【完結】てんかん患者の嗚咽

ルナ

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【0】始まりの夜

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 ここは…とある日本の、とある県の、とある町の、とある家族が住む、とある一軒家である。
 近隣の住民のある程度は寝静まっている土曜日の十二時過ぎ頃。他の家族は既に眠っているにも関わらず、とあるアニメの一挙放送にどっぷりと浸かっている少年が…特に何の変哲もない男子高校生が一人。

(タイ○ニのドラゴン○キッド可愛いなぁ~…)

 などとアニメを視聴しながら心の中でほざく男子高校生が一人おったとさ。当時、ルナの眠気はとっくに限界を超えそうなところまで来ていた。いつ眠ってしまってもおかしくないレベル。この状態で自転車に乗ろうものなら秒速で事故を起こす自信が溢れるほどあったレベルである。しかし、少年ルナは堪えた。眠気を必死に堪えながら、ついうっかり少々数秒の居眠りを挟みながらも朝の六時まで一挙で放送しているアニメを最後まで見届けようと頑張って瞼を開き続けた。このまま無事に、何事も無く最終回まで起きていられる。誰もがそう思っていた(誰も思ってない。ってかどうでも良い)のだが。
 ところがどっこい、夜中の二時を超えた頃。事件…いや、少年ルナに異変が生じた。

ガタンッバタバタッ

「…何だ!?どうしたルナ!?」

 とある土曜日の夜、急にルナに異変が生じた。ソレは一目瞭然な光景だった。眠っているはずのルナが白目をむいた状態で、足を身体の主な動きの中心として全身を酷く痙攣させていたのだ。それに加え、同時にルナは口から泡まで吹き出していた。

「な、何だ!?どうしたルナ!ルナ!?」

 その時起きていた…いや、物音で飛び起きたのだろうか。父親が見た事も無いルナの姿に唖然としながらも必死に声をかける。無論、返答は返って来ない。そこから父が「救急車を呼ぶ」という判断に至るまでの時間はゼロ(秒)に等しかった。
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