【完結】①魔力・魔法が無いと家族に虐げられてきた俺は殺して殺して強くなります

ルナ

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アルサーラー編

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 アーロン、俺はお前を許さない。

「それじゃあ…お前は…世界のために幾度となく俺を殺されると分かっていてクライス家に放り込み…ましてや、俺の両親を惨殺し続けたって言うのか?」
「…はい」

 今まで受けた仕打ちは全てコイツが…

「それも全て英雄との約束のため?この世界を守るため?」
「はい」

 俺と俺の両親が何をしたって言うんだ。

「今までの…全部…俺が…英雄の…生まれ変わりだから…?」
「その通りでございます」

 その瞬間、俺はカーテナを勢いよく地面から引き抜いた。今まで我慢して貯め続けていた何かが弾け飛んだ音が俺の中で聞こえた気がした。

「!?キョウ様!!一体何を!!」
「黙れぇ!!」
「…っ」

 俺の大きな怒声にアーロンは押し黙らされた。

「黙れ黙れ黙れ黙れ!!
こんな世界…」

 英雄の生まれ変わり。そんなもののせいで俺と俺の両親は苦しみ続けたのか。それがこの世界の選択だと言うのなら、こんな世界

「ぶっ壊してやる」

 引き抜いたカーテナの刃をアーロンに向ける。

〈ほほぉ…カーテナか、懐かしいな〉
(なんだ、知ってるのか?ディアボロス)
〈あぁ、英雄が使っていた剣の一本だ。非常に軽くて硬い素材で出来ているから、この世で最速の斬撃を繰り出せる剣として有名だったぞ〉

 この世で最速か…確かにとても軽い。今まで手にした剣の中でここまで軽い物は無かった。
 どれどれ、一体どれほどの切れ味か…

「試してみるか!!」

 アーロンに向けてカーテナを無造作に振り回してみる。すると自分でも信じられないほど、自分の体が自分の物では無くなったかと思うほど腕が素早く動く。あまりの速さに俺を中心とした周囲に無数の鎌鼬かまいたちが発生する程だ。その数はおびただしく、目の前のアーロンの姿が見えなくなるほど発生していた。

「凄まじいな…短剣カーテナ」

 発生した鎌鼬と砂煙が晴れた頃にはアーロンの姿は既に無かった。今の斬撃で散り散りになったかと思ったが、地面に一滴の血も無いところを見ると逃げられたようだ。
 アーロンの話が本当なら残りの剣は四本。転送されたこの場所から少し移動したところに見覚えのある国が見えた。ここは世界地図で照らし合わせたところ南の位置にあるようだ。

「次は…東かな」

 アーロンの深追いはやめる。手がかりが何も無いから下手に追ったところで無駄だろうから。一先ずアーロンは後回し、だが必ず見つけ出して殺す。それは決定事項だ。

「東と言ったら…あの家があるな。きっと何か手がかりがあるだろう」
〈…〉

 俺は世界に復讐するための一歩目を踏み出した。
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