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85 奇襲(1)
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気球は次第に、大きな森を下に見るようになった。
所々木がまばらになっているところがあり、そこで気球を降りることになるらしい。
シエロ、エマ、リナリが乗る気球と、ヴァル、チュチュ、メンテが乗る気球は、少しずつ離れていく。
降りる場所はそれぞれ少し離れた場所になる。操縦士が言うには、そこから案内所へ案内され、そこで合流できるのだとか。
ヴァル達が乗った気球が、ゆったりと地面に着き、緩やかな衝撃を受ける。
その瞬間、ヴァルが押し黙った。
「…………」
それを見たメンテが、何事か察する。
ヴァルが手で3人を抑える素振りをしたので、メンテがチュチュと操縦士の腕を引いた。
そこでやっと2人が事態に気付く。
ヴァルが小声で操縦士に「行けますか?」と訊ねると、緊張した声で「ああ……」と返ってきた。
4人が気球から四方へ飛び出す。
弓を構えた盗賊のような人間が数名、草陰に潜んでいるようだった。
「ゲール」
操縦士が声を上げ、帽子に付いているバッジの前に魔法陣が浮かび、弾けるように消える。
盗賊が潜んでいるであろう木に向かって輪のように突風が吹き、気球の周りに潜んでいた盗賊が空へ舞い上がった。
それが戦闘開始の合図だった。
「上、7人」
チュチュが叫ぶ。
「こっちは1!」
「2!」
メンテとヴァルがそれぞれ叫ぶ。
「ジュエル」
チュチュが高らかに唱えると、チュチュのベルトの石の前に魔法陣が光り、弾けるように消える。
チュチュが、手に黒い双剣を握る。
ヴァルが、
「メンテは上!チュチュは後ろ!」
と指示を出すと、盗賊2人が潜む草むらの方へ奔った。
「縛バク」
メンテが叫び、地面に手を突く。
すると、メンテが腰にぶら下げている木製のチャームの前に魔法陣が浮かび上がり、弾けるように消えた。
メンテの周囲の地面から何本もの蔦が伸び上がり、落ちてきた盗賊7人を蔦でグルグルと巻き、捕まえていった。
盗賊達はきつく締め上げられ、身動きが取れなくなる。持ちきれず落としたいくつもの弓や矢が、ボトボトと地面に落ちた。
草むらの中、ヴァルが盗賊の首根っこを掴んでは、顔面に平手を叩き込み、唱える。
「転落」
左手に構えた短剣の前に魔法陣が光り、弾けるように消えた。
ヴァルが掴んでいた盗賊の顔に、黒いアイマスクのようなものが張り付く。
「う……あ……」
と盗賊が呻き声を上げる。
「2人!」
叫びながら、ヴァルが捕まえた2人の盗賊を見通しの良い場所へ蹴り出す。
見ると、チュチュが最後の1人にナイフを突きつけ制圧したところだった。
「転落」
ヴァルが唱え、ナイフの前に魔法陣が光り、弾けるように消える。
その最後の1人にもアイマスクのようなものを張り付かせた。
10人の盗賊を制圧した。あっという間の出来事だった。
「操縦士!」
身振りでもう一つの気球の降り場を確認すると、「後、頼んだ!」と言い放ち、ヴァルはそちらへと駆けて行った。
◇◇◇◇◇
魔術名は術者の精神的なトリガーの役割しかなく、特に決まりはありません。その魔術を開発した魔術師のセンス次第です。
所々木がまばらになっているところがあり、そこで気球を降りることになるらしい。
シエロ、エマ、リナリが乗る気球と、ヴァル、チュチュ、メンテが乗る気球は、少しずつ離れていく。
降りる場所はそれぞれ少し離れた場所になる。操縦士が言うには、そこから案内所へ案内され、そこで合流できるのだとか。
ヴァル達が乗った気球が、ゆったりと地面に着き、緩やかな衝撃を受ける。
その瞬間、ヴァルが押し黙った。
「…………」
それを見たメンテが、何事か察する。
ヴァルが手で3人を抑える素振りをしたので、メンテがチュチュと操縦士の腕を引いた。
そこでやっと2人が事態に気付く。
ヴァルが小声で操縦士に「行けますか?」と訊ねると、緊張した声で「ああ……」と返ってきた。
4人が気球から四方へ飛び出す。
弓を構えた盗賊のような人間が数名、草陰に潜んでいるようだった。
「ゲール」
操縦士が声を上げ、帽子に付いているバッジの前に魔法陣が浮かび、弾けるように消える。
盗賊が潜んでいるであろう木に向かって輪のように突風が吹き、気球の周りに潜んでいた盗賊が空へ舞い上がった。
それが戦闘開始の合図だった。
「上、7人」
チュチュが叫ぶ。
「こっちは1!」
「2!」
メンテとヴァルがそれぞれ叫ぶ。
「ジュエル」
チュチュが高らかに唱えると、チュチュのベルトの石の前に魔法陣が光り、弾けるように消える。
チュチュが、手に黒い双剣を握る。
ヴァルが、
「メンテは上!チュチュは後ろ!」
と指示を出すと、盗賊2人が潜む草むらの方へ奔った。
「縛バク」
メンテが叫び、地面に手を突く。
すると、メンテが腰にぶら下げている木製のチャームの前に魔法陣が浮かび上がり、弾けるように消えた。
メンテの周囲の地面から何本もの蔦が伸び上がり、落ちてきた盗賊7人を蔦でグルグルと巻き、捕まえていった。
盗賊達はきつく締め上げられ、身動きが取れなくなる。持ちきれず落としたいくつもの弓や矢が、ボトボトと地面に落ちた。
草むらの中、ヴァルが盗賊の首根っこを掴んでは、顔面に平手を叩き込み、唱える。
「転落」
左手に構えた短剣の前に魔法陣が光り、弾けるように消えた。
ヴァルが掴んでいた盗賊の顔に、黒いアイマスクのようなものが張り付く。
「う……あ……」
と盗賊が呻き声を上げる。
「2人!」
叫びながら、ヴァルが捕まえた2人の盗賊を見通しの良い場所へ蹴り出す。
見ると、チュチュが最後の1人にナイフを突きつけ制圧したところだった。
「転落」
ヴァルが唱え、ナイフの前に魔法陣が光り、弾けるように消える。
その最後の1人にもアイマスクのようなものを張り付かせた。
10人の盗賊を制圧した。あっという間の出来事だった。
「操縦士!」
身振りでもう一つの気球の降り場を確認すると、「後、頼んだ!」と言い放ち、ヴァルはそちらへと駆けて行った。
◇◇◇◇◇
魔術名は術者の精神的なトリガーの役割しかなく、特に決まりはありません。その魔術を開発した魔術師のセンス次第です。
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