【本編完結済】未来樹 -Mirage-

詠月初香

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1章

1歳 -火の陽月1-

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「あ……っっっつい……」

おもわず私から零れ落ちる言葉と汗。火の陽月も終わりに近づき火の極日が目前に迫ってくると、強すぎる日差しが恨めしく感じてしまいます。今いる場所は湖のほとりなので風は涼しめなのですが、直射日光が憎いっ!

例の見た目は巨大はまぐり・中身は平貝タイラギな二枚貝の貝殻に湖の水を入れた簡易幼児プールで遊んでいたのですが、水があっという間にぬるく程の日射です。

「あらあら、じゃぁ一度日陰に戻りましょうね」

そう言って私を抱き上げてくれた母上は、去年の火の月に比べて少し日焼けしているように思います。これはビタミンの補給を今まで以上に促さねば!

水の陰月の半ば頃から、日焼け対策として朝ごはんの後のデザートで木苺を食べるようにしたり、逆に柚子を使ったシロップ等は夜に採るようにしたりして日焼け対策をしていたのですが、これからは更にビタミン補給を心がけないと駄目かもしれません。前世でお祖母ちゃんがその手の健康番組が好きで良く見ていたのですが、私はチラリと見る程度でちゃんと見ていなかったんですよね。今晩にでもフレーム映像で再確認しておかねば……。

心配なのは、こちらの世界でも同じ対策で良いのかという点と、同じような栄養が含まれているのか……という点ですかね。

その辺りは自分の体で実験していくしかなさそうです。


そんな事を想いながら母上に抱かれて戻ったのは、叔父上と山吹が木材と布で簡単に作ってくれた日除けテント。そこに座ってキラキラと輝く湖を見れば、兄上が叔父上に泳ぎを教わっている最中です。これも兄上の体力づくりの一環で、叔父上に手を握ってもらいながらバタ足で泳ぐ練習をしている兄上は、元気よく水しぶきを上げています。

その光景を見ながら(あぁ、良かった……)としみじみと思ってしまうのは、水の極日に巻き起こった騒動を思い出したからです。




地底湖に落下した私は、水の極日の間、熱を出し続ける羽目になりました。勿論、意識が朦朧とするような高熱は最初の数日だけでしたが、なかなか熱が下がりきらず。母上によってウォーターベッド御帳台から出る事を禁止されてしまい、ようやく出ても大丈夫という許可が出たのは、水の陰月に入ってだいぶたった頃でした。

兄上も3日程度とはいえ熱を出してしまい、山吹に至っては完全回復したのは水の陰月も半ばを過ぎた頃。金さんの見立てでは骨折はしていないという事でしたが、誰よりも回復が遅かった事などを考えると、ヒビぐらいは入っていたんじゃないかと今更ながらに思っています。まぁ、熱がある程度まで下がったところで活動開始してしまったのが長引いた主な理由な気もしますが……。

母上やつるばみは、怪我人と病人が大量発生した事で看病にてんてこ舞いだったようです。

そんな最中に戻ってきた叔父上。最初は「何があった!」と取り乱してしまいました。どうも自分が居ない間に襲撃されたのかと思ったようです。でも、その割には家屋が全く無傷だったのですぐに落ち着いてくれましたが……。


叔父上が戻った所で、大人4人は家族会議を開催しました。それにオブザーバーとして参加したのが、私の中で1旬間程眠りについて回復した浦さんをはじめとした三太郎さんたち。三太郎さんたちは、余程の事でない限り口を出すつもりはなく……。たんに後で私と情報共有するための参加です。合計7人による家族会議は、休憩やその他を挟みつつ数日に渡って行われました。

私はその都度、三太郎さん経由で話を聞いていたのですが……。
「全ての元凶は山吹だ!」と言うのは簡単ですが、そんな簡単な問題じゃないよねというのが結論です。

母上の言葉を借りれば

「山吹は真面目な努力家だけれど融通が利かず、
 少し意固地な所がある事は知ってはいました。
 ですが、それと同時に子供にはとても優しい事も知っていたはずなのです。
 その山吹があのような言動をするまでに追い詰められていた事を
 私達はもっと早くに気付いて然るべきでした」

という感じで……。

山吹の本来の性格は堅物だけれど、女子供や弱者にとても優しいものだったそうです。ところが様々な原因が重なった結果、マイナス点だけが増強されていた1年だった……と。そして本来ならばそれを注意したり、抑えたりするべき周りの大人も自分の事だけで手いっぱいになり、山吹のフォローがしきれていなかった……。

そして、それらの原因は碧宮襲撃に端を発する物が大半なのですが、実はそれ以外にもある事が今回の会議で解りました。

碧宮家は母上の父親の代で終わる予定でした。なので本来であれば上級華族だけが持つことができる護衛兼侍従の随身を、叔父上が持っている事はおかしいのです。ですが山吹は間違いなく叔父上の随身としてここに居ます。

それは山吹の父で橡の夫のくぬぎの強い要望です。

山吹以上に碧宮家に忠誠を誓っていた椚は、もはや碧宮家至上主義といって良い程の心酔ぷりだったらしく……。碧宮家当主に何度も宮家の存続を訴えたり、華族ではなくなる叔父上にも華族としての教育を施したりしていたそうです。

華族としての知識や所作を身に着けておけば後々仕事などで役立つだろうと、叔父上への教育自体は咎められる事なく行われていたそうなのですが、その教育を兄上にもするように山吹に厳命していたそうで……。これに関しては母上も橡も初耳だったらしく、橡が「あの人はっっ!」と怒ってしまいました。


この1年。逃げおおせる事、生き延びる事だけで手いっぱいだった母上たちも、三太郎さんが作ってくれたこの家で安全で快適に過ごし始めた事によって、生活にも精神的にも余裕ができました。そこで改めて今後の事を相談したのだそうです。

「山吹が苦しんでいたことに気付かなくて、ごめんなさい……。
 でも例え襲撃犯が捕まっていようと、安全が確保されていようと
 天都に戻る気はありません。槐や櫻も戻させません。
 私は三太郎様が許してくださる限り、
 ここで子供たちや鬱金、橡や山吹と共に暮らしていきたい……。
 そして、亡くなった方が心安らかであらん事を祈り続けたい。
 もう……碧宮の姫沙羅という存在は過去のモノなのです」

そう母上が言えば、続いて叔父上も

「私もそれで良いと思う。元々、碧宮家は父上の代で終わる予定だったのだ。
 私にとって大事な事は、子供たちが笑顔で元気に育つ事。
 勿論、姉上や橡、そして山吹が心身ともに健やかである事、ただそれだけだ。
 槐や櫻への教育は、一般的な平民が受ける程度の教育で良いと思う。
 子供たちがそれ以上を望むのならば別だが……
 それは子供たちがもっと大きくなってから考えれば良い事だ」

と碧宮の血を引く二人が揃って碧宮の復興を目指さない事を明言した事で、碧宮家の歴史が終わった事が確定しました。それを聞いた山吹はガクッと項垂れたかと思うと、小さく肩を震わせ始めたそうです。

でも、それは悔しいとか悲しいとか、そういった負の感情からのものではなく、重荷ともいえる重圧から解放されたがゆえの涙だったようで……。

それは全てを独りで背負って、全てを独りで守ろうとしていた山吹が、自分独りで頑張らなくても良いのだと、ようやく理解できた瞬間でした。橡が、まるで幼子おさなごにするようにそっと山吹に寄り添っていた事が印象的だったそうです。


こうして水の極日に始まった騒動は、兄上が山吹と私にあの日の言動を、山吹が兄上と私に今までの言動を謝罪する事によって、水の陰月が終わる頃に完全に終結しました。あの日は私達だけではなく、母上も叔父上も、みんながそれぞれに謝った日でした。




そうやって水の極日の頃を思い出しながら、ぬるい葛の葉茶をゆっくりと飲んでいたら、金さんと浦さんがやってきました。二人とも大荷物です。

「頼まれていた物を持ってきましたよ」

そう言って浦さんが差し出してくれたのは、大量の竹炭と冷蔵庫にしまってあったお野菜やお肉。他にも幾つかの琺瑯ほうろうの保存容器を大きな籠に入れて持ってきてくれました。見た目に反して浦さんもとても力持ちです。浦さんの言葉に反応して

めしだっ!!」

と言って私の中から飛び出してきたのは桃さんです。湖のすぐ傍に居るのはどうにも落ち着かないと言って、ずっと私の中にいた桃さん。以前に一度、貝を採るために湖に潜ってもらった事があるので、ちょっと警戒しているのかもしれません。

「あい、ごあんれすご飯です!」

今日の昼食は外でバーベキューをする事にしていました。金さんにお願いしてバーベキューコンロは前もって作ってもらっています。サイズは前世ではちょっと見ないレベルの巨大なバーベキューコンロです。ドラム缶を縦に真っ二つにしたのを縦長に繋げた大きさよりも、更にもう一回りぐらい大きいと思います。

なにせ大人7人に子供2人という大人数に加えて、男性だけでなく女性もびっくりするぐらいに良く食べるので、これぐらいのサイズが最低限ないと焼くのが追いつかないだろうという判断です。

そんな巨大なコンロを金さんが担いできてくれました。本当なら金さんは今頃、三太郎さんが交代で行っている技能収集に向かっている最中だったのですが、今日だけは絶対に戻ってくるからと言って、念を押して出かけて行ったのです。そして有言実行とばかりに昨日戻ってきました。それほどまでに金さんが固執している理由が、このバーベキューにあります。

まず、第一の理由がバーベキューという食事形態。
此方の世界では、こういった形式で食事をとる事はないのだそうです。

そして他にも大きな理由があって……

「ようやく、このタレってやつを試せるな!」

と桃さんがタレの入った容器を受け取ると、それを渡した方の浦さんも

「タレも良いですが、竹醤も絶対に試さなくては!」

と力説します。何時もと違って浦さんのテンションがかなり高いです。数日前から試行錯誤して作り上げたこのタレは、竹醤と共に家族には今回が初お披露目の調味料です。

この拠点近くで見つけた梨(とよく似た味の果物)を摺り下ろして竹醤に混ぜ、他にも同じく山で見つけた山蒜やまびるというニンニクのような風味の葉を刻んだ物や、長期保存が可能な為に買ってきてあった丸ネギ(玉ねぎようなモノ)の摺り下ろしと、他にもいくつかの素材を混ぜたソレは、前世ではお馴染みの焼肉のタレを再現したものです。加熱した時にすぐに焦げてしまったり、甘味のバランス等の配合に色々と悩んだりしましたが、その甲斐あって満足のいく仕上がりになりました。


三太郎さんと母上がバーベキューの準備を始めていると、兄上が湖から上がってきて合流し、少し離れた場所で釣りをしていた山吹も釣果を手に合流。更に少し遅れて橡も手に桃と大量のおにぎりが入った手提げを一つ持っての合流です。それにしてもこの世界の桃は本当に中に赤ちゃん桃太郎が入ってるんじゃないのかと思うぐらいのサイズで、一つあれば全員が食べられるぐらいの大きさなのです。相変わらず大きい事は良い事だを地で行く世界です。

一番遅れて合流した叔父上は、手に例の巨大な二枚貝を持っていました。それを母上から渡された小刀でサクッと開けて解体を始めます。

思わずサッと顔を逸らしたのは、言うまでもありません。

「このヒモの部分はどうされますか?」

と叔父上が三太郎さんたちに尋ねますが、私は目玉がびっしりとあったあの絵面を思い出してしまって、恐ろしくてそちらを向けません。

「あぁ、それは釣の餌にすれば良いと思いますよ。
 食べるのには向かないでしょうし……」

そう言って浦さんが私の視界から隠すように前に立ってくれました。

ありがとう浦さん!

そうしている間にも竹炭に火がつけられ、第一陣のお肉が乗せられジュゥーーと良い音が聞こえます。コンロには着火の霊石が組み込んであるので火起こしも簡単です。最初に乗せられたのは雁のお肉でタレと塩の2種。それに野菜が加わり、叔父上がとってくれた直径50cmはありそうな巨大な貝柱が加わります。

貝柱はそのまま焼くのではなく下に貝殻を敷きたいのですが、本来の貝殻では大きすぎる上に分厚すぎて不向きです。仕方がないので、これまた金さんに前もって貝殻の加工をお願いし、網の上で焼く用の直径20cm程度の貝殻製のお皿を10枚弱作ってもらいました。そのうちの2枚を網の上に置いて適当なサイズに切った貝柱を乗せます。そうして少し待てば貝柱から汁気が出て、その白濁した旨味たっぷりな液体がフツフツと泡立ってきました。そうしたらそこに竹醤をジャッという音をさせながら回し入れます。

というのを桃さんにお願いしてやってもらいました。
本当は自分でやりたいのですが、危ないからとさせてもらえませんでした……。

タレや竹醤が熱せられたり火に炙られたりして、辺りに得も言われぬ良い匂いが立ち込めます。知らず知らずのうちに涎が溢れ出てきてしまって、恥ずかしいことに涎が垂れてしまいそうになりました。

問題は母上たち、この世界の人に受け入れられる香りなのかどうかという事なのですが、すぐ横で兄上のお腹が「ぐぅぅぅぅぅ~~」と盛大になったところをみると大丈夫なようです。

「これは……、随分と良い匂いですね」

と山吹が自分が釣った魚の下処理を終えて、串に刺してから持ってきました。それを火から少し遠い場所に置いてじっくりと焼く算段のようです。

「この2つの調味料は初めてみますが、何で作られているのですか?」

台所を取り仕切る事の多い橡が、容器の中を覗き込みながら聞きます。

「色々混ぜてありますよ。
 先日、見つけた梨や山蒜、それに丸ネギに胡麻や油と色々です」

そう答えたのは浦さん。私が発案して作っているという事は、今でも内緒のままです。時々竹醤をかき混ぜている姿は見られていますが、それはお手伝いをしているというていを装っています。なのでここでも答えるのは三太郎さんです。

「母上、もうたべてもよいですかっ!!」

兄上が待ちきれないのか、手に竹を縦に割って作ったお皿とお箸を持ってソワソワとし始めました。気持ちはとっても良く分かります。こんな良い匂いを前にして、お預けは肉体的にも精神的にも苦痛極まりありません。

まずは火の通りの早かった貝柱から。竹醤の焦げた匂いが食欲をそそります。橡が皆のお皿に一切れずつ入れてくれ、それから皆で揃って

「いただきます」

と言ってから口に入れました。その途端に皆の動きがピタリと止まります。あまりにみんなが揃って動きを止めるので、驚いてしまって貝柱を味わうどころじゃありません。

(えっ?! 口に合わなかった? やっぱり駄目だった?)

とオロオロと狼狽える私の前で、橡が素早くコンロの上に残っていた焼き貝柱を皆に取り分け、母上が網の上に焼き用貝皿を全て並べて貝柱をどんどん投入します。

「おいしーーーーーーーっっっ!!!」

と横で兄上が空に向かって叫びだして、驚いてビクッと身体を震わせてしまいました。叫んで満足した兄上はすぐさま二切れ目も口に押し込みます。

「これは……酒が欲しくなるな」

と言いだしたのは金さんです。一応、林檎の蒸留酒を持ってきてはいるのですが、まずは先にタレと竹醤をしっかりと味わってからにしてほしいとお願いしてあるのです。だって酔って味が解らなかったら、改善ができませんからね。

それにしても竹醤。恐るべし……。
皆が美味しく食べてくれている事が解って、私も安心して味わっていますが……。これ美味しいですよ。すっごく美味しいです。

竹醤は知識としては知っていましたが、当然自分で作った事なんてありません。上手くいくかどうか賭けのような気持ちでしたが、その賭けに大勝ちしました。

フレーム映像に残っていた知識では、チロシンと呼ばれるアミノ酸の一種がメラニンに変化して黒い液体になると言っていたのだけれど、私が作ったモノはどれもが何時まで経ってもタケノコ色か薄い琥珀色にしかならず……。失敗かもしれないと思いながらも諦めきれず、恐る恐る味見をしてみたら美味しかったんですよ。

そもそも肝心の竹も、採取をしたあの時の私は気づかなかったのですが、竹の葉の先が2つに分かれている……桜の花びらをうんと縦に伸ばした感じの葉っぱで、厳密にいえば私が知っている竹では無かったのです。でもこの世界で竹といえばアレで間違いないらしく……。そんな些細な所にも異世界との差がありました。

何にしても、上手くいって良かったぁ……。と母上に小さく切ってもらった貝柱を飲み込みます。

「はぁ……おいちぃ……」

金さんはお酒が欲しくなると言いますが、私としてはご飯が欲しくなります。出来れば白米が良いのですが、この世界には無いので仕方ありません。橡から貰った私用の小さいサイズの黒いおにぎりを食べていると、貝柱に比べれば火の通りに時間のかかるお肉も焼きあがりました。

匂いが!! 焦げ目が!!! 滴る油が!!!!

もう、何もかもが凶悪です。これは速攻で退治しないと駄目な奴ですっ。
母上が私用に小さく切ってくれて、更に熱くないようにふーふーとして冷ましてくれますが、もう待ちきれません。

「あーーーーん」

と口を開けて食べさせてーとアピールしたら、母上は一瞬びっくりしたような顔をしてから、嬉しそうに笑って私の口にお肉を入れてくれました。

「あっ、これ……」

美味しいと言いたかったのですが、もう味わうことに集中しちゃって何も言葉が出てきません。梨の量、あれで大正解だったなぁとか、油はもう少し減らしても良いかもしれないとか改善策が頭に溢れますが、それ以上に涎と食欲が溢れ出して止まりません。

ジュゥゥゥー!!

という激しく油がはぜる音にハッとバーベキューコンロを見れば、今度は叔父上と山吹がすごい勢いでお肉を焼き始めました。みんながタレの味が苦手だった場合を想定して、タレにお肉を漬け込むのではなく、焼鳥のようの焼いている途中で何度かタレに漬ける方式にしたのですが、叔父上と山吹がアイコンタクトすらせずに阿吽の呼吸で協力してお肉を焼き上げていきます。そして焼きあがったところをすかさず食べる桃さん。これは積極的に食べに行かないと、全部桃さんに食べられてしまうかもしれません。

その横では塩だけで焼き上げたお肉を食べた浦さんが、カッ!!と開眼しています。パリッとした皮、そこから溢れる肉汁と塩の味。これはこれで良いものです。

<櫻、もう良いであろう?
 みなが竹醤もタレも美味しく食べている。
 我もちゃんと味わって食べた>

そう言って私に熱視線を送ってくる金さんの手には、林檎の蒸留酒……それも蒸留を重ねたかなり強いお酒が入ったコップが握られています。そんな金さんにゆっくり頷いてGOサインを出すと、クイッとコップを煽って一気にお酒を飲んでしまいました。




沢山のお肉や貝柱や魚は、塩や竹醤やタレに彩られてあっという間にみんなのお腹の中に消えていきました。野菜もタレや竹醤で味付けをすると、塩だけで味付けした物に比べて兄上にも食べやすかったらしく、野菜嫌いだった兄上もしっかりと食べてくれました。シメにはおにぎりの残りに竹醤を塗って焼きおにぎりを作って食べ、みんなが大満足の昼食となりました。

デザートの桃もしっかりと食べた私と兄上は、お腹がいっぱいになって母上の両脇でウトウトとしはじめてしまいました。最近の兄上はお昼寝をしなくなっていたのですが、今日は泳ぎ疲れたのでしょう。そして私はまだまだお昼寝が必要な年齢なので仕方ありません。

そんな夢うつつの中で母上が

「私たち……。橡や山吹、鬱金に槐に櫻。
 そして恐れ多くも金様や浦様、桃様。
 みんなで一つの家族になったようですね」

と穏やかに微笑み、私と兄上の頭を撫でながら言っているのを見たのでした。
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