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196 真夜中の天井
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エマは、一人、真夜中の天井を見上げた。
ヴァルの顔を見ないまま、1日が過ぎた。
あの瞬間、何があった?
考えれば考えるほど、身体が強ばる。
何があった?
でも、うん。
一瞬だったし、もしかしたら、この世界では挨拶程度なのかも……。
なんて。
そんな現実逃避しても仕方がない。
そんなわけない。
ここで16年生きてきて、そんな話は聞いたことがない。
じゃあ…………。
あ…………。
うぅ………………。
本当に、何てことしてくれたんだろう。
かあぁっと顔が熱くなる。涙が浮かぶ。
私…………何を考えてるんだろう。
両手で顔を覆う。
「うぅぅ~~~~~~……」
このことばっかり考えてしまう。
恋人でもないのにこんなあっさりとこんなことをするなんて酷いと思う一方で。
こんなことで…………こんなことで…………こんなことでこんなに舞い上がっちゃうなんて…………。
やっぱり考えてしまう。
期待してしまう。
そして、欲張ってしまう。
もっと………………。
「………………」
……本当に私、何を考えてしまっているんだろう。
ベッドに置いてあるジークの抱き枕を勢い良く振り回す。
ぐーにした手で思いっきり叩く。
息が上がってきたところで、抱き枕を投げ捨てる。
こんな気分の時は、本当に、精神安定剤だったジーク本人が、悩みのタネなことが恨めしい。
いつも落ち込んだ時に抱えていたダイカットクッションも強く握る。
けれど、それはどうしても投げ捨てられずに、そのまま、力を抜いて、握ったままにした。
天井を見つめる。
いつもの天井だ。
いつもの天井なのに。
真夜中の天井で、なんでこんなに舞い上がってしまうんだろう。
ダイカットクッションに顔を埋める。
そしてまた、あの時のことを思い出し、足をバタつかせる。
「~~~~~~~~~っ!」
ベッドに座り、一つ息を吐く。
昨日からずっと、夜が長い。
夜はとても長くて。
エマは、気晴らしがてら水を飲みに食堂へ向かった。
そっと階段を下りて、食堂に入ると、食堂にはまだ明かりがついていた。
中へ入ると、クッションコーナーのクッションがもぞもぞと動く。
一瞬どきっとしてしまう。
クッションの合間から出てきたのは、案の定ヴァルだった。
突然いるなんて、心臓に悪い。
ヴァルは、いつものように魔術書を下ろして、こちらを向いた。
「…………寝れない?」
ふっと笑うヴァルの顔は、いつも通りだ。
……もしかしたら、あれくらいなんとも思ってないのかな。
「寝られなくなっちゃって」
素直にそう言うと、キッチンでコップに水を注ぐ。
一口、口に含んだ。
こくん。
「もう、こんな時間なんだな」
そう言いながら近付いてくるヴァルは、本当にいつも通りだった。
私ばっかり気にしてるのかな。
一人ではしゃいでしまっていたのかと思うと恥ずかしくて、出来る限り普通を装う。
「そんなに集中してたの?」
ふふっと笑う。
「かな。……エマももう寝るだろ?」
「うん」
私ばっかり、思い返してるのかな。
そう思った瞬間、ヴァルの手がエマの方に伸びてきて、エマがびくっとした。
何…………?
もし、また……。
もし、また、あんなことされたら……。
ヴァルは、エマの乱れた髪をすっと撫でた。
「おやす……」
ヴァルが言い終わらないうちに、エマの顔がぼわっと赤くなり、俯いてしまう。
「…………」
何の音もない静かな夜だ。
エマがそっと顔を上げると、ヴァルは、いつになく満足そうな顔をしていた。
そして、小さな声で、
「おやすみ、エマ」
とエマに声をかけた。
「うん…………、おやすみ、ヴァル」
◇◇◇◇◇
ヴァルの方も、エマちゃんが平然としていて不安だったというお話。
気にして欲しいし、嫌われたくないと思っていたところで、満足のいく反応だったんでしょう……。
ヴァルの顔を見ないまま、1日が過ぎた。
あの瞬間、何があった?
考えれば考えるほど、身体が強ばる。
何があった?
でも、うん。
一瞬だったし、もしかしたら、この世界では挨拶程度なのかも……。
なんて。
そんな現実逃避しても仕方がない。
そんなわけない。
ここで16年生きてきて、そんな話は聞いたことがない。
じゃあ…………。
あ…………。
うぅ………………。
本当に、何てことしてくれたんだろう。
かあぁっと顔が熱くなる。涙が浮かぶ。
私…………何を考えてるんだろう。
両手で顔を覆う。
「うぅぅ~~~~~~……」
このことばっかり考えてしまう。
恋人でもないのにこんなあっさりとこんなことをするなんて酷いと思う一方で。
こんなことで…………こんなことで…………こんなことでこんなに舞い上がっちゃうなんて…………。
やっぱり考えてしまう。
期待してしまう。
そして、欲張ってしまう。
もっと………………。
「………………」
……本当に私、何を考えてしまっているんだろう。
ベッドに置いてあるジークの抱き枕を勢い良く振り回す。
ぐーにした手で思いっきり叩く。
息が上がってきたところで、抱き枕を投げ捨てる。
こんな気分の時は、本当に、精神安定剤だったジーク本人が、悩みのタネなことが恨めしい。
いつも落ち込んだ時に抱えていたダイカットクッションも強く握る。
けれど、それはどうしても投げ捨てられずに、そのまま、力を抜いて、握ったままにした。
天井を見つめる。
いつもの天井だ。
いつもの天井なのに。
真夜中の天井で、なんでこんなに舞い上がってしまうんだろう。
ダイカットクッションに顔を埋める。
そしてまた、あの時のことを思い出し、足をバタつかせる。
「~~~~~~~~~っ!」
ベッドに座り、一つ息を吐く。
昨日からずっと、夜が長い。
夜はとても長くて。
エマは、気晴らしがてら水を飲みに食堂へ向かった。
そっと階段を下りて、食堂に入ると、食堂にはまだ明かりがついていた。
中へ入ると、クッションコーナーのクッションがもぞもぞと動く。
一瞬どきっとしてしまう。
クッションの合間から出てきたのは、案の定ヴァルだった。
突然いるなんて、心臓に悪い。
ヴァルは、いつものように魔術書を下ろして、こちらを向いた。
「…………寝れない?」
ふっと笑うヴァルの顔は、いつも通りだ。
……もしかしたら、あれくらいなんとも思ってないのかな。
「寝られなくなっちゃって」
素直にそう言うと、キッチンでコップに水を注ぐ。
一口、口に含んだ。
こくん。
「もう、こんな時間なんだな」
そう言いながら近付いてくるヴァルは、本当にいつも通りだった。
私ばっかり気にしてるのかな。
一人ではしゃいでしまっていたのかと思うと恥ずかしくて、出来る限り普通を装う。
「そんなに集中してたの?」
ふふっと笑う。
「かな。……エマももう寝るだろ?」
「うん」
私ばっかり、思い返してるのかな。
そう思った瞬間、ヴァルの手がエマの方に伸びてきて、エマがびくっとした。
何…………?
もし、また……。
もし、また、あんなことされたら……。
ヴァルは、エマの乱れた髪をすっと撫でた。
「おやす……」
ヴァルが言い終わらないうちに、エマの顔がぼわっと赤くなり、俯いてしまう。
「…………」
何の音もない静かな夜だ。
エマがそっと顔を上げると、ヴァルは、いつになく満足そうな顔をしていた。
そして、小さな声で、
「おやすみ、エマ」
とエマに声をかけた。
「うん…………、おやすみ、ヴァル」
◇◇◇◇◇
ヴァルの方も、エマちゃんが平然としていて不安だったというお話。
気にして欲しいし、嫌われたくないと思っていたところで、満足のいく反応だったんでしょう……。
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