リーンカーネーション 小学4年に戻ったおれ

Seabolt

文字の大きさ
100 / 191

さてと…

しおりを挟む

「いいわね!!名付けてホームラン作戦よ!!」

コーチは、自分自身で完全に納得しているようだ。呆れてバットを取りに行く俺の方を胸をブルルンと揺らせて振り向いて、ビシ!!と指さしたのだ

「佐藤君!!わかったわね!!」

「はいはい」

「ハイは一回でいい!!」

「はーい」

「なによ・・・あいつ・・・」

ヘルメットをかぶってバッターボックスに向かうしかなかった。そんな俺の後ろ姿を見てみんなの方を振り向いたコーチはそのまま話続けていた。

「最高の作戦よね!!」

「・・・」

誰もノーとは答えることはできない。苦い顔をしていたのだった。

ったく・・どうやって、打てばいいんだ?とは思っているもののと仕方なく打席に立った。

ズバーン!!

「ストライク!!」

去年よりも球速がましていて伸びのあるストーレトだ。しかし、そのことが災いしてか、去年のような癖玉ではなかった。これは、案外打てるかも、俺は、バットを構えた。

2球目

来た!!

そう思って、バットを出した瞬間、ヒョイっとボールがまがった。

ブーン!!

空振りをしてしまった。

「ストライク!!」

「何やっているんだ?」

そんな言葉がベンチから飛んできている。

カ・・カーブ?多分、カーブだろう・・小山の奴も進化している。追い込まれてしまった。とりあえずストレート待ちでバットを構えた。

続く3球目。ストレート・・・これはボールだと見逃した。

「ボール」

カウントはツーストライク、ワンボール、キリリと吊り上がった細い眉毛に気の強そうなギラギラとした目が俺に向けられている。遊んでこないだろう。多分、さっきのは吊り玉だ。ということは、多分、次は確実にストライクだ。そして、決め球のストレートのはずだ。そう考えてバットを構えた。

4球目


ぐ・・ボールが思ったより遅いぞ・・カーブだなんて・・・裏をかかれた。俺はとっさに左ひざに力を入れて踏ん張って右の脇を閉めた。こうするとバットを振るのを遅らせることが出来る。目の前でヒョイと曲がるボールを見てここだ!!とバットを押し付けた。そして、腰をくるりと回してボールを切るようフルスイングした。

キン!!

一二塁間をスライスしながら速いライナーが抜けた。そして、そのボールはライト線へ落ち、転々と転がっていった。

「フェアー!!」

ライト線を転がる早い打球は校舎がない奥へと転がっていったのだった。こうして、俺はランニングホームランを打つことが出来たのだった。

「コーチ!!佐藤はホームラン作戦成功したであります!!」

ベンチに戻ってコーチに敬礼をするとコーチも敬礼を返した。

「了解!!」

するとみんなが

ドゥドゥドゥ!

ドゥドゥドゥ!

ドゥドゥドゥ!

トゥーース!!

イエー!!!

ベンチに歓喜の声がこだました。するとマウンドには、小山と岩ちゃんが話をしている。小山は悔しかったのか俺を睨んでいる。二人は次のバッターに集中しろとでも言っているのだろうか?

「矢部っちー!!続けー!!」

「おう!!」

勢いはここまでだった。続く矢部っち!!外やん、絹やんは三振に打ち取られてしまったのだった。

続く2回表、結構厳しいかった。ワンアウト1、2塁、あの三人だけではなくベアーズは全体として力をつけている。この八番も結構粘ってくる。

キン!!

「ファール!!」

そして、

キン!!

「ライトー!!」

こうしてツーアウト

結局、2回で9番バッターまで回ったのだった。しかも、矢部っちはこの回が終わった時点で既に40球以上を投げていたのだった。何とか0点へ抑えてベンチに戻るとコーチが俺に言った。

「次の回から佐藤君が行くのよ!!」

「了解であります!!」

「なんなのよ!!その話し方は・・・」

「え?変でありますか?」

「変よ!!いつも通りに生意気な話し方をしなさい」

「わかったであります!!」

敬礼をして話し返すとプッっとコーチが笑い出し、それにつられてみんなも笑い出した。

「よーし!!みんな!!作戦を言うわ!!円陣を組んで」

円陣を組むとコーチは話し始めた。

「さっきの回の投球だけを見ると、あの小山君はストレート、カーブ、そして、ライジングボールを持っているわ。そこで、みんなはストレートに的を絞って、バットを振るのよ。特に1球目よ。彼は、初球はストレートで勝負してくるわよ。そして、2球目はカーブを投げてくるわ。ただし、3球目のストレートは吊り玉だから気を付けてね。そして、最後にライジングボールを投げているわ。さっきの回、2番バッター以降は全てこの配球できていたからまちがいないわ!!みんな!!わかった?」

「「「はい!!」」」

「初球をガンガン打っていきましょう!!!」

「「「はい!!」」」

「で?バッターは?」

「拙者でござる」

そう言ってバットを持ったのは五番の新垣唯ことガッキーだった・・・あいついつからあんな話し方になったんだ?と思っていると

「さぁーーこい!!拙者が成敗してくれる!!」

その言葉と共にバットがカチリと構えたのだった。暴れん坊〇軍?かな?と思って見守ることにした。

1球目

ブーン!!

「ストライク!!」

あいつ・・・コーチが言っていたこと全く聞いていない。

2球目 カーブ

ブーン!!

ストライク!!

ダメだ・・あいつは何も考えていない。それにしてもベアーズは正々堂々と勝負をしてくる。あのコーチはちゃんと調べているはずなんだけど、ホームランを打っているから、たぶん・・・それとも、気が強い小山君のせいだろうか?そう言えば、俺とも勝負をしてきたなと思っていると

3球目、外角高めの吊り玉

キン!!

でた!!

大根切り!!

ガッキーの打球はレフトの頭上を超えて行ったのだった。

「ホームランだ!!!」

ベンチが沸いた。悪球地がここに来て功を奏したようだ。
そして、ガッキーがベンチに戻るとぼそりと

「また・・つまらぬものをきってしまった」

コーチが叫んだ。

「よくやった!!」

コーチの作戦と全く違ったことをしたんだけどコーチは成功したと喜んでいる。冷静に見るとおかしな光景だ。そして、なんだかなぁ~・・・と思っているとベンチのみんなは浮かれていた。

ドゥドゥドゥ!

ドゥドゥドゥ!

ドゥドゥドゥ!

トゥーース!!

イエー!!!

しかし、勢いはここまでだった。6番以降は、見事におさえられてしまったのだった。





しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

入れ替わり夫婦

廣瀬純七
ファンタジー
モニターで送られてきた性別交換クリームで入れ替わった新婚夫婦の話

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする

夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】 主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。 そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。 「え?私たち、付き合ってますよね?」 なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。 「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。

処理中です...