ほえ?

Seabolt

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第14話

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 とりあえず、屋上へ上ると眼下にはグランドが広がっていた。これから、ここで俺の教師生活が始まるのだ。一抹の不安があるけど・・渚と言い、美沙と言い一体何をやっているんだあいつらは、学校で無駄な覇権争いなんて、虚しいものを・・・ま・・美沙はもう大丈夫だろう。俺の妻として完璧なまでに何でもこなしてくれるようになった。掃除洗濯料理といった家事については、申し分ないくらいだ。下手な女でもあそこまでやるのは難しいだろう。それは、彼女のこれまでの人生にその答えがあった。それは、置いておいて、既に、夫婦生活も完全にこなしていると言える。そんな妻のことを悪く言われて思わずプチッと来てしまった。初夜の時、初めてなんだから・・・と最後に目に涙をためキスをしてきたことを思い出すとあの言葉の重さがようやく身に染みてわかってきた。だからこそ、俺が美沙を守ると思っていると後ろから声がしてきた。

「春日先生!!」

思わぬ声にビクッとしてしまったのだが、振り返ると篠田先生がそこに立っていた。そして、目があった瞬間に、視線を下に向け、髪をいじり始めた。

「あ・・あの・・その・・・」

「篠田先生、どうされたのですか?」

ビクッと反応するものだから俺の方が驚かされたのだが、やけにもじもじとしている。そして、ようやく、意を決したかのように

「先ほどはすみませんでした」

そう言って、頭を下げてきたのだった。

「あ・・・そんなことしなくても、頭を上げてください」

「本当にすみません。私の勉強不足でした」

頭を上げようとしないので、思わず肩を掴んで、上げさせた。

「わかりましたから、さっきは私も言い過ぎました。ですから、頭を上げてください」

するとゆっくりと上がった時に視線が俺と会った瞬間、その視線を逸らせ困惑の表情をみせるのだが、一体どうしたというのだろうか。

「先生、職員室へ戻りましょう」

「あ・・はい・・」

ようやく我に返ったみたいで、俺の後ろをついて来ていた。そして、後ろで

「あれだけ、はっきりと注意されたのは初めてだったんです。生徒のことをそこまで思いやれるなんてすごいなって、そんな春日先生を尊敬します」

「あ・・・ありがとうございます。けど、そこまで尊敬されるほどのことではないですよ」

「いえ・・本当に、私・・わたし・・あ・・」

俺が足を止めて振り返った時、彼女と視線が合ったのだが、その瞬間、硬直しているようだった。直ぐに我に返ったのか再び視線を外して

「いえ・・本当に尊敬してます」

彼女の不可解な行動には疑問符が出ていたのだが、こうして、俺たちは職員室へ戻ると、新学期からの予定の打合せが始まった。そんな中、俺の横にいたのは、体育教師の近藤達夫だった。彼はこの学校は2年目と日が浅く、独身らしいのだが、体育教師という割には、なんか弱そうに見えるのは、何故だろうかとおもえる彼が、俺にぼそりとつぶやいた。

「すごいですね。篠田先生を一喝するなんて」

「ほえ?」

「俺なんて、逆に一喝されたくらいだから、怖くて・・それに、女性教諭だから、他の先生方も扱いに困ってたみたいで・・・ほぼ、彼女は、野放しみたいになっていたんですよ。特に、最近、パワハラ、セクハラとうるさいでしょう・・・」

「確かにそうだけど、言うことは言わないとね」

すると彼は納得したかのように腕を組んでうんうんと頷いている。いわゆる草食系男子という奴なのだろう。体育教師のくせにと思っている。

「どうしました?」

「あ・・いや・・べつに・・」

と思っていると視線を感じたその先には篠田先生がいて、目が合うとさっとそらせてしまった。なんだろう?そう思っていると今度は、

「春日先生ですよね。おひさしぶりですぅー」

黒ぶち眼鏡をかけた、白衣を着ている女性教諭が現れた。童顔な顔のわりにナイスバディをしている彼女の名前は、

「あ・・お久しぶりです・・・えっ・・と」

「あ~ひっどーーい!!。まさか忘れたなんて言わせませんよ」

本当になんだっけ、この先生は、確か理科の先生で、えっと・・・あ

「本田先生、お久しぶりです」

するとさっきまでの激おこプンプン〇状態だった顔が一瞬で笑顔に変わった。そして、すっと握手をしてきた。

「お久しぶりです。本当に」

近藤先生は、俺たちの会話にようやく入ってくることが出来たようだった。

「お知り合いなのですか?」

「ええ・・前の学校で」

そう言って、俺の腕をつかんできて、ご自慢の胸をぐりぐりと押して当ててきた。そんな光景を見て、驚いた表情を見せる近藤先生が驚いている一方、職員室のどこからか、ガタッという音がしたような気がするけど、目の前の近藤先生は顔を真っ赤にしている。

「ええ!!どういう関係なんですか?お二人は?」

「俺の教え子の一人です」

というと未だに腕を離そうとしない彼女

「違います!!」

再び激おこぷんぷん〇状態へ、そして、俺の手から離れようとしない。

「いい加減にはなせよ」

俺がそういうと急にウルルと泣き顔になって

「昔はあんなにかわいがってくれたのに」

「そうだな、確かにかわいかったな。小さくて・・・それが今じゃこんなになって」

おれは、空を眺める様に想い出にしたっていると

「春日先生はやっぱりロリコンだったんですね」

「失礼な!!」

俺の反論に更にムッとしたのだろう。前の学校の飲み会のことを言い出してきた。

「だって、前の飲み会の時、私を解放してくれたのに、自宅まで連れて行ってくれたのに、玄関入ったところで置いて帰るのはどうかと思いますが」

するとそこへ篠田先生がプツリと切れたかのように

「本田先生!!いい加減にしなさい!!」

「えっ?」

驚いている瞬間に、篠田先生が俺から本田先生を引き離してくれた。これは何ともありがたいことだった。そして、

「本田先生!!あなた、春日先生が正しいことしているのに、なんですか。その言い方は、本来ならありがとうと言うべきところでしょうが」

すると本田先生も負けていない。

「普通ならベットまで連れて行ってくれてもいいんじゃないですか?」

「それだと、間違いがあったら困るから、春日先生はあなたを玄関に置いて行かれたのでしょうが。それのどれが間違っているの」

「間違っているわよ。それを待っていた私はどうなるのよ」

本田先生の大暴露に職員室は静まり返ってしまった。そんな中、すーと深呼吸をした篠田先生は

「本田先生、それは、残念でしたわね。春日先生は既婚者ですわよ。そんなことできるとお思いで?」

その言葉を聞いた本田先生は、もちろん、驚いた。そして、

「うそーー!!こんな小太りの見た目パッとしない頭の薄いおじさんが結婚するなんてーー!!絶対私しか貰い手がなかったと思ってたのにーー」

そう叫んで、彼女はしばらく硬直したのはいいのだが、俺のことなんて言いようだと思っているうちに、職員室の騒動は終わりを迎えた。そして、俺は、教頭から日頃の生活態度を慎むようにと注意を受けてしまった。

あと数日で、新学期が始まる。渚と言い美沙といい何もしないでくれよと言うことが俺が願うことだった。
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