目を覚ますと雑魚キャラになっていたけど、何故か最強なんです・・・

Seabolt

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第1章 立身篇

第35話 村人 精霊に振り回される

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「一体、いつになったら。前へ進めるのだ!!」

勇者リンが俺に向かって叫んだ一言だった。それもそのはず、ここ3日間ベースキャンプから進むことが出来ていないからなんだけど、あの厄介な魔物をどうするかが問題だ。あの厄介な魔物は精霊族の物に違いないらしい。これはお竜からの情報だ。日も森の人に阻まれ新たな道が開けないでいた。

これで三日目だ・・・

流石の勇者も切れたようだ。

「道がわからなくなるんですよ。明日、明日もう一日ください」

「村人!!昨日もそう申しておったではないか!!」

「ですから・・明日になったら、間違えた道がわかりそうなんです」

「わかった!!もう一日やる。けど、明日が最後だぞ!!」

「ありがとうござます」

俺は、ここで引き下がることにした。それは、勇者特権、この特権で勇者へ反抗してはいけない。これはこれでいいんだけど、さてと・・こっちはどうしたものか。

翌日

ぐふふふふ・・・

ミツカチャッター

森の人が現れた。ということは、目印を全部持っている。

「お願いだ。俺たちを通してくれ」

「ダメダ・・・ワルイ・・・ニンゲン・・・トオセナイ」

手強い・・・どうしたものか・・・けど、今日までに何とかしないといけない。

「フシギダ・・・オマエ・・・ドウシテ・・・モドレル・・・」

「それは、言えない」

「ワカッタ・・・コレ・・・カエス」

わかった?

わー!!

ドスン

目印を投げ返してきた。すると

パオーン!!

その叫び後と共にピンクの象が現れて、その像に乗った森の人

「ケイコク・・・ワルイ・・・ニンゲン・・・タオセ・・・」

「誰が悪いんだ?」

「オマエ・・・シッテイル・・」

「だから・・・」

ビューっとその象に乗って、森の人は去って行った。



戻った俺を睨んでいるのは、勇者リン・・・

「どうだった?」

「道に迷いました」

「貴様!!」

刀を手にした勇者リンは、俺に飛びかかってきた。

ゴン!!

バリヤーに激突した勇者リンは、直ぐに立ち上がった。まずい・・・

気絶シンコーション!!」

勇者リンは、その場で気絶したのだった。残りのメンバーの元に連れて行ったら

「また?気絶したの?」

「何か・・・叫んだ途端、気絶したよ」

「なんだろう?」

首をかしげる3人だった。




夢なのだろうか?

テントの中に何故か月の明かりが入って来て目を覚ます。俺以外はみんな寝ている。普通は、俺がみんなの番をするんだけど、勇者リンのパーティは結界をしたから大丈夫だとか・・・

けど、目を覚ました俺は、我が目を疑った。

そこには

あの森の人が立っていたのだった。そして、俺達キャンプの周りを何か大きな棒をもって祈ったかと思うと

ぴょーん

また、祈って

ぴょーん

と飛び回っている。目を覚ました俺がそばまで行っても

何やら

ウビエ

と唱えて

ぴょーんと飛んで、俺達のキャンプの周りをぐるぐると回っている。

ウビエ・・・

ぴょーん

ウビエ

ぴょーん

こうして、しばらく回ったかともうと最後に

物凄く力んで

ウビエ!!

すると

キャンプ全体が青白く輝いた。

そして

翌朝目を覚ました俺、辺りを見て驚いた・・・

ほとんど更地だったキャンプ地に草が生い茂っていたのだった。


「どうなっているんだ?」

気が付いた勇者リンが叫んだ。

しかし、リンは草が生えたことには驚いているのだが、その後、直ぐに

「この草刈っておけ!!」

そう命じただけだった。

結局、この日1日かけて辺りを整備した。

さらに翌日

「何だこりゃ?」

再び草が生い茂っていたのだった。

勇者リンは

「この草刈っておけ!!」

と言うだけだった。

しかし、誰も、先へ進むことを忘れているような感じだった。

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