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三章
03. 沖縄旅行編:ハンバーガーとアメリカンヴィレッジ②
「雲ひとつないですね」
「ええ。端から端、上から下まで全部が爽やかな水色です」
アクアブルーの絵の具をパレットに出して、薄めず原色のままを塗りたくったような空の色。
白の飾りはなく、丸く世界を覆い包むようだ。
「東京で見るのとは、青の種類が違う気がしますね」
「空の色には湿度が関係していると昔何かで読んだことがあります。そういう意味だと東京も沖縄も湿度の高さは変わらないので、同じに見えるはずなんですが……」
「気持ちの問題でしょうか?」
「大いにあると思います。バカンス気分ですから、今の私たちは」
「バカンス気分、まさに。僕たちの短い夏休みの始まりですね、先生」
泊大橋を渡り、左側に海を見ながら進む。
背の低い建物が並ぶおかげで視界の広い中を走るのは、とても爽快だ。
頬を掠めていくのは、ただの風かそれとも潮風か。
鳴成はサングラスをずらして、流れる景色に目を細める。
「先生、駄目です。目を痛めてしまいます」
色素の薄い鳴成を心配して、運転席から伸びてきた指にすかさずサングラスを直される。
「でも、この景色は直に見ないと後悔する気がします」
「ルーフ閉めますか?それなら眩しさも軽減しますから」
「それは嫌です。この絶景をパノラマで見ることに意味がありますから」
「じゃあ、サングラスは外さないでください」
「うーん……一旦了承しました。これからきみは真っ直ぐ前だけを見て運転してください。私の挙動についてはどうぞお気になさらず」
「先生、僕が見てない隙を狙ってますね?」
「…………いいえ?」
「あはは。今日は何だかいつもと様子が違いますね?」
「ええ。羽目を外したバージョンなので、少し我儘かもしれません。もし限度を超えたら遠慮なく物申してください。抑えられるように努力はしますから」
「ご自由にどうぞ。正直、大人可愛くてもっと見たいです」
けれどやはり目は大切だからと、信号待ちの間に、再度サングラスを直された。
そして、サングラスのテンプルを伝って耳元へと移動した人差し指に、ヘーゼルの髪をかき上げられる。
誰が見ているとも知れない公道でスキンシップをする程度には、月落も羽目を外しているらしい。
楽しくて、自然と笑顔が零れる。
「背の高い建物が増えてきましたね」
細い道を抜けると、左右にマンションの立ち並ぶエリアへと入る。
しばらく進むと、有名なショッピングモールの看板に遭遇した。
「先生、この看板が見えたっていうことは、もうすぐです」
「……あ、あの左側に見えてるのがそうですか?」
「そうです。到着です」
那覇空港から約35分、目的地に到着だ。
西海岸を模した街、アメリカンビレッジ。
「カラフルですね」
「フォトスポットもお店も沢山あるので、ゆっくり回って写真を撮りましょう。アイスも食べましょうね」
「是非。気になる味はもうチェック済みです」
「あ、本気の人がいる」
夏空にアクセントを差す黄色い車体を駐めて、二人はアメリカンな街並みに足を踏み入れた。
「楽しかったですね」
「ええ。思った以上に店舗数が多くて、沢山買いましたね」
鳴成の見つめる先には、両手に持った袋をトランクに積む月落の姿。
マーブル模様が綺麗な石鹸のセットや、お揃いのTシャツ、サトウキビを使ったチョコレート、クリスマス専門店で各々の実家用に購入したオーナメントに、身内の女性陣用に大量購入した沖縄限定のフェイスパック。
「クリスマスのオーナメントは、元漁師の叔父上にも差し上げるんですか?」
「そのつもりです。今年の冬に赤坂のホテルで、館内館外すべてをクリスマス仕様にする新しいイベントをするんです。そのために色々なグッズを国内外から集めているそうなので、持って行ってみようと思って」
「ホテル一棟すべてをクリスマス仕様にするんですか?壮大なプロジェクトですね」
「開業70年の記念イヤーなので、特別仕様にするそうです」
「それはとても話題になりそうです」
「常連のお客様からは、価格は一切気にしないから絶対に予約させてくれというお申し出を何件も頂いていると聞きました」
「……怖い世界」
「はい、本当に」
車に乗り込んだ月落は話をしながら鳴成のシートベルトを締めたあと、当然のごとく白のカプリシャツの胸元に掛かっている茶色のサングラスを手に取ると、ヘーゼルの瞳を隠した。
素早く自分のサングラスも掛ける。
「ありがとうございます」
「ここからヴィラまで40分くらいです。那覇空港からここまでとほぼ同じ所要時間ですね」
「短いですね……短く感じる、の方が正しいかな?旅行は時間の感覚が麻痺する気がします」
「分かります。体内時計が狂いますよね」
レーシングイエローの車体はスムーズに発進する。
時刻は15時すぎ。
先ほどとは別の画家に描かれた空模様。
ふかふかの雲が泳ぐ青空の下を駆ける。
「先生、アイス、美味しかったですね」
「とっても。可能なら、全種類食べたかったです」
「やっぱりトリプルにするべきでしたね?」
「きみのも半分ほど私が頂いたので、結局トリプルかそれ以上を食べたことになる気がします」
ビレッジ内をぐるぐると歩き回って程良く疲れた頃、沖縄県を中心に店舗展開するアイスクリーム店に立ち寄った。
先の宣言通り心に決めた注文をしようとしていた鳴成だったが、いざショーケースを前にすると若干その心が揺らいでしまい、じっとしたまま動かなくなった。
シェアするだろうから、と自分の分も鳴成に決めてほしいと月落が頼むと、注文できる数が4つになったため余計に迷いが生じさらに動かなくなってしまった。
ケースの前で真剣に悩む美男性と、アイスの方は一切見ずに横に並ぶ連れを凝視するイケメン男性の図は、秘かな衆目に晒されていたというのは言うまでもない。
最終的に鳴成は、塩ちんすこうと琉球紅茶わらび餅、ブルーウェーブとシークヮーサーを選び、満面の笑みでそれらを食べ終えた。
「夜は、ナイトプールに行く予定ですよね?」
「はい。ヴィラに着いて部屋で少しのんびりした後は夕飯、それから気が向けばプールに行こうと思ってます」
「摂取した糖分はそこで消化してなかったことにします」
「先生、もしかしてナイトプールで本気のクロールとかするつもりじゃ……?」
「それも良いですね。水泳上級者のきみに教えてもらうのも手かもしれません」
「え、どうしよう、ゴーグル買った方がいいかな……ナイトプールにゴーグル?斬新すぎるか……」
ステアリングを右手で操作しながら、運転席に座る月落は左手を顎に考える。
街中を通り抜けて北上するレーシングイエローに乗る人物が、まさかゴーグルを買うかどうかで悩んでいるとは誰も思うまい。
赤信号で停車したのを機に、空調の向きを調節する。
「私はナイトプールというか、普通のアミューズメントとしてのプールにも行ったことがないので実態を把握できていないんですが、本気の人はいないんですね」
「遊び特化型ですね。波の出るプールと流れるプール、何もない広いプールの3つがメインです。間欠泉を模した巨大な噴水があるエリアやウォータースライダー各種、滑り台が横にずらっと並んでいるエリアもあります。あとは、お子さんに人気のシャボン玉のエリアとか。2年前に敷地を拡充して、そこに水上アスレチックを作ったとも聞いています」
「一日中いても飽きなさそうですね」
「はい。レストランと売店が沢山あるので、体力の続く限りそこで遊び尽くすお子さんが多いらしいです」
「親世代は大変ですね。ちなみに、昼のプールとナイトプールは何が違うんですか?」
「うちの施設に関して言うと、昼はお子さん含めて全年齢対象ですが、ナイトプールは18歳以上限定になります」
「年齢制限……」
「照明がこう、何て言うかギラギラ?と言うよりは、もうちょっとムードのある感じになるので」
「あ、クラブですか?」
「え、先生からそんな言葉が飛び出すなんて」
「もしかして、パリピ?」
「先生……!」
鳴成の口から出る普段聞いたことのない単語の数々に、月落は少し衝撃を受ける。
大学教員という職業柄、普段から流行最先端の年頃と過ごす時間が多いので、必然的に鳴成の言動には古いところがない。
本人も気づかない内に学生とのやりとりの中で自動アップデートされているようで、感覚は同年代と比較して遥かに若いという印象だ。
なので、鳴成がそういう若者言葉を仕入れているとしても何も不思議ではないのだが、いざその声でその単語が発せられると無性にドギマギしてしまうのは何故なんだろう。
「青です……渉くん、青」
「あ、すみません」
ゆっくりと発車したオープンカーは、金武ダムに掛かる橋を渡って、左右を緑の木々で縁取られた道をずっと進む。
風が流れていく横で、鳴成がくすくすと笑うのを月落はいじけた風情で睨んだ。
「似合わない言葉に驚きましたか?」
「先生とパリピという単語があまりにも結び付かなくて、瞠目しました。でも、意外と結構正解です。ナイトプールは18時からなんですが、特設のクラブブースができたり、噴水のダンスショーなんかもあるみたいなので」
「……心配になってきました。私が行っても大丈夫でしょうか?おじさんが行くのはとても場違いな気がするんですが」
「暗くて見えないですし、先生はおじさんじゃないので大丈夫です。実は僕もナイトプールは初体験なので、居心地が悪かったら早急に撤退しましょうね」
今度は鳴成が驚く番だ。
きょとんとした鳴成の視線が、月落の方を向く。
「初めてなんですね。てっきり、行き慣れてるんだと思ってました」
「もしや先生の中で僕はパリピ寄りの配置なんですか……?」
「いいえ、そういう訳では。でも、色んなことに手慣れているので経験値は高いんだろうな、と。実際そうですし」
「褒められてます?」
「ええ、とても」
「喜ばしい部分だけを掬って心に留めておきます」
「ポジティブなところが好きです」
「え、先生、もう一回言ってください。何で運転中に……先生、ボイスメモで残したいです!」
「無理です」
焦っても安全運転第一の車は、青空を引き連れて再度海側を走り、沖縄県最大のレジャー施設へと到着した。
「ええ。端から端、上から下まで全部が爽やかな水色です」
アクアブルーの絵の具をパレットに出して、薄めず原色のままを塗りたくったような空の色。
白の飾りはなく、丸く世界を覆い包むようだ。
「東京で見るのとは、青の種類が違う気がしますね」
「空の色には湿度が関係していると昔何かで読んだことがあります。そういう意味だと東京も沖縄も湿度の高さは変わらないので、同じに見えるはずなんですが……」
「気持ちの問題でしょうか?」
「大いにあると思います。バカンス気分ですから、今の私たちは」
「バカンス気分、まさに。僕たちの短い夏休みの始まりですね、先生」
泊大橋を渡り、左側に海を見ながら進む。
背の低い建物が並ぶおかげで視界の広い中を走るのは、とても爽快だ。
頬を掠めていくのは、ただの風かそれとも潮風か。
鳴成はサングラスをずらして、流れる景色に目を細める。
「先生、駄目です。目を痛めてしまいます」
色素の薄い鳴成を心配して、運転席から伸びてきた指にすかさずサングラスを直される。
「でも、この景色は直に見ないと後悔する気がします」
「ルーフ閉めますか?それなら眩しさも軽減しますから」
「それは嫌です。この絶景をパノラマで見ることに意味がありますから」
「じゃあ、サングラスは外さないでください」
「うーん……一旦了承しました。これからきみは真っ直ぐ前だけを見て運転してください。私の挙動についてはどうぞお気になさらず」
「先生、僕が見てない隙を狙ってますね?」
「…………いいえ?」
「あはは。今日は何だかいつもと様子が違いますね?」
「ええ。羽目を外したバージョンなので、少し我儘かもしれません。もし限度を超えたら遠慮なく物申してください。抑えられるように努力はしますから」
「ご自由にどうぞ。正直、大人可愛くてもっと見たいです」
けれどやはり目は大切だからと、信号待ちの間に、再度サングラスを直された。
そして、サングラスのテンプルを伝って耳元へと移動した人差し指に、ヘーゼルの髪をかき上げられる。
誰が見ているとも知れない公道でスキンシップをする程度には、月落も羽目を外しているらしい。
楽しくて、自然と笑顔が零れる。
「背の高い建物が増えてきましたね」
細い道を抜けると、左右にマンションの立ち並ぶエリアへと入る。
しばらく進むと、有名なショッピングモールの看板に遭遇した。
「先生、この看板が見えたっていうことは、もうすぐです」
「……あ、あの左側に見えてるのがそうですか?」
「そうです。到着です」
那覇空港から約35分、目的地に到着だ。
西海岸を模した街、アメリカンビレッジ。
「カラフルですね」
「フォトスポットもお店も沢山あるので、ゆっくり回って写真を撮りましょう。アイスも食べましょうね」
「是非。気になる味はもうチェック済みです」
「あ、本気の人がいる」
夏空にアクセントを差す黄色い車体を駐めて、二人はアメリカンな街並みに足を踏み入れた。
「楽しかったですね」
「ええ。思った以上に店舗数が多くて、沢山買いましたね」
鳴成の見つめる先には、両手に持った袋をトランクに積む月落の姿。
マーブル模様が綺麗な石鹸のセットや、お揃いのTシャツ、サトウキビを使ったチョコレート、クリスマス専門店で各々の実家用に購入したオーナメントに、身内の女性陣用に大量購入した沖縄限定のフェイスパック。
「クリスマスのオーナメントは、元漁師の叔父上にも差し上げるんですか?」
「そのつもりです。今年の冬に赤坂のホテルで、館内館外すべてをクリスマス仕様にする新しいイベントをするんです。そのために色々なグッズを国内外から集めているそうなので、持って行ってみようと思って」
「ホテル一棟すべてをクリスマス仕様にするんですか?壮大なプロジェクトですね」
「開業70年の記念イヤーなので、特別仕様にするそうです」
「それはとても話題になりそうです」
「常連のお客様からは、価格は一切気にしないから絶対に予約させてくれというお申し出を何件も頂いていると聞きました」
「……怖い世界」
「はい、本当に」
車に乗り込んだ月落は話をしながら鳴成のシートベルトを締めたあと、当然のごとく白のカプリシャツの胸元に掛かっている茶色のサングラスを手に取ると、ヘーゼルの瞳を隠した。
素早く自分のサングラスも掛ける。
「ありがとうございます」
「ここからヴィラまで40分くらいです。那覇空港からここまでとほぼ同じ所要時間ですね」
「短いですね……短く感じる、の方が正しいかな?旅行は時間の感覚が麻痺する気がします」
「分かります。体内時計が狂いますよね」
レーシングイエローの車体はスムーズに発進する。
時刻は15時すぎ。
先ほどとは別の画家に描かれた空模様。
ふかふかの雲が泳ぐ青空の下を駆ける。
「先生、アイス、美味しかったですね」
「とっても。可能なら、全種類食べたかったです」
「やっぱりトリプルにするべきでしたね?」
「きみのも半分ほど私が頂いたので、結局トリプルかそれ以上を食べたことになる気がします」
ビレッジ内をぐるぐると歩き回って程良く疲れた頃、沖縄県を中心に店舗展開するアイスクリーム店に立ち寄った。
先の宣言通り心に決めた注文をしようとしていた鳴成だったが、いざショーケースを前にすると若干その心が揺らいでしまい、じっとしたまま動かなくなった。
シェアするだろうから、と自分の分も鳴成に決めてほしいと月落が頼むと、注文できる数が4つになったため余計に迷いが生じさらに動かなくなってしまった。
ケースの前で真剣に悩む美男性と、アイスの方は一切見ずに横に並ぶ連れを凝視するイケメン男性の図は、秘かな衆目に晒されていたというのは言うまでもない。
最終的に鳴成は、塩ちんすこうと琉球紅茶わらび餅、ブルーウェーブとシークヮーサーを選び、満面の笑みでそれらを食べ終えた。
「夜は、ナイトプールに行く予定ですよね?」
「はい。ヴィラに着いて部屋で少しのんびりした後は夕飯、それから気が向けばプールに行こうと思ってます」
「摂取した糖分はそこで消化してなかったことにします」
「先生、もしかしてナイトプールで本気のクロールとかするつもりじゃ……?」
「それも良いですね。水泳上級者のきみに教えてもらうのも手かもしれません」
「え、どうしよう、ゴーグル買った方がいいかな……ナイトプールにゴーグル?斬新すぎるか……」
ステアリングを右手で操作しながら、運転席に座る月落は左手を顎に考える。
街中を通り抜けて北上するレーシングイエローに乗る人物が、まさかゴーグルを買うかどうかで悩んでいるとは誰も思うまい。
赤信号で停車したのを機に、空調の向きを調節する。
「私はナイトプールというか、普通のアミューズメントとしてのプールにも行ったことがないので実態を把握できていないんですが、本気の人はいないんですね」
「遊び特化型ですね。波の出るプールと流れるプール、何もない広いプールの3つがメインです。間欠泉を模した巨大な噴水があるエリアやウォータースライダー各種、滑り台が横にずらっと並んでいるエリアもあります。あとは、お子さんに人気のシャボン玉のエリアとか。2年前に敷地を拡充して、そこに水上アスレチックを作ったとも聞いています」
「一日中いても飽きなさそうですね」
「はい。レストランと売店が沢山あるので、体力の続く限りそこで遊び尽くすお子さんが多いらしいです」
「親世代は大変ですね。ちなみに、昼のプールとナイトプールは何が違うんですか?」
「うちの施設に関して言うと、昼はお子さん含めて全年齢対象ですが、ナイトプールは18歳以上限定になります」
「年齢制限……」
「照明がこう、何て言うかギラギラ?と言うよりは、もうちょっとムードのある感じになるので」
「あ、クラブですか?」
「え、先生からそんな言葉が飛び出すなんて」
「もしかして、パリピ?」
「先生……!」
鳴成の口から出る普段聞いたことのない単語の数々に、月落は少し衝撃を受ける。
大学教員という職業柄、普段から流行最先端の年頃と過ごす時間が多いので、必然的に鳴成の言動には古いところがない。
本人も気づかない内に学生とのやりとりの中で自動アップデートされているようで、感覚は同年代と比較して遥かに若いという印象だ。
なので、鳴成がそういう若者言葉を仕入れているとしても何も不思議ではないのだが、いざその声でその単語が発せられると無性にドギマギしてしまうのは何故なんだろう。
「青です……渉くん、青」
「あ、すみません」
ゆっくりと発車したオープンカーは、金武ダムに掛かる橋を渡って、左右を緑の木々で縁取られた道をずっと進む。
風が流れていく横で、鳴成がくすくすと笑うのを月落はいじけた風情で睨んだ。
「似合わない言葉に驚きましたか?」
「先生とパリピという単語があまりにも結び付かなくて、瞠目しました。でも、意外と結構正解です。ナイトプールは18時からなんですが、特設のクラブブースができたり、噴水のダンスショーなんかもあるみたいなので」
「……心配になってきました。私が行っても大丈夫でしょうか?おじさんが行くのはとても場違いな気がするんですが」
「暗くて見えないですし、先生はおじさんじゃないので大丈夫です。実は僕もナイトプールは初体験なので、居心地が悪かったら早急に撤退しましょうね」
今度は鳴成が驚く番だ。
きょとんとした鳴成の視線が、月落の方を向く。
「初めてなんですね。てっきり、行き慣れてるんだと思ってました」
「もしや先生の中で僕はパリピ寄りの配置なんですか……?」
「いいえ、そういう訳では。でも、色んなことに手慣れているので経験値は高いんだろうな、と。実際そうですし」
「褒められてます?」
「ええ、とても」
「喜ばしい部分だけを掬って心に留めておきます」
「ポジティブなところが好きです」
「え、先生、もう一回言ってください。何で運転中に……先生、ボイスメモで残したいです!」
「無理です」
焦っても安全運転第一の車は、青空を引き連れて再度海側を走り、沖縄県最大のレジャー施設へと到着した。
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