under bird

初夏

高校生になった

３年生は大人だった
車やバイクで彼氏が迎えに来る
憧れた

女子校だから、
恋バナばかりの日々

彼女と別れた新くんに
誰か紹介して～
ってお互い言い合う毎日だった

舟くんから連絡が来て
笑顔が見れなくても声で癒された
付き合おうって言われて
すんなり返事した

学校の帰りに待ち合わせて
一緒に帰る
綺麗で可愛かった舟くんが
背が伸びてカッコ良かった
相変わらず綺麗
ドキドキし出す
意識したら終わっちゃう
頑張って頑張って会話した

夏祭りに誘われた
ドキドキした記憶しかない
やっと賑やかな場所を離れ
送ってくれた帰り道
キスした

初めてのキスは
蛍が舞う中だった

好きが増して
ドキドキを抑える方法を考える日々

なかなか逢えないことは
緊張から逃げたい私には好都合だった

どこに行くにも
誰と会うにも
時間にも
親の監視が異様に厳しかったから

夜に外出なんて
普通の日は出来なかった

私はその事を舟くんに言えなくて…

逢えない日々は
あっという間に私から舟くんを奪った

逢いたくても逢えない
話したくても上手く話せない
苦しかった
でも、舟くんが大好きだった
ずっと癒されたかったな…



厳しい母が
新くんだけはお気に入りで
遊びに行くのも許してくれたから
新くんとよく遊ぶように
音楽聴いて
漫画読んで
ゲームして
変な空気になりそうになることもあって
２人でツネの家に行く事が増えた
３人で女子トークばりに
くだらない話して笑って過ごす

ツネと電話する日が増えた
ツネは長電話好き
いつまでも笑い合えた
女の子でいなくて良いツネとの関係は
楽しくて楽チンだった

ツネと仲良くなって
母の監視が強くなった
帰りが遅いとうるさかった
遅くなると伝えても
警察に連絡する程で
母の監視のストレスから
ツネとも距離をおいた

ツネとの素を出せる関係は
私の支えだったから
ツネと離れた生活は
苦でしかなかった

付き合っても上手くいかない
好きになっても上手くいかない
仲良くなっても上手くいかない

お互いに好きで
お互いに楽しくて
お互いに無理しない

そんな彼氏が出来ますように

真冬だけど
人生の初夏の入口に
神社で本気でお願いした