【完結】①魔力・魔法が無いと家族に虐げられてきた俺は殺して殺して強くなります

ルナ

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if story アルサーラー編(真)

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「皆、長らく引き止めてしまってすまない。もう成仏して良いぞ」

 俺が二回パンパンと手を叩くと、魂の彼らが宙に浮かび上がった。俺への恨み言を叫ぶ者、今の状況に混乱する者、黙って俺を見つめる者、見向きもしない者。色々なヤツがいた。時間は無いし、俺に何か言っていたヤツには申し訳ないが全員シカトさせてもらった。

「ソウル、頼む」
「うん!」

 ソウルが宙に手をかざす。すると浮いていた者達が次々に光に包まれて消滅していく。その光が奥の暗闇からも見えた。彼らだろう。これで全員成仏できたのだろうか。

「なぁ、ソウル…ソウル!?…あぁ、そうか。そうだよな」

 俺の横にいたはずのソウルは消えていた。俺が他の連中に気を取られている間に。結果として彼も俺が殺した相手の一人だ。一緒に成仏してしまったのだろう。

「…ありがとな」

 暗闇だけになった世界で一人呟き、後に俺の意識は離れていった。夢から。





☆●◇■△▼一年後▽▲□◆○★





 今日は王国聖誕祭の日。この国が成立してからちょうど一年が経過した記念すべき日だ。この一年で国の人口は大幅に増えた。
「若すぎる国王」との噂や「勢いのありすぎる国」などの噂を聞いて興味本位で移住、観光に来る者が多いのだ。おかげでたったの一年で国は大いに盛り上がり、周囲の大国と肩を並べる程にまでなった。

「それでは参りましょう。国王」

 国王直属護衛騎士 アール(34)

「さぁ、今日はめいっぱい楽しむぞー!」

 国王直属護衛騎士 エル(25)

「おい、エル。国王の御前だぞ。失礼な態度をとるな」
「え~良いじゃん。僕達と国王の仲だよ~?」
「場をわきまえろ、全く…」

 相変わらずの二人のやり取りを見て、は苦笑いする。

「それではどうぞ国王、王妃様も」
「あぁ」
「うん!」

 城の正門が開かれ、外から陽光が差す。眩しさに一瞬目が眩む。それが過ぎれば、目の前に広がるのは大勢の国民達の姿。俺達の登場に国民全員が歓声を上げる。

「まさかこんな未来が待ってるなんて…夢にも思わなかったよ」

 俺はこれから共に歩いて行く女性を見ながら言った。

「なぁ、ジュナ」

 アートラスト王国 国王キョウ・アートラスト(17)

「私はキョウくんがオッケーしてくれた事に今でも驚いてるよ」

 アートラスト王国 王妃ジュナ・アートラスト(19)

 あれから少し経ち、俺はジュナと結婚して一緒に今の王国を築いた。せっかくなので姓と国の名前もその時に変えさせてもらった。前々からカッコイイと思ってたんだ、ジュナの姓。両親やソウルには申し訳ないが、「アブソープ」という姓は色々ありすぎたせいで呪われているような気がしてならない。こので不幸な目に会うんじゃないかと思ってしまうのだ。
 おっとwダジャレじゃないぞ?

「あ、レイ!やっほー!来てくれたんだ!」
「…お久、キョウくん、ジュナ」

 ジュナが群衆の中からレイを見つけたみたいだ。俺もレイに向かって手を振る。
 レイはあれから腕を上げて、今はハンター協会の会長を務めている。必中魔法の力だけでも充分凄いが、それに加えて素晴らしい身のこなし、魔法のキレも上がった。彼の努力の賜物だ。ついでに形だけではあるが、この国の大臣の役職をも持っている。大臣と言っても、今のところ与える仕事が無いため本当に形だけである。なので基本的にはハンター協会の方を優先してもらっている。

「楽しんでってね」
「…あぁ、久しぶりの休暇だ。ゆっくり楽しむとするよ」

 アートラスト王国 大臣
 兼ハンター協会会長 レイ・エメラルド(19)

〈お、だいぶ盛り上がってるじゃないか〉
(なんだ、起きたのか)

 うるさいのが一人、俺の中で目覚めたようだ。

「せっかくの祭りだし、たまには僕も参加してあげよう~」
「あ、おい。勝手に出てくんなよー」
「良いだろ~?僕とキョウの仲じゃないか」

 アートラスト王国 国王補佐 ディア・ボロス(?)

 ディアボロスは俺の左隣を歩くジュナと対称的に、俺の右隣に現れた。ディアボロスの登場により、更に国民からの歓声が増した。
 せっかくなので俺はディアボロスにも役職を用意した。それが国王補佐。これも大臣同様に仕事は今のところ無い。形だけだ。
 ちなみにディアボロスが怪奇な事は事前に公表しており、国民は既に承知済みの事実だ。特にそれらしい問題行動は起こしてないし、見た目が完全にただの少年という事もあり、彼が怪奇という認識が薄い。その証拠に周囲の目や扱いが完全に人間のソレである。

「いや~あの告白から一年か~。今思い出してもあれは笑えるな~」
「やめてディアくん思い出させないで…ぅぅ」

 ディアボロスの言葉にジュナは赤面する。

 一年前か、本当に懐かしい。あの瞬間から歴史は大きく動いたんだよな。
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