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prologue
僕の彼女は
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僕から見える君は、ただ静かに目を閉じて僕の音を聴いてくれていた。
あの時と同じように。
「ただいまー!ひぃーちゃん!!」
と、玄関からリビングへと駆け込み、愛する女性に勢いよく抱き付く。
「……はぁ…、おかえり。晴樹」
ひぃーちゃんこと佐々木 柊は、僕の愛する彼女。歳は僕より4つ上。ひぃーちゃんは呆れながらも、年下の僕の子供っぽい行動も深いため息一つで受け入れてくれる、素敵で大人で綺麗で可愛い女性で、何を隠そう僕の彼女。
「今日も来てくれてありがとう!」
「…今日のはうちから近いホールだったし」
………控えめに言って可愛い。
恥ずかしいがる時とかに、左下を見る癖のあるひぃーちゃんの首筋がチラリと見えて、本能的に唇を落として痕を付ける。
「おい」
怒られた。睨まれた。反応早い。上目遣い可愛い。
「なんでぇ!」
僕の方が年下だけど、男だから当然身長は高いし、身体だって僕の方が厚みがある。ひぃーちゃんは女性の中では大きい方にはなるらしいけど、僕からしたら全然小さい。僕の腕の中におさまって見上げてくるひぃーちゃんは、本当に可愛い。
「見えるところに付けるな馬鹿」
「見えるところじゃないと、意味ないじゃん!」
「仕事に支障が出る」
「髪の毛下ろしてたらいいじゃん」
「邪魔だから嫌だ」
ひぃーちゃんは綺麗なまっすぐした黒髪を、仕事の邪魔だからといつも一つにまとめて上げている。首筋が見えて、僕はいつもドキドキするっていうのにひぃーちゃんは、そういうのを全く気にしない。
「早くお風呂入ってきたら?」
早く離れろと言われてるみたいで、抱き締める力を強くする。叶うなら、ずっとひぃーちゃんから離れたくない。
「晴樹」
ひぃーちゃんがトントン、と僕の左腕を優しく叩く。ひぃーちゃんのそれは、小さい子供をあやすようで僕は余計に我が儘を言いたくなる。
「一緒に入ろ?」
「寝言は寝て言え阿呆」
改心の一撃を放つが、カウンター食らって敢えなく撃沈。
「…楽器重いだろ。早く置いて、風呂へ行け」
「僕のこと心配してくれるんだね!早く離れて欲しい訳じゃないんだね?!」
「あーうんうん」
ひぃーちゃんは空返事だけど、気にしない。
「置いてきて、お風呂入って来る!」
僕はそういうと、ひぃーちゃんを解放すると楽器部屋へと向かった。
僕が離れたあとのひぃーちゃんは、いつも片手で顔を隠している。隠しきれない耳は真っ赤に染まってて、それを物陰から見るのが僕だけの秘密の趣味。
僕だけが知っている、ひぃーちゃんの可愛いところの一つ。
僕の彼女は可愛い。
あの時と同じように。
「ただいまー!ひぃーちゃん!!」
と、玄関からリビングへと駆け込み、愛する女性に勢いよく抱き付く。
「……はぁ…、おかえり。晴樹」
ひぃーちゃんこと佐々木 柊は、僕の愛する彼女。歳は僕より4つ上。ひぃーちゃんは呆れながらも、年下の僕の子供っぽい行動も深いため息一つで受け入れてくれる、素敵で大人で綺麗で可愛い女性で、何を隠そう僕の彼女。
「今日も来てくれてありがとう!」
「…今日のはうちから近いホールだったし」
………控えめに言って可愛い。
恥ずかしいがる時とかに、左下を見る癖のあるひぃーちゃんの首筋がチラリと見えて、本能的に唇を落として痕を付ける。
「おい」
怒られた。睨まれた。反応早い。上目遣い可愛い。
「なんでぇ!」
僕の方が年下だけど、男だから当然身長は高いし、身体だって僕の方が厚みがある。ひぃーちゃんは女性の中では大きい方にはなるらしいけど、僕からしたら全然小さい。僕の腕の中におさまって見上げてくるひぃーちゃんは、本当に可愛い。
「見えるところに付けるな馬鹿」
「見えるところじゃないと、意味ないじゃん!」
「仕事に支障が出る」
「髪の毛下ろしてたらいいじゃん」
「邪魔だから嫌だ」
ひぃーちゃんは綺麗なまっすぐした黒髪を、仕事の邪魔だからといつも一つにまとめて上げている。首筋が見えて、僕はいつもドキドキするっていうのにひぃーちゃんは、そういうのを全く気にしない。
「早くお風呂入ってきたら?」
早く離れろと言われてるみたいで、抱き締める力を強くする。叶うなら、ずっとひぃーちゃんから離れたくない。
「晴樹」
ひぃーちゃんがトントン、と僕の左腕を優しく叩く。ひぃーちゃんのそれは、小さい子供をあやすようで僕は余計に我が儘を言いたくなる。
「一緒に入ろ?」
「寝言は寝て言え阿呆」
改心の一撃を放つが、カウンター食らって敢えなく撃沈。
「…楽器重いだろ。早く置いて、風呂へ行け」
「僕のこと心配してくれるんだね!早く離れて欲しい訳じゃないんだね?!」
「あーうんうん」
ひぃーちゃんは空返事だけど、気にしない。
「置いてきて、お風呂入って来る!」
僕はそういうと、ひぃーちゃんを解放すると楽器部屋へと向かった。
僕が離れたあとのひぃーちゃんは、いつも片手で顔を隠している。隠しきれない耳は真っ赤に染まってて、それを物陰から見るのが僕だけの秘密の趣味。
僕だけが知っている、ひぃーちゃんの可愛いところの一つ。
僕の彼女は可愛い。
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