リーンカーネーション 小学4年に戻ったおれ

Seabolt

文字の大きさ
56 / 191

それから

しおりを挟む
あの日からあることに気付いた。それは、岡田さんの視線だ。振り向くと目を逸らしている。けど、視線を感じるんだけど、その視線以外にたまに井上さんと視線があったりなんかもする。そんな注意力散漫な俺を先生は見逃すはずもなく

「佐藤!!ここから読め」

そう言われても、俺自身授業を何も聞いていないので、どこだかは、わからない。そんな時だった。隣の岡田さんが、開いているページのある部分を鉛筆で指してくれた。その場所がわかれば、後はゆっくりと読み上げるだけだ。小学生の教科書を読み間違うはずもなく事なきを得た。しかし、先生はそのことが不満だったらしい。その為か次の算数の時間に変なことが起きてしまった。
 その前に休み時間、また、天野さんがやって来て、今週の土曜日のことをしつこく言ってきた。するとやはり、彼女の行動がどうしても気になった。井上さんが、

「恵ちゃんって、佐藤君のこと好きなの」

すると素直にはいと答えてしまったもんだから、井上さんが俺の方を見て、

「小さいのにモテルのね」

と言った途端、太田さんと山田さんが現れた。

「そんなこと言って、佐藤君のこと好きにならないでね」

まさかそんなことを言われるとも思っていない井上さんは

「こんなチビを好きになるはずないじゃん」

すると天野さんと太田さんと山田さんが顔を見合わせてほっとしていた。

「実は、彼結構人気あるいるのよ。ライバルが増えると大変だから」

「どういう意味、ひょっとして太田さん佐藤君のこと好きなの」

「そうよ」

答えているのを見て驚いている井上さんの横でぴくぴくっと話を聞くたびに小さな反応をしていたのは岡田さんだった。その時だった、山田さんまでが

「実は私も佐藤君のことがす好きなの」

正々堂々というものだから、それを聞いた井上さんは、あきれていた。

「恵ちゃんに、太田さんに、山田さんまで?あなたモテモテだね」

と俺を指さしたんだけど、

「けど、なんで、こんなにモテるようになったの?」

「井上さんは、ソフトボールやってないでしょ」

「うん・・・」

「彼、ソフトボールで3度もホームランを打っているのよ。凄いと思わない。しかも、私達と約束した上でよ」

「そうなんだ・・・」

ソフトに興味がないせいもあって、反応が薄い、どちらかというと好きになるって?どんな感じかということの方が知りたいようだった。すると、

「私たちは、みんな佐藤君のことが好きなんで、いまは、佐藤君の大事な友達の一人となっているの、誰が正式な恋人になれるか、今みんなで競いあっているの」

「ちょっとまって、みんなって、ここにいる3人だけじゃないの?」

「さっきの天野さんも含めて、あと5人はいるわよ」

すると俺の方を見る目がきつくなってきた。

「この女たらし」

「ははは・・・」

多分、井上さんにはかなり悪い印象を与えたに違いない。けど、隣にいる岡田さんがやけに暗くなっている。かといって、授業中、声をかけることも出来なかった。やはり注意力散漫な俺に目を付けていた先生は、不意をついたつもりで俺を当ててきた。算数の問題で、5÷8という問題だ。

「さっきからキョロキョロして、この問題を解け!」

「はーい」

黒板に8分の5と書いて先に戻ろうとしたら、先生が

「ちょっと待て」

「間違っていないでしょ」

「誰が分数でかけと言った」

「先生は問題を解けとしか言ってないよ」
 
「やかましい!今は少数の授業をしているんだ」

「はいはい」

「はいは一回でいい」

「はーい」

0.625と黒板に書くと筆算も書けとか、もうなんなんだよと答えを書くと”うぬぬぬ”と唸っている。

「これでいいでしょ」


こうしてようやく解放された俺はまた岡田と視線があったがすぐに目をそらせた。するとその横の井上と目が合って、座るところで

「そんなに視線を送っても何もありませんから」

なにを勘違いしているんだろう?

こうして、悶々とした日が数日を過ぎて行って、週末の金曜日、先生の一言が俺たちの心をわしづかみにした。

「放課後、小学校の軟式チームの募集があるから、興味がある奴は、放課後、ここに残るように」

いわるゆ防犯野球だ。この年から女の子も参加できるようになったので、すぐに山田さんがやってきた。


しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

入れ替わり夫婦

廣瀬純七
ファンタジー
モニターで送られてきた性別交換クリームで入れ替わった新婚夫婦の話

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする

夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】 主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。 そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。 「え?私たち、付き合ってますよね?」 なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。 「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。

処理中です...