【選択小説】枯男は生還したい。〜旧校舎の神隠し〜

ルナ

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3day 5月3日 月曜日

【CASE4】②

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「違うって言ってるだろ!?そっちこそツクヨミじゃないのか!」

 怒りと焦りのあまり、つい咄嗟に口走ってしまった。根拠なんて何も無いというのに。

「私が…ツクヨミ?私が偽物だとでも言いたいのかね?松谷誠司くん」

 月神が怒りを露にしてゆっくりと俺に詰め寄る。彼の目は血走っており、ナイフを構えたその手は酷く震えている。
 異常だ。俺の今の発言、根拠こそは無いが何も思わずして出た言葉では無い。今目の前にいる月神には何か違和感を覚える。
 考えろ。観察しろ。
 何が違う。何が違和感の正体だ。
 気づけ。仮にも探偵だろう。
 こんなんじゃいつまでも帰って来ねぇ父親を見つけ出して、その横顔をぶん殴る事なんて一生できねぇぞ。
 そしてようやく見つけた、違和感の正体。
 目の前の月神が偽物だと言う証。

「なぁ…やっぱり偽物だよ。アンタ」
「何を言っている…私のどこが偽物だと」
「その手だよ」

 そう言って俺は月神の右手を指さした。月神は慌てて右手を背にまわしたが、もう遅い。再度しっかりと確認済みだ。

「油断したな。本物の月神の右手は四本、小指が無いはずだ。それなのに今のお前には指がしっかり五本揃っている。なぜ無いはずの物があるんだ?」
「…」
「まさか変身の能力まであるとは驚いた。恐ろしく完成度の高い変身。俺でなきゃ見逃しちゃうね」
「チッ…」

 本格的に朝日が登り、陽光が差し始める。それと同時に、目の前にいる月神の体が透け始め、霧状になって消えていった。霧状なので薄らとだが、二代目校舎に向かって行ったように見えた。

(日光が苦手なのか…?)

 ヤツに関する情報が集まってきた。そろそろ頭の片隅に置きにくくなってきた。今更だが今までの事をノートにメモをしておこうと思う。

「メモしたノート」を手に入れた。
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