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アルタ
しおりを挟む特別寒くも暑くもない5月中旬。
アタシは新宿にいた。
時刻午後10時。新宿アルタ前で人を待つ。
閉店したアルタは真っ暗で昼の楽しそうな雰囲気はない。
「お待たせ、メロちゃん……だよね?」
黒いTシャツにGパンのラフな格好した冴えない大学生の男に話しかけられる。
「メロです」と軽く微笑んで頷いた。
因みにこの人は今初めて会った人。さっきまで全然知らない人だったけど待ち合わせしてた人。
「メロちゃん……可愛いね。」
少し照れながら男は言った。
知ってる。アタシが可愛いってこと知ってるよ。会う男会う男皆そう言うから。
でもちゃんと〝可愛いメロちゃん〝を演じなきゃね。
「ほんと!?嬉しいなぁっ」
ちょっと大袈裟に喜んだふりをして笑ってみせた。
「うん、じゃあ行こうか。」
進み出した男の後ろを可愛く小走りで追いつくようについていった。
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