一人用声劇台本「寝落ち通話」
樹(いつき)@作品使用時は作者名明記必須
恋愛
彼女のツイートを心配になった彼氏は彼女に電話をする。
続編「遊園地デート」もあり。
ジャンル:恋愛
所要時間:5分以内
男性一人用の声劇台本になります。
⚠動画・音声投稿サイトにご使用になる場合⚠
・使用許可は不要ですが、自作発言や転載はもちろん禁止です。著作権は放棄しておりません。必ず作者名の樹(いつき)を記載して下さい。(何度注意しても作者名の記載が無い場合には台本使用を禁止します)
・語尾変更や方言などの多少のアレンジはokですが、大幅なアレンジや台本の世界観をぶち壊すようなアレンジやエフェクトなどはご遠慮願います。
その他の詳細は【作品を使用する際の注意点】をご覧下さい。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる