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第二章
図書館 1
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少女は、図書館に足を踏み入れた。
図書館はこの街の中でも歴史ある建物で、屋敷ほどではないけれど、とても大きい。専門的なことを勉強したい若者達もまずここに立ち寄り、本を読みながら勉強する。学校のような役割も果たしている。
3階まで吹き抜けになっている圧巻の大書庫に、小さな品の良い書斎のような部屋がいくつも繋がっている。
少女はあまり自分で本を読むのは得意ではなかったが、語り部の物語を聞きに図書館へはよく来ていた。
しんと静まりかえった部屋。膨大な本。
本の海の片隅で、一人、少女は膝を抱えた。
「う……っ」
膝に顔をうずめる。
混乱は形になり、感情を生み出す。
「……悪魔……か」
悪魔の姿を思い返し、周りを見渡した。
少女は物語以外の本棚へ行ったことがなかったけれど、あの悪魔のことが書いてある本も、どこかにあるかもしれない。
歴史の本もあれば、伝承の本もある。
少しずつ、ランタンを照らしながら歩いていく。
妖精の本……魔法の本……。
少女が“悪魔”だと思っただけで、実際には悪魔ではないかもしれない。いろいろな本を当たらなくては。
ランタンが届くところまでしか見ることができず、少し見渡しただけでは、そのような本は見当たらなかった。
もう少し、時間をかけて探さないといけないようだ。
今日のところはそんな元気もなくて、また、その場にあった本棚に小さく寄り掛かってうずくまり、その日はそのまま眠った。
鐘の音で目が覚めた。建物が大きいからか、壁が厚いからか、教会が近いわりには、鐘の音は小さく聞こえた。
その日も、青い花をひとしきり探すと、また図書館へ戻った。
図書館内のランプを一つずつつけていく。そっと火を入れ、カチャン、と蓋を閉める。
図書館内は流石にランプの数が多かった。所々にテーブルが置いてあり、テーブルの上にも天井にも、各種様々なランプが取り付けてあった。天井のランプは高すぎてつけることができなかったが、テーブルの上のランプや手に届く場所のランプをつけていった。
だんだんと図書館内は明るくなり、本棚の本を探すのも容易になる。
小さな部屋へも立ち入り、ランプをつけていった。小さな部屋は、勉強部屋や、子供のための部屋、ちょっとしたホールなど。貴重な本を保管しておく部屋もいくつもあった。
その中にひとつ、気になる部屋を見つけた。
あまりにも古い誰かの書斎。本がたくさん置いてある。
ドアのプレートには、”マクスウェル・カルレンス“と書いてあった。
「カルレンス……」
この人は……私のご先祖様……?
歴史の時間にカルレンスの名が出てくることもしばしばある。その中にいただろうか。
街の歴史の本棚をあたり、少女が読んだことのある教科書を探し出す。
教科書には、マクスウェルの肖像画のページを見つけた。
本には、この図書館を作った人なのだと書いてあった。この地に城をかまえた女性の息子で、この街作りに尽力した人……。
「2000年も……前の人……」
図書館はこの街の中でも歴史ある建物で、屋敷ほどではないけれど、とても大きい。専門的なことを勉強したい若者達もまずここに立ち寄り、本を読みながら勉強する。学校のような役割も果たしている。
3階まで吹き抜けになっている圧巻の大書庫に、小さな品の良い書斎のような部屋がいくつも繋がっている。
少女はあまり自分で本を読むのは得意ではなかったが、語り部の物語を聞きに図書館へはよく来ていた。
しんと静まりかえった部屋。膨大な本。
本の海の片隅で、一人、少女は膝を抱えた。
「う……っ」
膝に顔をうずめる。
混乱は形になり、感情を生み出す。
「……悪魔……か」
悪魔の姿を思い返し、周りを見渡した。
少女は物語以外の本棚へ行ったことがなかったけれど、あの悪魔のことが書いてある本も、どこかにあるかもしれない。
歴史の本もあれば、伝承の本もある。
少しずつ、ランタンを照らしながら歩いていく。
妖精の本……魔法の本……。
少女が“悪魔”だと思っただけで、実際には悪魔ではないかもしれない。いろいろな本を当たらなくては。
ランタンが届くところまでしか見ることができず、少し見渡しただけでは、そのような本は見当たらなかった。
もう少し、時間をかけて探さないといけないようだ。
今日のところはそんな元気もなくて、また、その場にあった本棚に小さく寄り掛かってうずくまり、その日はそのまま眠った。
鐘の音で目が覚めた。建物が大きいからか、壁が厚いからか、教会が近いわりには、鐘の音は小さく聞こえた。
その日も、青い花をひとしきり探すと、また図書館へ戻った。
図書館内のランプを一つずつつけていく。そっと火を入れ、カチャン、と蓋を閉める。
図書館内は流石にランプの数が多かった。所々にテーブルが置いてあり、テーブルの上にも天井にも、各種様々なランプが取り付けてあった。天井のランプは高すぎてつけることができなかったが、テーブルの上のランプや手に届く場所のランプをつけていった。
だんだんと図書館内は明るくなり、本棚の本を探すのも容易になる。
小さな部屋へも立ち入り、ランプをつけていった。小さな部屋は、勉強部屋や、子供のための部屋、ちょっとしたホールなど。貴重な本を保管しておく部屋もいくつもあった。
その中にひとつ、気になる部屋を見つけた。
あまりにも古い誰かの書斎。本がたくさん置いてある。
ドアのプレートには、”マクスウェル・カルレンス“と書いてあった。
「カルレンス……」
この人は……私のご先祖様……?
歴史の時間にカルレンスの名が出てくることもしばしばある。その中にいただろうか。
街の歴史の本棚をあたり、少女が読んだことのある教科書を探し出す。
教科書には、マクスウェルの肖像画のページを見つけた。
本には、この図書館を作った人なのだと書いてあった。この地に城をかまえた女性の息子で、この街作りに尽力した人……。
「2000年も……前の人……」
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