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第7幕 ドキドキ☆クリスマス
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クリスマスイブまであと一日、冬休みに入ってからすぐに、村上と一緒に買い物に出かける約束をした。買い物が終わったら俺の家で、例のコスプレ写真集を見せるという約束付きで。
村上が見ても「へー、よく撮れてるねー」で終わりそうだけど……。
見れないものって人を見たいという欲望に駆り出すよな……。
因みに悠斗にはまだ渡していない。
なぜって?
そりゃ……。
①、興奮し過ぎて襲われるから。
②、調子に乗ってナギコス要求されるから。
「買い物は白桜駅で間に合うよね? まぁ俺も詳しくないから、あんまり役に立たないけど」
「いや、俺だけだともっとダメだわ。てか……ひとりで買うのは勇気がいる。三浦さんでも連れて来れたら良かったかな」
「まぁ……そうだよね」
「うん。だろ?」
村上と二人お店に入り挙動不審な俺達に、店員さんが無表情に声を掛けてくる。大丈夫ですと断り狼狽えながらの買い物は中々進まなかったが、なんとか目当てのものを購入することができた。しばらく白桜周辺での買い物は、恥ずかしくてできないかもしれない。
「てか今日だけど、うち泊まる? そのほうが当日王子にも遭遇しないし」
「えっ? でも家族も居るだろ?」
まさかお呼ばれするとは思ってもいなかった。いきなりお邪魔して家族に迷惑が掛からないだろうか。
「大丈夫だよ。逆に喜ぶかも! 柳ちゃんの話結構してるし、俺あんまり友達呼ばないから、来てくれると親も安心する。あんたにも友達居たのねって」
「そっか、ならお言葉に甘えて。……でも悠斗になんて言おう」
「ははは……魔王になるかな?」
「いや、説得する! たまにはヤキモキしてもらう!」
「なにそれ~~。王子ってば常にヤキモキしてると思うけど。なら明日、駅まで俺が見送るってので手を打とう。心配性の王子ならきっと折れるはず‼」
「なるほど……結構渋っていたから。それなら、仕方ないって言うかもな!」
「でしょ⁉ 俺頭いいかも!」
今日は冴えていると村上は得意気だ。
「……ていうか、お前二十四日予定ないのか?」
「聞かないでよね……寂しくなるでしょうが……」
「……ああ、ごめん。お土産買って来るからな……」
シクシクする村上にそう告げると、現金な村上はウキウキと気分を切り替えていた。そんな俺も村上に負けず浮かれている。
早速支度を済ませると、まずは悠斗にお伺いを立てるべくコールを鳴らした。
「悠斗? 今帰って来たんだけど、このあと村上の家に泊まることにした」
一瞬間が開く。
『……それじゃ、俺も支度しないと』
「はぁ? なんでだよ! お前は留守番だ! 明日、水族館の駅まで送ってくれるって。それならお前も安心して来れるだろ?」
『それはそうだけど……浮気……ダメだからね!』
「馬鹿か! お前は俺の友達をそういう目で見過ぎだぞ。たまには俺も友達の家に、泊まったりしたいじゃんか。そんなこと言うと、三浦さんから貰った写真集あげないからな!」
一気に矢継ぎ早にそう言うと、耳元に詰めた声が聞こえて来た。どうやら俺の攻撃がヒットしたようだ。
『……もう、分かったよ。狡いんだから……瀬菜を信じる。村上君そこに居るの? 代わって』
ムスッとしながら村上にスマホを差し出す。
「代わってだって……」
村上はゴクリと喉を鳴らしひと呼吸おいてから、苦笑い気味にスマホを耳に当てた。
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