鳴成准教授は新しいアシスタントを採用しました。実は甘やかし尽くし攻めの御曹司でした。

卯藤ローレン

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三章

12. 丸の内、会員制社交クラブで②

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 奇数月の下旬にスケジュールを合わせてこのクラブで近況報告をするという集まりを、彼らはかれこれ3年続けている。

 日本最大の企業グループ創業者一族の月落、日本全国に店舗を構える創業190年の老舗和菓子匠後継である箱江、そして外食産業最大手ホールディングス御曹司の斎藤は、成人するとすぐに厳格な入会審査を顔パスでの通過を打診された、という裏話を持つ。
 むしろ一時は、店側が入会を頼みに頼み込んだという噂さえ流れたほどだ。

 けれど、彼らは断った。
 ここでなくとも集まれる場所は沢山あったし、何より、市来杏太郎を外して三名で遊ぶという考えがなかったからだ。

 市来は関西ではそこそこ名の知れたファブリックメーカー創業者の孫という立場ではあったが、それはクラブ側のお眼鏡に適う属性ではなかった。
 元々会社を継ぐ気はなく、大学時代から起業することに情熱を燃やしていた彼は、6年前ついにその夢を叶えた。
 大人向けのEdTechアプリを開発し提供するスタートアップ企業を立ち上げると、『生涯学習』の順風に見事に乗ってみるみる業績を伸ばした。
 今やユニコーン企業の大台に片足を乗せていると、その世界で評判は抜きん出ている。

 そして3年前、己の実力一本でクラブの入会審査を通過した市来と同じタイミングで、全員がこのクラブの会員となった。
 月落が渡米していた期間も長期休みのたびに会っては、大学生時代に戻ったような夜を過ごした。
 学生時代と変わったことは、集まるたびにドレスコードを決めて遊んでいること。
 一番テーマから遠かった者がビリとなり、その日の会計を全て持つという罰ゲーム付きだ。

 本日のドレスコードは『限界突破』、斎藤が決めた。

「渉、どうなん?何かジャケットにトリックあったりすんの?」
「ジャケットにはない。あるのは、この中」

 そう言って、長い指で腰のベルトを外していく。
 戒めの解かれたジャケットをはらりと左右に開いて現れた月落の上半身を見た面々は、その薄暗さのせいで初めは何が何だか分からなかった。
 よく見ようと、全員が顔を前に突き出している。

「あ、あんまり見えない?……じゃあ、こうしたら……」

 そう言って着ているシャツを軽く引っ張ると、いよいよ全容のお目見えだ。

「えっっっっ裸?!あいつ裸!」
「や、あれは一応シースルー言うやつやない?裸同然やけど」
「は、破廉恥だ!ちょ、隠しなさい!」

 斎藤の手でジャケットががばりと締められる。
 驚愕して慌てている仲間たちを見ながら、月落は愉快そうに笑う。

「お前、そういうの着るタイプじゃなかったじゃん!どうした?」
「どっちかって言うと聖純やな、そのタイプは」
「いや、僕だって透け透けはさすがに外じゃ着ないよ!」
「ふーん、中では着るんねや」
「ちゃんと限界突破して来ただろ?」
「してるしてる、し過ぎてる。や、もう衝撃が凄すぎて俺の頭沸騰しそう。忘れたいのに、渉のシースルーが目に焼きついて夢に出てきそう」
「創太、キショいこと言うなや。俺の夢にもひょっこりお邪魔して来そうやんか」
「忘れろ、忘れてしまえ、僕の脳……忘れろ……この前会ったコアラちゃんのことを思い出せ……」
「お前はお前で気になるワードぶっこむのやめろ。人か動物か気になるやろ」

 手を伸ばした市来にレオパードの肩をビシリと叩かれる斎藤。
 一応人で……と言いかけたのを「うるさいねん」と黙らせられる。
 シャツを直してジャケットのベルトを締めながら、月落の意識は少しだけ遠い彼方へと飛んでいた。

 いつもならば金曜から土曜にかけて月落の自宅に泊まりにくる年上の恋人だが、土曜に家族行事があるとのことで一日ズレた。
 終わったと夜に連絡を受け取った月落が迎えに行って、そこからの逢瀬となった。

 今日の朝は9時すぎに起きて一緒に朝食を作って食べ、洗い物をして洗濯をして。
 ソファに座りワカモレとチップスをつまみながらゆっくり映画を楽しんで、街へと繰り出した午後。
 向かったのは、ハワイ発祥のカジュアルレストランだった。
 
 アヒポケ、チキンプレート、エッグベネディクト、エベレスト級のホイップクリームが乗ったパンケーキ。
 「凄い量ですね」と言いながら綺麗に食べる鳴成は、月落の視線を独占した。

 そして、18時前。
 今日集まる仲間内で奇抜なドレスコードがあるというのを食事の合間に話すと、興味深々な様子だったのでこれは披露すべきだろうと、一旦品川に帰って服を取ってから南青山へと向かった。
 着替え終わった月落の出で立ちに息を飲んだ鳴成の手を取って悪戯をしていたら、すっかり出発の時刻になってしまって、挨拶もそこそこに慌てて出てきた。
 マナーの範囲内で騒がしくする友人たちの声を遠くに聞きながら、先ほど鳴成に送ったメッセージを確認するけれど、既読になってはいなかった。

 ……いじけてるかな?
 涼やかな目元を朱に染めていた恋人を思い出して、月落はほのかに悪い影を乗せた笑みを浮かべる。

「うん、渉。戻ってきて、渉。その顔はきっと彼氏を思い出してるんだろうけど、今は俺らといる時間だからな?ひとりでどっか行っちゃわないで?」
「ちょいちょい話は聞いてたけど、随分ドハマりしてんねんな。俺、粗いポートレート思い浮かべながら会ったことのない人を話題にすんの嫌やから、そろそろ写真見せてほしいんやけど」
「僕も見せてほしいな、渉。無理やり会わせてほしいとは言わないから、せめて雰囲気だけでも知っておきたいんだよ」

 そう言われて月落がスマホの鳴成フォルダを開いたとき、バーと隣接するラウンジエリアで一際大きな声が上がった。
 四名全員が反射的にその方向へ振り返る。

「昴!こっちこっち!」
「おーごめん、待たせた!」
「早矢香ちゃんも来たんだ」
「はーい、お邪魔します」

 月落たちがこのクラブで集まる際は、奇数月最終週の日曜日が定番である。
 唯一の既婚者で4歳の子持ち、子育て最前線の市来が妻との会議で決めた解放デーが日曜であるため、自然とそうなった。

 けれど先月末は月落の誕生日であり、鳴成との逢瀬を優先したためイレギュラーで今月へと繰り越していた。
 この面子で集まる日は、クラブ側の配慮で特等席が用意されている。
 ベルベットレッドのシングルソファが4脚、正方形のテーブルを囲うようにして配置されたその場所は、どんなに混んでいても空いているのだが、今夜は突然の訪問だったため準備が整わなかったようだ。

 箱江と市来が来る前からその席に座っていた男性二名に男女二名が新規追加されたようで、些か声が大きい。
 社交目的のこういった場では上質なサービスを提供する代わりに、客側にも相応のマナーが要求される。
 周囲に響き渡る声量は控えるべきであるのだが、窺い見るに途中参加組はこれが一軒目ではないようだ。
 ラウンジのスタッフが、視線をちらりと動かす気配がする。

「聖純、あれって一等星ホールディングスの三番目な気しない?」
「うん、昴と言う名前からしてそうだろうね。確か……琴坂昴ことざかすばる、だったかな。創太、他のメンバーは知ってるかい?」
「あの女性が三番目の婚約者だってこと以外は全然知らない」
「左に同じだ」

 情報収集に抜かりなしと言えば聞こえは良いが、単にミーハー気質な箱江と斎藤が小声で会話をする。
 噂好きでない市来と、取るに足らない情報は脳が勝手に削除していく月落は、興味のなさそうな顔をしている。

「渉、ぼんやりしてるけど、前に一等星の新規ホテル開業記念パーティーに招待されて行ってよな?見憶えあるだろ、あの顔」
「うーん、見憶えはあるかもしれないけど記憶にはないかな」
「関心なさすぎ、三番目可哀想すぎ」
「まぁでも気持ちは分かるよ、渉。あの粘度ゼロのさらっとした尖りのなさは、心の何も刺激せずで印象に残りにくそうだからね」
「純日本人なのに骨格しっかりしたお前と比べたら、ほとんどの人間は印象に残らんのよ。そこんとこ、もうそろそろ認識改めよな」

 振り向いていた顔を元の位置に戻して会話を再開した四名に、近づいてきたバーテンダーが頭を下げた。

「あちら側のお席が少々盛り上がっておいでで、お騒がせしております。もしお気になるようでしたらご移動願うことも可能ですので、ご遠慮なくお申しつけください」

 ご移動願う――それは月落たちに対してではない。
 うるさいあちら側にお引き取り願う、と同義である。
 相手は一等星ホールディングスの御曹司とその仲間たちである。
 いくら騒がしいからとはいえ簡単にどかせられる程の小物ではないのだが、店側は阿るつもりはないのだろう。

「いえ、構いません。会話が大いに盛り上がるのは、この場所の意義を思う存分謳歌しているということですから」

 カクテルを飲み干した月落がそう答える。

「お気遣いをありがとうございます。新しいお飲み物をご用意いたします」

 同時に空になった4つのグラスに、バーテンダーが新しいオーダーを取る。

「ジンバックにしよかな」
「俺、もう一回ビールでお願いします」
「僕にはアペロールスプリッツを」
「白ワインください」

 かしこまりました、との言葉と共にすっと空気と同化したバーテンダーは、流れるような仕草で仕事を開始する。
 ラウンジスタッフに目配せをして開いた皿を下げてもらっていると、琴坂昴とその仲間たちはより一層の打ち上がりを迎えたようだった。

「婚約おめでとうってことで、ドンペリでも開けちゃう?」
「お、いいねー!昴、開けちゃおうぜ。早矢香ちゃんに太っ腹なとこ見せようぜ」
「わぁ、ドンペリ!飲んでみたいなぁ」
「いいよ、任せろ。今夜は俺の奢り!」
「昴、キャビアとかもいっちゃう?」
「え、私、キャビア食べたい!」
「任せろ……おい、そこの、聞いてたよな?ドンペリとキャビア、あと何か適当に旨いもん見繕って持ってこい」

 品の欠片もない呼びかけと注文の仕方に、近くにいた男性スタッフは能面のような笑顔を貼りつけて頭を下げた。
 バーカウンターに注文を伝えに来たその顔は度が過ぎるくらいの無表情で、狂気ですらあった。
 鋭利な影を背中に生やしながら、レストランのあるエリアへと去って行く。

「あれ、めっちゃまずいもん出てくるんちゃう?」
「それは最高にエンターテインメントだね。観賞するだけでグラスがひとつ空きそうだ」
「てかさ、一等星の三番目ってあんな軽薄な感じだったか?去年新しく建った新ホテルの支配人に着任したんだったよな?」
「したはしたけど、潔いほどのコネ入社で全く使いものにならないと従業員が嘆いているらしいよ……確かに、バカそうだね」
「兄と姉は優秀なのに残念だな」
「才能も礼儀も常識も、全部吸い取られてしまったようだね」
「お前ら、もうちょい歯に衣着せよな。そんで、渉はもうちょい興味持とな」

 レストランのメニューを開きながらスイーツの項目を凝視している月落に、市来が呆れた声を出す。

「このモンブランズコットと、柿とマスカルポーネのミルフィーユ、誰か分けて食べない?」
「食べる食べる。職業柄、俺は絶対に食べなきゃな」
「僕も頂こう」
「創太、一口分け分けして」
「聖純と俺で分けるでいいよな?じゃあ、2つずつかな」
「お飲み物、お待たせいたしました。お決まりでしたらお伺いいたします」

 グラスを各人の前に置いたバーテンダーが、離れた場所にいたスタッフへと伝える。

 時刻は20時を回ったところ。
 睡眠をないがしろにしてもまだまだ体力の持つ世代の経営者や、時間に余裕のある遊び盛りの後継者たちでクラブは8割方が埋まっている状況だ。
 ゆっくりと酒を飲みに来た者も多く、バーと隣接するラウンジはほぼ満席。
 その中で、先ほど一躍スポットライトを浴びた集団は、抑えるつもりのない騒々しさで一層の注目を浴びている。
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