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if story アルサーラー編(真)
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一足先にパーティの元へ戻ったジュナを追う形で俺とユーリも帰って来た。近くまで来たところでメンバーのいる方角から激しい破壊音が響く。誰かと戦っている。
「キョウくん!ユーリさん!手を貸して!」
真っ先に見えたのは必死に相手の剣を槍で受け流すジュナ。そしてその相手は
「ハハハ!底辺のハンター風情が、我に勝てると思っているのか?」
あの顔、声色、何もかもハッキリと覚えている。紛れもないクライス家の当主、ガランドール・クライスだ。
「燃え尽きろ…獄炎刃!」
「きゃあああ!?」
ガランドールの炎魔法が炸裂。剣に纏わせた炎が一気に放たれ、ジュナを襲う。彼女は炎をかわしきれずに直撃では無いものの、攻撃を食らってしまった。
「ジュナさん!」
「っと、俺の出番だな」
体に大きな火傷を負ったジュナを抱えたのはカイロン。帰省魔法で少し離れた木陰までジュナを運んでくれた。そこには回復魔法を使うクルミもいる。怪我の心配は大丈夫そうだ。
それにしても危なかった。あの二人の声が無かったら俺は我を忘れるくらいにプッツンしていただろう。今の俺が暴走してしまったら辺り一帯はタダでは済まないだろう。この場にいる全員が命拾いした。
「久しぶりだな。どうしてここにいるんだ?父上…いや、ガランドール、フレグラス」
俺は怒りを押さえ込みながら奴らとの会話に臨んだ。
「ふん、貴様に家を燃やされてからは行く宛ても無くフラフラとな」
「ガランと歩いていて、気づけばここまで来ていたの」
ガランドールは俺の事をジッと見始めた。大方、俺の力を見定めようとしているのだろう。
「かなりの化け物に成長したようだな。クライス家の面汚しめ」
「へぇ、分かるんだ。幼少期から俺の事なんて興味も無かった癖に」
「…あぁ、もう隠す必要も無いからな、この際ハッキリ言ってやる」
ガランドールは一息ついて続けた。
「俺はキョウ、お前の事が大嫌いだ。目障りで仕方がなかった。長い事クライス家に使えてくれたアーロンの頼みだから家に置いておく事は許したが、養子として、我が子として迎え入れたが、お前に愛情なんて一ミリも感じなかったからな」
ようやく聞けた。奴の心からの本音。ガランドールは一際大きな声で怒鳴るように更に続けた。
「だから放っておいた!全てアーロンに任せた!お前が息子たち四人に嫌われようが虐められようが知った事では無い!それが俺の心からの本音だ!」
「四人…?ふっ」
息子たち四人。その言葉を聞いて、俺はそれを鼻で笑った。
「ガラとギラは違うだろ?お前達の間の子供じゃないんだから」
「あら、キョウ、そんな事まで知ってるのね」
「あぁ、ガランドールと浮気相手の子供だってのは知っていた」
「!?…浮気相手!?どういう事ガラン!あの子達は捨て子じゃなかったの!?」
「ええい、今はどうでもいいだろう!そんな事!」
「まぁ!そんな事ですって!?」
やはりフレグラスはユーリの事を一切知らなかったようで、二人は仲間割れを始めた。
〈脆い夫婦仲だな。キョウの一言でこれか〉
(あぁ…将来俺が結婚したとして、あれだけにはなりたくないな)
「キョウくん!ユーリさん!手を貸して!」
真っ先に見えたのは必死に相手の剣を槍で受け流すジュナ。そしてその相手は
「ハハハ!底辺のハンター風情が、我に勝てると思っているのか?」
あの顔、声色、何もかもハッキリと覚えている。紛れもないクライス家の当主、ガランドール・クライスだ。
「燃え尽きろ…獄炎刃!」
「きゃあああ!?」
ガランドールの炎魔法が炸裂。剣に纏わせた炎が一気に放たれ、ジュナを襲う。彼女は炎をかわしきれずに直撃では無いものの、攻撃を食らってしまった。
「ジュナさん!」
「っと、俺の出番だな」
体に大きな火傷を負ったジュナを抱えたのはカイロン。帰省魔法で少し離れた木陰までジュナを運んでくれた。そこには回復魔法を使うクルミもいる。怪我の心配は大丈夫そうだ。
それにしても危なかった。あの二人の声が無かったら俺は我を忘れるくらいにプッツンしていただろう。今の俺が暴走してしまったら辺り一帯はタダでは済まないだろう。この場にいる全員が命拾いした。
「久しぶりだな。どうしてここにいるんだ?父上…いや、ガランドール、フレグラス」
俺は怒りを押さえ込みながら奴らとの会話に臨んだ。
「ふん、貴様に家を燃やされてからは行く宛ても無くフラフラとな」
「ガランと歩いていて、気づけばここまで来ていたの」
ガランドールは俺の事をジッと見始めた。大方、俺の力を見定めようとしているのだろう。
「かなりの化け物に成長したようだな。クライス家の面汚しめ」
「へぇ、分かるんだ。幼少期から俺の事なんて興味も無かった癖に」
「…あぁ、もう隠す必要も無いからな、この際ハッキリ言ってやる」
ガランドールは一息ついて続けた。
「俺はキョウ、お前の事が大嫌いだ。目障りで仕方がなかった。長い事クライス家に使えてくれたアーロンの頼みだから家に置いておく事は許したが、養子として、我が子として迎え入れたが、お前に愛情なんて一ミリも感じなかったからな」
ようやく聞けた。奴の心からの本音。ガランドールは一際大きな声で怒鳴るように更に続けた。
「だから放っておいた!全てアーロンに任せた!お前が息子たち四人に嫌われようが虐められようが知った事では無い!それが俺の心からの本音だ!」
「四人…?ふっ」
息子たち四人。その言葉を聞いて、俺はそれを鼻で笑った。
「ガラとギラは違うだろ?お前達の間の子供じゃないんだから」
「あら、キョウ、そんな事まで知ってるのね」
「あぁ、ガランドールと浮気相手の子供だってのは知っていた」
「!?…浮気相手!?どういう事ガラン!あの子達は捨て子じゃなかったの!?」
「ええい、今はどうでもいいだろう!そんな事!」
「まぁ!そんな事ですって!?」
やはりフレグラスはユーリの事を一切知らなかったようで、二人は仲間割れを始めた。
〈脆い夫婦仲だな。キョウの一言でこれか〉
(あぁ…将来俺が結婚したとして、あれだけにはなりたくないな)
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