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アダムとイヴの純愛(5)
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「頭おかしいババアは、ほんっとウザい!」
……声でわかります。私の陰口を叩いていた女子社員たちです。今はお客様への悪口を言っているようなので、気にせずに個室から出ても大丈夫なはずです。それにしても汚い言葉遣い。
「ねー、ところでさぁ伊藤くんって付き合い悪くない?」
しかしどのタイミングで私の悪口が出てくるのかわかったものではありません。と、一瞬迷った途端、伊藤くんの噂話がはじまって私ったら思わず聞き耳を立ててしまいました。
「ああ、わかるわかる! お昼誘っても断るし、てか休憩時間になると消えちゃうし」
「でしょー? 飲み会も来ないし、なんかあたしたちのこと避けてない?」
「せっかくイケメンなのにー」
「ワケわかんないよね」
女子社員たちは身勝手な不満を口々に述べています。……伊藤くん、あなたはこの阿婆擦れたちを避ける為に消えていたのですか?
ふと、自分の子供の頃を思い出しました。うるさいクラスメートと馴れ合うのが嫌で、休み時間はトイレや屋上の鍵がかかったドアの前の踊り場などによく逃げ込んでいたものです。
「なんかさぁ、伊藤くんって根暗なのかもね」
今すぐここから飛び出して、女子社員たちを殴りたい気持ちと同時に、ほっとした安堵感。伊藤くんは売女たちの誘惑に堕ちることはなさそうです。
そのうちに、女子社員たちの去っていく足音が聞こえてきました。やっと個室から出ると、手を洗ってオフィスに戻ります。
ナポリタンを急いで食べながら考えました。もしかすると、伊藤くんは私と似ているのかもしれません。私と同じく、純潔だからこそ孤立しているのかも……明日、思い切って話しかけてみましょう。
だけど、伊藤くんに近寄ろうとしただけで上がってしまう私は、そのまま煩悶としながら一週間を過ごしてしまいました。
このままではいけません。私は恐怖なんかで、ようやく見つけた恋をやすやす捨てるつもりですか?
――明日こそ頑張りましょう。ベランダに出て、両手を組み合わせると星に願います。ああ神様、見守っていてください。
十分間、祈りました。居間に戻ってベッドへ潜り込みます。しかし、今から緊張してしまってなかなか寝つけません。
結局、私は何時に眠れたのでしょうか? 目覚まし時計に起こされても、ベッドから体を起こすことは出来ず、二度寝してしまいました。
はっとした時には遅刻寸前の時刻。慌てふためきながら、身支度を整えてアパートを飛び出します。
……幸先がいきなり不安です。私はいったい何をしているのでしょう?
「もう、やだ……」
はしたないとは思いつつ駅まで全力疾走している最中に、自然とそんな独り言が出てきました。
オフィスに入ると、もうほとんどの社員が出勤していました。何人かが私に注目します。上司には「どうした? 君が時間ぎりぎりに来るなんて珍しい。……あの日で調子が悪いのか?」と、笑われてしまいました。殺意を抑えながら上司に謝ると、タイムカードを押してデスクへと向かいます。
途中、伊藤くんと目が合ってしまいました。恥ずかしさのあまり、涙目になりそうです。
デスクにつくと朝礼を聞き流しながら、バッグに手を入れてお守りに触れました。クッキーの箱を包んでいた、あの若草色の包装紙。当たり前ですが捨てるなんてこと出来なかったので折りたたみ、今日の為のお守りとして持ってきたのです。
正方形の紙を手で包み込むと、羞恥に支配されていた心が段々と落ち着いてきました。伊藤くんを見やります。
――伊藤くん。
恋人になって欲しいなんて、贅沢なことは言いません。ただ、お友達になっていただければそれで充分です。
……最初は見ているだけでも充分だなんて思っていたのに、私ったら貪欲ですね。でもこうしてあなたを見ているだけで、あまりの恋わずらいに胸が苦しくなるのです。その男性とは思えないほど綺麗な色白の肌。一度も染めたことがなさそうな艶やかな黒髪。涼しげな目元。上品な笑みを浮かべる唇。
近づくのが怖い。裏切られるかもしれないから。ああ、でも期待してしまう。メリーゴーランドの恋を借りていったのはやはりあなたなのでしょう? だって、そっくりです。
傘の出来事も運命を感じてしまいました。優しい人なんですね。あなたが休憩時間の度にオフィスから去るのは、売女どもを避ける為だったのですか。私と同じく、汚いものが嫌いなのね。ええ、私もあれは淘汰されればいいと思っています。
伊藤くん、あなたがばら色の日々に出てきた、あのエセ王子様のはずがないですよね? ……ああ、もう私はこんな期待と不安に振り回されるのは嫌です。直接、確認させていただきます。おお! 神よこの欲深く愚かで、哀れな子羊をどうかお救いください……。
午前の休憩時間、伊藤くんはさっとオフィスから出ていってしまいました。短い時間の休憩ですから、私はお昼休みまで機会を待つことにしました。
そして、お昼休み。伊藤くんが出ていきます。私はお守りを握りしめ、意を決すると伊藤くんの後を追ってドアを開けました。社員たちがまばらに行きかっている中、遠くに伊藤くんの背中を見つけました。急ぎ足で近づきます。
伊藤くんはエレベーターの前で歩みを止めました。エレベーターの前には他に待っている人が三人。私もそれにまじって、待つことにしました。
やがてエレベーターの扉は開いて、中にいた数人と入れかわります。扉は静かに閉まり、誰かが一階のボタンを押しました。全員向かうところは同じようで、他にボタンを押す人はいませんでした。
伊藤くんが私のすぐ横にいます。視線だけ動かして伊藤くんの横顔を眺めながら、手の中でくしゃくしゃになっているお守りをそっとポケットに移しました。……私の心音が周りに聞こえていないか、不安です。
扉が開いて、皆一斉にエレベーターから出ます。伊藤くんの背中を追いかけながら、私はいまさらあることに気がついてしまいました。
――どんなタイミングで話しかけたらいいのかしら? いえ、それ以前になんて話しかけたらいいのでしょう?
伊藤くんがガラスドアを開けて、外へ出ます。私はそれに続きながら、ひたすら話す内容を考えました。
ビルから離れて、横断歩道を渡って、色々なお店と看板が並ぶ通りを歩いて……ああ、早くしなければ。でも、まったくいい言葉が思いつきません。
今日はいい天気ですね? ご機嫌いかが? こんにちは……ダメです、どれも急すぎて違和感があります。
もう、私のバカ! こんな大切なことは先に決めておきなさい! これでは、ただ伊藤くんの後をつけているだけじゃないですか。
今日は諦めましょう。そんな弱虫な結論に達して、踵を返そうとした時です。ずっと凝視していた伊藤くんの背中が止まりました。そして、ゆっくりと私に振り返ります。
「……あの、何か?」
ほとんど叫び声で答えていました。
「す、すみませんっ!」
なんで、いきなり謝っているの私!?
「はい?」
伊藤くんが不可解そうに首を傾げて、こちらを見ています。もうダメです。顔が熱くなってきました。視界がぐらつきます。頭の中で次に必要な言葉を必死に探します。けれども、頭の中は真っ白で何も浮かんできません。
「……大丈夫ですか?」
そうこうしている間に、何故か安否を気遣われてしまいました。今、私はそんなに挙動不審に映っているのでしょうか。
何か言わなければ。これ以上、伊藤くんを待たせてはいけません。喉から自動的に迫り上がってくる言葉に任せて、私は喋り出しました。もう、自分でも何を言っているのかわかりません。
「あの、あの、あの……クッキー美味しかったです!」
いまさら、それがどうしたというのでしょう。終わりました。
恥ずかしくて伊藤くんの顔を見られません。思わず、俯いてしまいました。惨めです。
「そうですか。よかったです」
跳ねるように頭を上げました。伊藤くんが微笑んでいます。しかし伊藤くんは、すぐにその微笑を消しました。
「……あの時は、本当にすみませんでした」
「い、いえ! 気にしないでください!」
安堵のあまり、涙腺がゆるみそうになるのを堪えます。そのまま私たちは黙りこくってしまいました。傍を幾人かの人が通り過ぎていきます。
伏し目がちに、伊藤くんが言いました。
「……これから、昼食を取りにいくのですが」
「あ、はい! 邪魔してごめんなさい」
「いえ、よろしければご一緒しませんか?」
一瞬、その言葉の意味がわかりませんでした。
「は、は、はい!」
返事をした直後、オフィスにバッグを忘れてきたことを思い出しました。
「すみません。私、オフィスにバッグを置いてきてしまって……お金が」
「大丈夫です。僕が払いますよ」
「そんなっ、悪いです」
これは予想もしていなかった、凄い展開です。ですが、伊藤くんに迷惑をかけてしまいます。
「気にしないでください。男の役目です」
「でも……」
「僕と一緒が嫌なら、仕方ないですけど」
伊藤くんの声色がわずかに悲しそうでした。私はまたもや、反射的に叫んでいました。
「そんなわけないです!」
あ。やだ、私ったら。伊藤くんはきょとんとしつつ、また微笑んでくれました。
「そうですか。よかったです」
――伊藤くんのお言葉に甘えることにしました。バッグの中には確かコンビニのオムライスを入れていましたが、夕食にします。
これは夢ではないですよね? 私、伊藤くんの隣を歩いています。伊藤くんについていくと、寂しげな雰囲気の路地裏に入りました。小汚いお店が並んでいる中、手書きの看板を掲げて、入り口にはコスモスを飾ったお洒落なカフェーが一軒だけありました。
伊藤くんは足を止めて「ここです」と告げると、カフェーの木製のドアを開けます。店内に入れば、たぶん店長だと思われる老紳士が物静かな接客をしてくれました。
……声でわかります。私の陰口を叩いていた女子社員たちです。今はお客様への悪口を言っているようなので、気にせずに個室から出ても大丈夫なはずです。それにしても汚い言葉遣い。
「ねー、ところでさぁ伊藤くんって付き合い悪くない?」
しかしどのタイミングで私の悪口が出てくるのかわかったものではありません。と、一瞬迷った途端、伊藤くんの噂話がはじまって私ったら思わず聞き耳を立ててしまいました。
「ああ、わかるわかる! お昼誘っても断るし、てか休憩時間になると消えちゃうし」
「でしょー? 飲み会も来ないし、なんかあたしたちのこと避けてない?」
「せっかくイケメンなのにー」
「ワケわかんないよね」
女子社員たちは身勝手な不満を口々に述べています。……伊藤くん、あなたはこの阿婆擦れたちを避ける為に消えていたのですか?
ふと、自分の子供の頃を思い出しました。うるさいクラスメートと馴れ合うのが嫌で、休み時間はトイレや屋上の鍵がかかったドアの前の踊り場などによく逃げ込んでいたものです。
「なんかさぁ、伊藤くんって根暗なのかもね」
今すぐここから飛び出して、女子社員たちを殴りたい気持ちと同時に、ほっとした安堵感。伊藤くんは売女たちの誘惑に堕ちることはなさそうです。
そのうちに、女子社員たちの去っていく足音が聞こえてきました。やっと個室から出ると、手を洗ってオフィスに戻ります。
ナポリタンを急いで食べながら考えました。もしかすると、伊藤くんは私と似ているのかもしれません。私と同じく、純潔だからこそ孤立しているのかも……明日、思い切って話しかけてみましょう。
だけど、伊藤くんに近寄ろうとしただけで上がってしまう私は、そのまま煩悶としながら一週間を過ごしてしまいました。
このままではいけません。私は恐怖なんかで、ようやく見つけた恋をやすやす捨てるつもりですか?
――明日こそ頑張りましょう。ベランダに出て、両手を組み合わせると星に願います。ああ神様、見守っていてください。
十分間、祈りました。居間に戻ってベッドへ潜り込みます。しかし、今から緊張してしまってなかなか寝つけません。
結局、私は何時に眠れたのでしょうか? 目覚まし時計に起こされても、ベッドから体を起こすことは出来ず、二度寝してしまいました。
はっとした時には遅刻寸前の時刻。慌てふためきながら、身支度を整えてアパートを飛び出します。
……幸先がいきなり不安です。私はいったい何をしているのでしょう?
「もう、やだ……」
はしたないとは思いつつ駅まで全力疾走している最中に、自然とそんな独り言が出てきました。
オフィスに入ると、もうほとんどの社員が出勤していました。何人かが私に注目します。上司には「どうした? 君が時間ぎりぎりに来るなんて珍しい。……あの日で調子が悪いのか?」と、笑われてしまいました。殺意を抑えながら上司に謝ると、タイムカードを押してデスクへと向かいます。
途中、伊藤くんと目が合ってしまいました。恥ずかしさのあまり、涙目になりそうです。
デスクにつくと朝礼を聞き流しながら、バッグに手を入れてお守りに触れました。クッキーの箱を包んでいた、あの若草色の包装紙。当たり前ですが捨てるなんてこと出来なかったので折りたたみ、今日の為のお守りとして持ってきたのです。
正方形の紙を手で包み込むと、羞恥に支配されていた心が段々と落ち着いてきました。伊藤くんを見やります。
――伊藤くん。
恋人になって欲しいなんて、贅沢なことは言いません。ただ、お友達になっていただければそれで充分です。
……最初は見ているだけでも充分だなんて思っていたのに、私ったら貪欲ですね。でもこうしてあなたを見ているだけで、あまりの恋わずらいに胸が苦しくなるのです。その男性とは思えないほど綺麗な色白の肌。一度も染めたことがなさそうな艶やかな黒髪。涼しげな目元。上品な笑みを浮かべる唇。
近づくのが怖い。裏切られるかもしれないから。ああ、でも期待してしまう。メリーゴーランドの恋を借りていったのはやはりあなたなのでしょう? だって、そっくりです。
傘の出来事も運命を感じてしまいました。優しい人なんですね。あなたが休憩時間の度にオフィスから去るのは、売女どもを避ける為だったのですか。私と同じく、汚いものが嫌いなのね。ええ、私もあれは淘汰されればいいと思っています。
伊藤くん、あなたがばら色の日々に出てきた、あのエセ王子様のはずがないですよね? ……ああ、もう私はこんな期待と不安に振り回されるのは嫌です。直接、確認させていただきます。おお! 神よこの欲深く愚かで、哀れな子羊をどうかお救いください……。
午前の休憩時間、伊藤くんはさっとオフィスから出ていってしまいました。短い時間の休憩ですから、私はお昼休みまで機会を待つことにしました。
そして、お昼休み。伊藤くんが出ていきます。私はお守りを握りしめ、意を決すると伊藤くんの後を追ってドアを開けました。社員たちがまばらに行きかっている中、遠くに伊藤くんの背中を見つけました。急ぎ足で近づきます。
伊藤くんはエレベーターの前で歩みを止めました。エレベーターの前には他に待っている人が三人。私もそれにまじって、待つことにしました。
やがてエレベーターの扉は開いて、中にいた数人と入れかわります。扉は静かに閉まり、誰かが一階のボタンを押しました。全員向かうところは同じようで、他にボタンを押す人はいませんでした。
伊藤くんが私のすぐ横にいます。視線だけ動かして伊藤くんの横顔を眺めながら、手の中でくしゃくしゃになっているお守りをそっとポケットに移しました。……私の心音が周りに聞こえていないか、不安です。
扉が開いて、皆一斉にエレベーターから出ます。伊藤くんの背中を追いかけながら、私はいまさらあることに気がついてしまいました。
――どんなタイミングで話しかけたらいいのかしら? いえ、それ以前になんて話しかけたらいいのでしょう?
伊藤くんがガラスドアを開けて、外へ出ます。私はそれに続きながら、ひたすら話す内容を考えました。
ビルから離れて、横断歩道を渡って、色々なお店と看板が並ぶ通りを歩いて……ああ、早くしなければ。でも、まったくいい言葉が思いつきません。
今日はいい天気ですね? ご機嫌いかが? こんにちは……ダメです、どれも急すぎて違和感があります。
もう、私のバカ! こんな大切なことは先に決めておきなさい! これでは、ただ伊藤くんの後をつけているだけじゃないですか。
今日は諦めましょう。そんな弱虫な結論に達して、踵を返そうとした時です。ずっと凝視していた伊藤くんの背中が止まりました。そして、ゆっくりと私に振り返ります。
「……あの、何か?」
ほとんど叫び声で答えていました。
「す、すみませんっ!」
なんで、いきなり謝っているの私!?
「はい?」
伊藤くんが不可解そうに首を傾げて、こちらを見ています。もうダメです。顔が熱くなってきました。視界がぐらつきます。頭の中で次に必要な言葉を必死に探します。けれども、頭の中は真っ白で何も浮かんできません。
「……大丈夫ですか?」
そうこうしている間に、何故か安否を気遣われてしまいました。今、私はそんなに挙動不審に映っているのでしょうか。
何か言わなければ。これ以上、伊藤くんを待たせてはいけません。喉から自動的に迫り上がってくる言葉に任せて、私は喋り出しました。もう、自分でも何を言っているのかわかりません。
「あの、あの、あの……クッキー美味しかったです!」
いまさら、それがどうしたというのでしょう。終わりました。
恥ずかしくて伊藤くんの顔を見られません。思わず、俯いてしまいました。惨めです。
「そうですか。よかったです」
跳ねるように頭を上げました。伊藤くんが微笑んでいます。しかし伊藤くんは、すぐにその微笑を消しました。
「……あの時は、本当にすみませんでした」
「い、いえ! 気にしないでください!」
安堵のあまり、涙腺がゆるみそうになるのを堪えます。そのまま私たちは黙りこくってしまいました。傍を幾人かの人が通り過ぎていきます。
伏し目がちに、伊藤くんが言いました。
「……これから、昼食を取りにいくのですが」
「あ、はい! 邪魔してごめんなさい」
「いえ、よろしければご一緒しませんか?」
一瞬、その言葉の意味がわかりませんでした。
「は、は、はい!」
返事をした直後、オフィスにバッグを忘れてきたことを思い出しました。
「すみません。私、オフィスにバッグを置いてきてしまって……お金が」
「大丈夫です。僕が払いますよ」
「そんなっ、悪いです」
これは予想もしていなかった、凄い展開です。ですが、伊藤くんに迷惑をかけてしまいます。
「気にしないでください。男の役目です」
「でも……」
「僕と一緒が嫌なら、仕方ないですけど」
伊藤くんの声色がわずかに悲しそうでした。私はまたもや、反射的に叫んでいました。
「そんなわけないです!」
あ。やだ、私ったら。伊藤くんはきょとんとしつつ、また微笑んでくれました。
「そうですか。よかったです」
――伊藤くんのお言葉に甘えることにしました。バッグの中には確かコンビニのオムライスを入れていましたが、夕食にします。
これは夢ではないですよね? 私、伊藤くんの隣を歩いています。伊藤くんについていくと、寂しげな雰囲気の路地裏に入りました。小汚いお店が並んでいる中、手書きの看板を掲げて、入り口にはコスモスを飾ったお洒落なカフェーが一軒だけありました。
伊藤くんは足を止めて「ここです」と告げると、カフェーの木製のドアを開けます。店内に入れば、たぶん店長だと思われる老紳士が物静かな接客をしてくれました。
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