モブキャラな私が孫子の兵法を手にしたら♪

Seabolt

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プロローグ

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私の名前は

『モンスタ―R』

名前からもわかると思うんだけど完全なモブキャラなんだ。内心、モンスタ―Rという名前が嫌で仕方がないんだけど。せめてAくらいにはして欲しかったとういうとこが本音だった。しかし、これが現実だった。


 しかも設定は無茶苦茶なんだよ!!

 本当に…

恰好はウサギそっくり、そう耳が長くてピョンピョン跳ねているやつ、ま…かわいいから許すんだけど、最近アニメとかでも活躍しているし。そんでもって、問題は攻撃、ファイアーアタックといって口から炎を出すというものらしいが実際に他人を攻撃したことないからよくわかんないんだけどマップ攻撃らしい、と言っている本人が解わかっていない。
 ただ、火を起こす時に重宝はしている。その為か、恥ずかしいことに前歯二本の裏側は常に真っ黒になっている。

あう…

そして、最も恥ずかしいのが人から話しかけられると

「ぴょんぴょん」

と言うようになっていることなんだよね。モブキャラとは言え、ひどすぎるよね。本当に


 考えるだけで頭が痛くなるモブキャラに生まれた私なんだけど、なぜか、私にも母親がいた。名前は、モンスタ―R(母)、親子でワンダークエストという多人数参加型シュミレーションRPGというゲームの中でイーストランドと呼ばれる町の東側にある草原でヒールポーションを作って、仲良く暮らしていた。
 そんなある日のことだった。悪夢のような出来事が起こった。それは、タニグという名前の勇者が現れた時だった。とっさに母親は私を逃がしてくれたんだけど、タニグは、俺の母を殺害、そして、私たちのわずかな蓄えであった10ゴールドを奪っていった。
 こんな私なんだけど、所詮はモブキャラ、なんとか、勇者に一矢を報いたいが、いつか勇者に殺されて、お母さんが残した5ゴールドを奪っていかれるに違いない。しかし、神は私に微笑んでくれた。


『孫子の兵法書』


今から2000年以上の昔、中国で書かれた兵法書


これが私の手に入ったのだ。


***

 ここは、ワンダークエストという名前の多人数参加型シュミレーションRPGの世界、主人公の勇者は、この世界を旅して、最終的には、魔王ダークネスサターンを倒し、連れ去られたお姫様、リアス姫を助けるのが目的のゲームなんだけど、それだとクリアしたら終わってしまう。だから、やたらとダークネスサタンまでたどり着けない。というか、それ以外の所でキャラクターイベントを作っている。さらに対戦イベントまでもあるのだ。
 特に話がややこしいのは、シュミレーションがあるということ。それは、昔からあるその手のゲームと同様に街作りや物作りといったシュミレーションまでもが存在し、戦闘シーンに至っても、マップ上で移動し相手と対峙するまでの移動をして戦闘するというものであった。
 というわけで、こんな世界に住むことになった私は火属性系モンスター、名前をモンスターRいう。レベルは子供ということもあって以下の通りだ。

LV1、ライフ25、HP25、MP100


 このゲームがややこしいことはまだある。こんな私ですら生きていく為に、勇者と同様に食料調達が必要となっていることだ。そのための方法は2つある一つは、その辺で獲物を取って調達する方法、そして、もう一つは、ゴールドを使って町で食料を調達する方法があるんだけど、私は普段は後者をやっている。

実は私、ヒールポーションを作る能力があるのだ。

と言っても、ヒール草を取って来て、それを火にかけて煮詰めてヒールポーションにすることだけなんだけど、そのヒールポーションを町の薬局に売ってゴールドを得ているのだ。こうして今日もヒール草調達の為、私は草原を彷徨のだった。
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