積もるのは嘘と気持ちと

どんころ

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考えないようにしていたって事実がなくなるわけじゃない。

みんなが普通に受け入れてくれて、蓮くんが優しく僕が辛い目にあった事考えなくていいように包んでくれていて。
だから僕も極力考えないように、何もなかったかのように過ごしていたけど、体は覚えている。

ヒートが始まった時は、欲しい、気持ちいい、イキたい、噛んでほしいだけ頭にあって蓮くんのフェロモンに満たされてた。


でも
いつからか蓮くんが遠くて分からなくて、得体の知れないほどの快楽が怖くなった。

気持ちよくて怖くて頭の中がぐちゃぐちゃで、誰といるのかもよく分からなくて怖い。
何からくる震えなのか、体がガクガクと震えて意識がどこかに行ってしまいそうで必死に何かを握りしめる。


カチカチと首輪が噛まれる感覚が伝わる。
拒否したいのに、体はうまく動かず、喋れもしない。

快楽から漏れる喘ぎで息も上手くできなくて苦しい。

急にナカで何かが弾ける感覚に鳥肌を覚える。


今日の相手は誰だったんだっけ…
僕って薬飲んだ…?

αの精を受けたからか少し冷静になった頭が動き出すけど、怖いのと強制的な快楽による痙攣で体が動かない。

怖くてぎゅっと閉じた目を開けることもできない。
固まったまま荒い呼吸を繰り返していると、そっと手が体に触れて優しい声がした。
「ごめん、澪…大丈夫?」
あぁ、蓮くんだと思ったけれど、体の力が抜けず、反応ができない。

「ごめんね、ごめん澪。俺本当に…ごめん。」

蓮くんのフェロモンに包まれて、ぎゅっと抱き寄せられる。
どれくらいの時間そうしていたか、徐々に落ち着きを取り戻して体の力が抜けていく。

「…澪?」
ゆっくり目を開けると、心配そうに顔を覗き込む蓮くんと目があった。

「良かった。澪、ごめん俺、我慢できなくて…怖かったよね?」
「…途中から、よく分からなくなって…ごめんね、混乱しちゃった。」
「澪は悪くない。ちゃんと話しておかなかったのに急にこんな風になって、本当にごめん。」
蓮くんがぎゅっと抱きしめてくれるのを、手肩を押すように体を離した。

「ごめんね、僕、、、汚い。」
蓮くんの相手に見合うような綺麗な体だったら良かったのに。
抱かれていたって他の人とのことを思い出してしまうような汚れた記憶が染み付いた体なんて、蓮くんに相応しくない。

「汚くなんてないよ。澪はいつも真っ直ぐで綺麗だよ。澪は悪くないし、汚くもない。おれが悪いの。」
蓮くんがそう言って一寸の迷いもなくなくぎゅっと抱きしめてくれて、安心したのか、意識が遠のいていった。

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