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お茶会当日⑤
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私は頭をフル回転させて考え出した返答をゆっくりと話し始めた。
「…殿下を狙っているご令嬢はとても多いですわ。私よりも高位の身分のご令嬢やとても可愛らしい方も多くいらっしゃいます。ですので私の出る幕はないと察しましたの。」
「私に振り向いてもらうために痩せたのではないのか?」
「…失礼とは存じますが、殿下のためではございませんわ。食の好みが変わっただけですの。」
「そうなのか…」
殿下の声音にどこか残念そうな色を感じたのだがきっと気の所為だろう。今度こそもういいだろうと思い、踵を返そうとした絶妙なタイミングでまたもや殿下が爆弾を投下した。
「では、私が今の君にとても好感を持っていると言ったらどうする?」
「ハイ?」
今、殿下は何と言ったのだろうか?と私がフリーズしている間も殿下は饒舌に語り始める。
「君も言っていた通り、私を狙う令嬢はとても多い。だが逆に私を避けようとしたり、私に興味が無かったりする令嬢は君くらいだ。はっきり言って、そんな君がとても興味深いし、面白いと思う。」
「イ、イエ、避ケヨウトシテイルダナンテ、ソンナ恐レ多イコト…」
「じゃあなんでさっきから逃げ出そうと機会を伺っているのかな?私が気づかないとでも?」
「ゔっ…」
「それとも誰か好きな人がいるとか?」
そう言われた瞬間、不意にノア先生の顔が頭に浮かんで顔が真っ赤になってしまう。なんであのサディスト教師の顔が浮かぶんだ?!と私が困惑していると、そんな私の様子を見逃さず殿下の顔が少し不機嫌そうに歪む。
「…面白くないな、君にそんな顔をさせる人物がいるだなんて。そいつが羨ましいな。」
「い、いやあの人はそんなんじゃ…?!」
私が反論しようとしたら、殿下があっという間に距離を詰めてきて至近距離で見下ろされた。殿下とノア先生の顔が似ているからか、昨日の壁ドン&顎クイが思い出されてさらに顔が真っ赤になる。そんな私の表情を見て、不機嫌そうな様子から一転して黒い笑みを浮かべる。
「…もしかしてそいつと私、顔が似ているのかな?それとも私がカッコイイから赤くなっているのかな?…まあいずれにせよ、そいつから君の気持ちを奪い取るって考えると燃えるね。」
その不穏な言葉に冷や汗がさらに背筋を伝う。このままではヤバいと本能的に感じた私は逃げる事を決めた。
「あ!!そうですわ、私そろそろ父様と兄様のところに戻らないとですのっ!!申し訳ございませんが失礼致しますっ!!」
殿下の返事を聞く前にダッシュでその場から逃げ出した私は急いで父様と兄様を捕まえて、「疲れてしまったから帰ろう」と断れないように上目遣いで少し瞳を潤ませてお願いをすると、二人共すごい勢いで了承してくれて、すぐに帰宅の途につくことができた。父様と兄様を囲っていた多くのご婦人やご令嬢から鋭い目で睨みつけられたが、そんなのあの殿下の黒い笑みに比べたら屁でもないので丸々無視してきた。
こうして、初めて参加する他所でのお茶会は、私を引きこもりにするきっかけとなってしまったのだった。
「…殿下を狙っているご令嬢はとても多いですわ。私よりも高位の身分のご令嬢やとても可愛らしい方も多くいらっしゃいます。ですので私の出る幕はないと察しましたの。」
「私に振り向いてもらうために痩せたのではないのか?」
「…失礼とは存じますが、殿下のためではございませんわ。食の好みが変わっただけですの。」
「そうなのか…」
殿下の声音にどこか残念そうな色を感じたのだがきっと気の所為だろう。今度こそもういいだろうと思い、踵を返そうとした絶妙なタイミングでまたもや殿下が爆弾を投下した。
「では、私が今の君にとても好感を持っていると言ったらどうする?」
「ハイ?」
今、殿下は何と言ったのだろうか?と私がフリーズしている間も殿下は饒舌に語り始める。
「君も言っていた通り、私を狙う令嬢はとても多い。だが逆に私を避けようとしたり、私に興味が無かったりする令嬢は君くらいだ。はっきり言って、そんな君がとても興味深いし、面白いと思う。」
「イ、イエ、避ケヨウトシテイルダナンテ、ソンナ恐レ多イコト…」
「じゃあなんでさっきから逃げ出そうと機会を伺っているのかな?私が気づかないとでも?」
「ゔっ…」
「それとも誰か好きな人がいるとか?」
そう言われた瞬間、不意にノア先生の顔が頭に浮かんで顔が真っ赤になってしまう。なんであのサディスト教師の顔が浮かぶんだ?!と私が困惑していると、そんな私の様子を見逃さず殿下の顔が少し不機嫌そうに歪む。
「…面白くないな、君にそんな顔をさせる人物がいるだなんて。そいつが羨ましいな。」
「い、いやあの人はそんなんじゃ…?!」
私が反論しようとしたら、殿下があっという間に距離を詰めてきて至近距離で見下ろされた。殿下とノア先生の顔が似ているからか、昨日の壁ドン&顎クイが思い出されてさらに顔が真っ赤になる。そんな私の表情を見て、不機嫌そうな様子から一転して黒い笑みを浮かべる。
「…もしかしてそいつと私、顔が似ているのかな?それとも私がカッコイイから赤くなっているのかな?…まあいずれにせよ、そいつから君の気持ちを奪い取るって考えると燃えるね。」
その不穏な言葉に冷や汗がさらに背筋を伝う。このままではヤバいと本能的に感じた私は逃げる事を決めた。
「あ!!そうですわ、私そろそろ父様と兄様のところに戻らないとですのっ!!申し訳ございませんが失礼致しますっ!!」
殿下の返事を聞く前にダッシュでその場から逃げ出した私は急いで父様と兄様を捕まえて、「疲れてしまったから帰ろう」と断れないように上目遣いで少し瞳を潤ませてお願いをすると、二人共すごい勢いで了承してくれて、すぐに帰宅の途につくことができた。父様と兄様を囲っていた多くのご婦人やご令嬢から鋭い目で睨みつけられたが、そんなのあの殿下の黒い笑みに比べたら屁でもないので丸々無視してきた。
こうして、初めて参加する他所でのお茶会は、私を引きこもりにするきっかけとなってしまったのだった。
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