ほえ?

Seabolt

文字の大きさ
18 / 69

第17話

しおりを挟む
あれから何事もなく平穏な日々が流れていた。そんなある日だった。

「たろちゃん~これ見て~」

美沙が笑顔で持ってきたのは、最近行われた実力テストの結果だった。確かにすごい点数が上がっていた。
「平均70点超えたよ~!!」

そう言って、俺の目の前でそっと目をつぶった。そうだ、約束のキスだ。実は実力テストで70点超えたらキスしようと言っていたのだった。元々、勉強をしていなかった彼女は俺と結婚することになったある日、渚に相当馬鹿にされたらしい。こうして、俺が毎日勉強を見てたんだけど、中々、はかどるはずもなく、さっきの約束をしたのだった。しかも、日曜日にデートの約束までしたのだった。という訳でお約束のキスを軽くすると

チュッ!!

すっとかすめた唇にムッとした表情を浮かべる美沙がかわいい・・・なんて思っていると本当に怒っているようだ。

「これだけなの?ひっどーーーい!!」

そんな美沙を軽く抱きしめるとその叫び声も一瞬で消えて、ぎゅっと抱き返してくれる。そこへ、耳を甘くかじると

「あ・・・」

甘い声がもれてきたので、その耳へ

「続きはあとで・・・」

「うん・・」

こうして、寝不足の朝を迎えたのだった。そして、学校へ着くと事件が起きていたのだった。それは、美沙のカンニング疑惑だった。あまりにも点数が伸びたせいで、そんな話が出てきたのだ。それを言い出したのは、金田一三省という数学の先生だった。名前からして国語っぽいのだが、数学という人は見かけによらないとはこのことだろう、どう見てもオタクみたいの風貌と言っても、俺もそんなに変わらないのだが、ただ、彼は学校ではかなり影が薄い。しかも、授業中もだ。俺が授業を持っていない時に見回りに行った時のことだった。金田一先生の教室がやけに騒がしいと思ったら、誰もいない。
 そう思った俺がうるさいぞ!!自習中は静かにするものだろ!!と教室に入って言った瞬間、教室は静まり返ったのだが、目の前に金田一先生を発見して、硬直してしまった。

「あの・・・春日先生・・・何か・・・」

「あ・・・いらしたのですね・・・」

俺はあたりを見るとみんな呆然と俺を見ている。思わずケッと声を出して手で頭を掻いた。

「失礼しました!!」

そう言って、教室から逃げ出したのも記憶に新しい。とは言え、その金田一先生が美沙の点数がいいのがおかしいと言い出したのだった。普段は目立たない存在のくせに・・・と横でぼやいていたのは、篠田先生だった。

「春日さん。国語も成績上がってましたけど、それがどうしましたか」

「おかしいでしょう。こんなに成績が急に上がるのは」

すると別の教師は

「中学生なんですからこんなことは十分あり得ますよ」

そうだろう。おれが美沙にここまでおぼえておかないとちゃんとHしないぞと脅すと完璧なまでに覚えているんだから、約半月で中2までの勉強は一通りマスターしているはずなのだ。俺が見ているから間違いない。とはこの場でいう訳にもいかない。

「そうですよ。2週間もあれば、十分追いつきますよ」

「しかしですな・・・この間まで、九九すら覚えていなかったのに、ここまでできるものですか?」

やけに金田一先生は食い下がる。どうしてだろう?と考えている。俺の横で、本田先生が

「春日さんのお母さんってきれいなんですよ」

「ええ・・・それが?」

俺は彼女の全てを知っているから、素直に答えるお本田先生はじっと俺の顔を見た。そのよこで、金田一先生の演説はまだ続いていたんだが、それはさておき、
「ひょっとして、たろちゃんも通ってたの?」
ドキリとする一言だった。彼女が風俗店の店員だということを知っているのか?とドキドキしながら、俺は、頭の中を整理していた。彼女とは親戚になる。義理の母だけどそうだこれを利用しよう

「親戚だから・・・お会いしたことがあるけど」

「あ・・・そうでしたね。実は、彼女夜のお仕事をされているんです。そこへ彼女目当てで言っていたのが金田一先生って訳なんですけど・・」

「そこ!!何話しているの!!」

俺たちを見つけた金田一先生が俺たちをとがめた。

「別に?」

こうして、話は途切れてしまったのだが、つまり、金田一先生のお目当てのお義母さんがお店を辞めて、会うことも出来ない。ところが、その娘は、点数が上がっていると来たものだから、面白くないっていうところが本音なのだろう。

「ところで、この試験を監督した先生はどなたですか?」

「俺です」

その声を上げたのは近藤先生だった。

「近藤先生。カンニングらしきものを見ましたか?」

「いえ・・・みんなごく普通に試験を受けてましたよ」

すると俺はパンと手を叩いた。

「近藤先生がこう言っているのだから、間違いないでしょう」

そんな俺の言葉にしつこい金田一先生は、納得いってないようで

「巧妙にやっているかもしれませんしね」

「近藤先生が見落としたとでも、言えるのですか?しかも、実力試験でしょ。範囲が広いのにどうやってカンニングするんですか」

そこまで言うと、今度は金田一先生が反論してきた。

「あなたの親戚なんでしょう。春日先生が試験問題を漏洩させたのでは?」

「馬鹿なことを!!仮にも私は教師ですよ!!」

金田一先生の一言は他の先生方へもかなり反響していた。篠田先生と本田先生は完全にブチ切れになっていた。

「金田一先生!!完全な言いがかりですわよ!!」

「そうだ!!」

2年生の副担任の俺は、試験がいつどこで作られたかすら聞いていないのだ。だからと思ていると。

「春日先生には親戚の方がいるということで、試験情報は一切漏らしておりません。そのことをお忘れですか?」

「けど・・・」

未だに食い下がろうとする金田一先生だったが、周りの状況を見て、不利とようやくわかったようで、自分の言葉を飲み込んだ。けど・・・なんだ・・・あの不敵な笑みは?そう思っていると職員会議も終わり、俺は家に帰ることになった。すると、俺の後ろに美沙の姿が見えた。
するとLIMEに大丈夫?という文字が。
大丈夫だよ
と返した途端、後ろから悲鳴が聞こえた。

「お前の母親はどこにいる!!」

そう叫んで、美沙の腕をつかんでいるのは、金田一先生だ。

「いったいどこへ行った?俺は、あれだけ通ったんだぞ!!毎晩、あの店に行って飲んでやったんだぞ、
同伴までして、それがいきなりやめるってどういうことだ!!」

その言葉を聞いて、あきれた。どこの世でも、それは当たり前のことだ。しかし、美沙に手を出すことは許さねぇ。そう思った俺は、振り返って美沙の元へ走り出した。そこへ

「金田一先生!!生徒にそんなことをすると懲戒免職になりますよ」

その声の主は、渚だった。そんな渚を見て、ブチ切れる金田一先生

「何をだ…何の証拠があるのだ」

すると美沙は、スマホの画面を金田一先生へ向けた。そう、殺気美沙の手を引っ張ていた一部始終がうつっているやつだ。


「貴様!!」

「おっと・・すでに、クラウドに保存したから、スマホ壊しても、データはいきてるから」

「ぐ!!」

激しく息をして歯ぎしりまで聞こえてくるそんな中、俺は、金田一先生と美沙・渚の間にはいった。

「生徒への暴力はよくありませんね・金田一先生」

フー!!フー!!猫が怒りを表した時に見せる用の息遣いの金田一先生は、しばらく、沈黙してしまったかに見えた瞬間、渚のスマホに向かって手を伸ばした。

「ぐぁーー!!」

渚がそれをさっと避けるまではいいだけど、避けた方向は俺の方でしかも、背中に隠れたのだった。それを見た金田一先生

「貴様じゃまだ!!!」

無抵抗な俺の顔面を直撃したそのパンチは、重量約80キロの俺の体重という絶対的重力に耐えることなく、バキっと折れるのであった。

「ぐぁああああ!!」

右手首がだらんとなってその手を左手で支え、激痛に叫び声をあげていた。しかも、俺への喧嘩を吹っかけていた様子をこの学校の悪どもも見ていた。

「やべーーパンチした奴の手が折れたぞ」

「まさか、すげぇ武術やっているかもしれねぇ・・・」

根も葉もないうわさが流れてしまう結果となったのだが、この後が大変だった。美沙はともかく渚まで家に来て

「こわかった~」

と甘えてくる始末。しかも、そのことに美沙が反撃しようものなら

「美沙も怖かったもんね・・・わかるわかる・・」

って、渚・・・いつまで家にいる気だ?しかも。今夜は止めてとまで言い出す。妹にいうといいよの一言、おい。手を出すなよくらい気にかけてやれよ‥と言いたいのもやまやまだが、今度はお風呂まだ一緒に入るだと言い出すものだから、我が家は大混乱をきたしていた。
 そんな中、学校では、今回の美沙の件、お詫びもかけて、家庭訪問をしないといけないことになったということを俺たちは知るはずもなかった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

👨一人用声劇台本「寝落ち通話」

樹(いつき)@作品使用時は作者名明記必須
恋愛
彼女のツイートを心配になった彼氏は彼女に電話をする。 続編「遊園地デート」もあり。 ジャンル:恋愛 所要時間:5分以内 男性一人用の声劇台本になります。 ⚠動画・音声投稿サイトにご使用になる場合⚠ ・使用許可は不要ですが、自作発言や転載はもちろん禁止です。著作権は放棄しておりません。必ず作者名の樹(いつき)を記載して下さい。(何度注意しても作者名の記載が無い場合には台本使用を禁止します) ・語尾変更や方言などの多少のアレンジはokですが、大幅なアレンジや台本の世界観をぶち壊すようなアレンジやエフェクトなどはご遠慮願います。 その他の詳細は【作品を使用する際の注意点】をご覧下さい。

処理中です...