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1弾
第2話 祝いと脅威
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「昨日は散々だった…」
村に朝日が指すと、ジュンの部屋全体も明るく照らす。
その朝日の明るさとは違い、ジュンの顔は暗くなっていた。
あの後、イワシから勝負を申し込みが止むことはなく、仕方なく勝負を受ける。
イワシの攻撃をただ避けるだけで、相手の体力が無くなり引き分けという形で終わった。
ゴールディンは二人の戦いを途中まで見ていたが、飽きたらしく開始5分後には姿が見えなくなっていた。
ヒナタは戦いを見守っていたが、山から現れた猫に夢中になっており、気が付くと何処かへ行っていた。
「今日は俺の誕生日か…父さん。今日はこれの練習をしてもいいよね?」
ジュンはそういうと、ある男性の写真立ての前に置かれていた拳銃と白いハチマキを手に取った。
彼はジュン・ブライド。ブランド・ブライドの子供で、ツンツン頭は父に似ていた。
「おはよう、夜に誕生日会が始まるから、それまで修行してくるんでしょ?」
台所で女性がジュンの顔を見ながら聞いてきた。カナ・ブライドは綺麗な長い黄色い髪をかきわけながら、朝食の皿を机に用意した。
「うん」
その一言だけ呟き頷くと用意された朝食を平らげ、玄関を出ていった。
昨日の山に行き、修行を行うのはジュンにとっていつもの日課になっている。
「待ってたぜ!」
その日課を崩すように、ジュンの目の前にイワシが立ちふさがる。
「待たなくていいよ…」
面倒くさそうに横を過ぎると、イワシはジュンの肩を握る。
「昨日の決着を付けようぜ!」
「昨日の勝負は体力が無くなったお前の負けだろ…」
無意識に言った言葉に我に戻ったジュンは心の中で『しまった!』と叫んだ。
ジュンの肩を握っていたイワシの腕は少しずつ震え出していた。ジュンは恐る恐る振り返ると同時にイワシは叫んだ。
「俺は負けてない!負けたなんて言ってない!」
そう言いながら、ジュンの肩から腕に手を持ち替えて、そのまま昨日の山まで引きずられていく。
「おはよ、ジュンのお母さん!」
ジュンが出て行って数分後にヒナタは挨拶と共に玄関から入ってきた。
「あら、おはようヒナタちゃん。ジュンならさっき出て行ったばかりよ」
「うん、だから今のうちに誕生会の準備をしようと思って来たんだ!」
背負ってきたリュックサックから色々とパーティーグッズを出しながら、カナに返答していた。
ジュンの家から少し離れた村の入り口で高齢の男性二人が片手に酒を持ちながら話していた。
「今日はブライトの子供が誕生日を迎える日だな」
「いくつになるんだ?」
「さぁな。16か17じゃないのか?」
「おー、もうそんなに成長してたのか?」
「じゃあ、あの事件から10年以上は過ぎて…」
「おい!その事は口外しない内容だったろ!」
「おー。そうだった!ん?見てみろ!ジュレップの子供がまたブライトの子供に勝負を仕掛けてるぞ!あれは近くの山に行くみたいだな」
「若いっていいもんだな」
お互いが会話をしている中、村の入り口に赤いヒールを履いた女性が茶色いローブを纏い現れた。
「勝負は昨日と同様に先に負けたと言ったら、負けだからな!」
ジュンが昨日修行していた場所に着くとイワシはジュンと距離を置き、人差し指を指して言葉を放った。
指された本人のジュンは明らかに面倒くさいと言わんばかりの表情になっていた。
「これで勝った方はヒナタと村一番の称号を与えてやる」
ジュンの表情を見てないのかわからないが、話をどんどん進めていくイワシに呆れていた。
「どっちも要らないって昨日言ったの忘れたのか?」
この言葉を言っても無駄だと思いながら、イワシに言うが、イワシのやる気に変わりはなかった。
「さぁ、どこからでもかかってこい!」
「会話が成り立たない…」
「ヒナタちゃんはウチの子のどんな所が好きなの?」
家の飾り付けをしながら、カナはヒナタに話しかけた。
話しかけられた本人であるヒナタはその言葉に手だけでなく体全体が一瞬固まった。
「え?え?なんで知って…じゃなかった。そう思うの?」
「そりゃ見てたら思ってたけど、違ったかしら?」
「違くないよ!めちゃくちゃジュンのこと好きだよ!」
持っていた飾り付けをクシャクシャにするくらい力を入れて否定するが、言った後に我に戻り、赤面してうつ向いてしまう。
その動きにカナは口で少し笑うとヒナタの頭を軽く撫でた。
「あの子も幸せ者ね。こんな可愛い子から好意を寄せられているなんてね。じゃあ、今日はしっかりと祝ってあげないとね」
「うん!」
先ほどまで赤面でうつ向いていたが、カナの言葉に反応して1番の笑顔を向けた。
「今日はどっちが勝つか賭けをしようや」
「ええね、じゃあ儂はブライトの坊主が勝つ方に賭けるわ」
「じゃあ、儂も!」
「それだと賭けにならんじゃろ」
「じゃあ、私は村全部が崩壊する方に賭けるわ」
高笑いする二人の側にいつの間にか赤いハイヒールの女性が立っていた。
その言葉に驚きながら二人とも顔を向けると、いつの間にか身体全身が石化していた。
その女性は二人の側を通りながら呟く。
「今度こそテイクオーバーを頂くわ…」
村に朝日が指すと、ジュンの部屋全体も明るく照らす。
その朝日の明るさとは違い、ジュンの顔は暗くなっていた。
あの後、イワシから勝負を申し込みが止むことはなく、仕方なく勝負を受ける。
イワシの攻撃をただ避けるだけで、相手の体力が無くなり引き分けという形で終わった。
ゴールディンは二人の戦いを途中まで見ていたが、飽きたらしく開始5分後には姿が見えなくなっていた。
ヒナタは戦いを見守っていたが、山から現れた猫に夢中になっており、気が付くと何処かへ行っていた。
「今日は俺の誕生日か…父さん。今日はこれの練習をしてもいいよね?」
ジュンはそういうと、ある男性の写真立ての前に置かれていた拳銃と白いハチマキを手に取った。
彼はジュン・ブライド。ブランド・ブライドの子供で、ツンツン頭は父に似ていた。
「おはよう、夜に誕生日会が始まるから、それまで修行してくるんでしょ?」
台所で女性がジュンの顔を見ながら聞いてきた。カナ・ブライドは綺麗な長い黄色い髪をかきわけながら、朝食の皿を机に用意した。
「うん」
その一言だけ呟き頷くと用意された朝食を平らげ、玄関を出ていった。
昨日の山に行き、修行を行うのはジュンにとっていつもの日課になっている。
「待ってたぜ!」
その日課を崩すように、ジュンの目の前にイワシが立ちふさがる。
「待たなくていいよ…」
面倒くさそうに横を過ぎると、イワシはジュンの肩を握る。
「昨日の決着を付けようぜ!」
「昨日の勝負は体力が無くなったお前の負けだろ…」
無意識に言った言葉に我に戻ったジュンは心の中で『しまった!』と叫んだ。
ジュンの肩を握っていたイワシの腕は少しずつ震え出していた。ジュンは恐る恐る振り返ると同時にイワシは叫んだ。
「俺は負けてない!負けたなんて言ってない!」
そう言いながら、ジュンの肩から腕に手を持ち替えて、そのまま昨日の山まで引きずられていく。
「おはよ、ジュンのお母さん!」
ジュンが出て行って数分後にヒナタは挨拶と共に玄関から入ってきた。
「あら、おはようヒナタちゃん。ジュンならさっき出て行ったばかりよ」
「うん、だから今のうちに誕生会の準備をしようと思って来たんだ!」
背負ってきたリュックサックから色々とパーティーグッズを出しながら、カナに返答していた。
ジュンの家から少し離れた村の入り口で高齢の男性二人が片手に酒を持ちながら話していた。
「今日はブライトの子供が誕生日を迎える日だな」
「いくつになるんだ?」
「さぁな。16か17じゃないのか?」
「おー、もうそんなに成長してたのか?」
「じゃあ、あの事件から10年以上は過ぎて…」
「おい!その事は口外しない内容だったろ!」
「おー。そうだった!ん?見てみろ!ジュレップの子供がまたブライトの子供に勝負を仕掛けてるぞ!あれは近くの山に行くみたいだな」
「若いっていいもんだな」
お互いが会話をしている中、村の入り口に赤いヒールを履いた女性が茶色いローブを纏い現れた。
「勝負は昨日と同様に先に負けたと言ったら、負けだからな!」
ジュンが昨日修行していた場所に着くとイワシはジュンと距離を置き、人差し指を指して言葉を放った。
指された本人のジュンは明らかに面倒くさいと言わんばかりの表情になっていた。
「これで勝った方はヒナタと村一番の称号を与えてやる」
ジュンの表情を見てないのかわからないが、話をどんどん進めていくイワシに呆れていた。
「どっちも要らないって昨日言ったの忘れたのか?」
この言葉を言っても無駄だと思いながら、イワシに言うが、イワシのやる気に変わりはなかった。
「さぁ、どこからでもかかってこい!」
「会話が成り立たない…」
「ヒナタちゃんはウチの子のどんな所が好きなの?」
家の飾り付けをしながら、カナはヒナタに話しかけた。
話しかけられた本人であるヒナタはその言葉に手だけでなく体全体が一瞬固まった。
「え?え?なんで知って…じゃなかった。そう思うの?」
「そりゃ見てたら思ってたけど、違ったかしら?」
「違くないよ!めちゃくちゃジュンのこと好きだよ!」
持っていた飾り付けをクシャクシャにするくらい力を入れて否定するが、言った後に我に戻り、赤面してうつ向いてしまう。
その動きにカナは口で少し笑うとヒナタの頭を軽く撫でた。
「あの子も幸せ者ね。こんな可愛い子から好意を寄せられているなんてね。じゃあ、今日はしっかりと祝ってあげないとね」
「うん!」
先ほどまで赤面でうつ向いていたが、カナの言葉に反応して1番の笑顔を向けた。
「今日はどっちが勝つか賭けをしようや」
「ええね、じゃあ儂はブライトの坊主が勝つ方に賭けるわ」
「じゃあ、儂も!」
「それだと賭けにならんじゃろ」
「じゃあ、私は村全部が崩壊する方に賭けるわ」
高笑いする二人の側にいつの間にか赤いハイヒールの女性が立っていた。
その言葉に驚きながら二人とも顔を向けると、いつの間にか身体全身が石化していた。
その女性は二人の側を通りながら呟く。
「今度こそテイクオーバーを頂くわ…」
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