【完結】①魔力・魔法が無いと家族に虐げられてきた俺は殺して殺して強くなります

ルナ

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魔境地帯編

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「そんなに凄いやつなのか…?」
「あぁ、凄いよ。そんで気に食わねぇヤツだ」
「…?仲悪いのか?同じ一級指定だろ?」
「お前ら人間ハンターが勝手に決めた括りで考えるなよ。まぁ、でも実際キマイラとメデューサとは一緒によく暴れ回ったもんだけどさ…アイツは違う」
「…。どう違うんだよ」
「そうだね…少し長い話になりそうだし、中で話そう」
「中?この辺に建物なんて無いし、それに今はそんな悠長に…」
「よっ…と」
「…へ?」

 ディアボロスが消えた。いや、一部始終を目の当たりにしていたので、どこに行ったのかは分かる。しかし、それは断固として認めたくないものだった。ディアボロスの肉体が覇気に溶けて無くなったかと思えば、もの凄い勢いで俺の体に吸い込まれたのだ。
 もちろん俺の意思でやった事では無い。ディアボロスが憑依して来たのだ。体の自由を奪う気なのかと思ったが普通に体は動く。ただ入り込んだだけのようだ。一先ずは何もされていないい様なので安心した。いや、充分嫌だけど。

〈…しも…き…かい…〉
「ん?」

 どこからかディアボロスの声が聞こえる。と、言ってもどこにいるのか知っているので、どこからの声なのかは想像もつくのだが。

〈もしも~し。おっ、僕の声が届いたかな?〉
「はよ出てけ」

 心からの本音である。体の内側からディアボロスの声が聞こえてくる。なんて不気味な事でしょう。

〈そう冷たい事言うなよ、一時期は殺しあった仲じゃないか。な?〉
「だから嫌なんだよ」
〈まぁまぁ、この状態もちろんタダとは言わない。僕が憑依している間、僕の力をキミに貸そう。それで良いだろ?〉
「はぁ…良くねぇよ…というか、お前の目的はなんなんだ?」
〈目的?そうだね。言うならば、僕はアイツの事が嫌いだ。傲慢で、偉っそうで、僕と大差ない歳の癖していつも上から目線で…〉
「あ~、もういいもういい、分かった分かった」
〈とりあえず、数千年ぶりにアイツが苦しむ顔を見たい訳よ。僕の知っている限りの情報は横流しするし、僕の力も使える。ヤツを討伐したいなら僕の存在価値は大きいと思うんだが…どうかな?〉
「ぐっ…何もするなよ?」
〈分かってるって♪〉

 残念ながら今はまだディアボロスを引き離せないようだ。このまま四大王者の討伐か。不安だ。

「…何かしたくても出来ねぇだろ?」
〈…!?〉
「ん?ジン何か言ったか?」
「いんや?何~にも?ちょっくら便所行ってくら~」

 俺とのすれ違いざまにジンが何やらボソッと言ったように聞こえたが、気のせいだろうか。



魔王の加護 獲得

加護詳細
覇気

現在餞ストック
炎魔法 レベル3
風魔法 レベル1
雷魔法 レベル1
吹雪魔法 レベル1
毒魔法 レベル1
召喚魔法 レベル1
石化魔法 レベル1
覇気 レベル1
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