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第8幕 年越し湯けむり罰ゲーム?
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温泉の醍醐味は、なんといっても露天風呂だ。ある程度大浴場で身体を温めホカホカになると、いよいよ外風呂だ。薄っすらと日も落ち、外に出れば寒いことは承知の上だが、寒い中で入る温泉は最高なのではと想像するだけでテンションが上がる。
小走りで外に向かうと、濡れた床に脚を取られて転びそうになる。悠斗に支えられ苦笑いされる。へへっと笑ってごまかすと、コツンと額を軽く叩かれてしまう。
外に出ると、大きな石に囲まれ温泉水がコポコポと音を立て、水面を揺らし湯気を上らせていた。
「うーーさぶっい‼︎ 雪も降ってるー」
「温まったけど一気に冷めちゃうね? 早く浸かろう」
「今日は一段と冷えるねぇ。今なら俺らで独占だよ!」
「おお、丁度いい湯加減じゃん」
外の寒さと交わって、お湯の温度が下げられ長湯しても湯当たりせずに済みそうだ。
雪除けの屋根下で四人並び外の風景を楽しみながら満喫する。雪が天から深々と降る雪景色は幻想的で、透き通った冷えた空気が普段と異なる音を奏でている。その幻想に心を奪われ誰もが無言で景色を眺め、ジーンと温まって行く温泉に静かに浸かっていた。
深い深呼吸と共に村上が言葉を発する。
「はぁー、染みるねー」
「村上おっさんみたい!」
「でも、まぁ一年の疲れがマジで取れるわ」
「そうだね。今年は色々あったからね」
「柳ちゃんと王子は特に……だよね~♪」
「本当だよな。俺らが一番功労者だよな。そう思うだろ?」
多澤は感謝しろと、俺と悠斗に言ってきた。
「二人にはちゃんと感謝してるよ? ねぇ、瀬菜」
「ははっ……」
「悠斗、瀬菜は感謝していないらしいぞ。笑いでごまかしやがって」
「ダメでしょ雅臣? 瀬菜をそうやって虐めないの」
「柳ちゃんって、なんでか弄りたくなるよね~」
「分かったよ! もう! 湯上りマッサージでもなんでもするし!」
プクッと頬を膨らませ口を尖らせながら俺がそう言うと、多澤はニタリと笑いかけてきた。
「二言はねぇな? 弄るのも悪くない。ラッキー」
「多澤のアホーー! あ~ヤバイ。大声出したらクラクラしてきた……。そろそろ上がらないか?」
「そうだよね、夕食の時間も迫っているし」
「また飯食べてから温泉三昧だぁね~」
ホカホカな身体が冷えないように急ぎ足で室内に戻ると、脱衣所で水気を拭い部屋から持って来た浴衣に着替えをする。旅館の名前が和風の文字で書かれ、白地に藍色の花模様。帯も藍色でコレぞ温泉旅館という感じだ。肩に浴衣を羽織ると、右左と交互にパタパタ合わせて困り顔になる俺。
「瀬菜?」
「へへへっ~。あのさ……どっちだっけ?」
クスクスと笑いながら悠斗が、上がこっちと教えてくれる。
「夏に着たのに忘れちゃった?」
「だって、滅多に着ないしさ」
「そうだね。じっとしていて?」
「うん、俺がやるとすぐに着崩れちゃう」
みんなと同じように緩い感じで良かったが、悠斗はしっかり着付けをしてくれる。
「はい。いいよ? 湯冷めしないように茶羽織も着て?」
「ちゃばおり? へぇ~、これそんな名前だったんだ」
半纏のような上掛けの名前に、多澤は頭をガシガシとタオルドライしながら感心を示す。
「ふーん。俺も知らなかった。悠斗の知識は幅広すぎだよな」
「俺も浴衣の上に着るやつって言う名称かと思っていた~。王子は凄いねぇ」
悠斗のおかげで、みんな知識を吸収しレベルアップした。
深い緑の茶羽織は、意外と暖かくて冬の和風の防寒着らしい。
髪を洗面台で軽く乾かすと、部屋に戻り夕食を心待ちにする。部屋は二部屋だが、夕食は俺と多澤の部屋で四人分セットしてもらった。まだ、予約した夕食まで時間が早かったので、中居さんの準備が終わるまで悠斗達の部屋で寛いでいた。
小走りで外に向かうと、濡れた床に脚を取られて転びそうになる。悠斗に支えられ苦笑いされる。へへっと笑ってごまかすと、コツンと額を軽く叩かれてしまう。
外に出ると、大きな石に囲まれ温泉水がコポコポと音を立て、水面を揺らし湯気を上らせていた。
「うーーさぶっい‼︎ 雪も降ってるー」
「温まったけど一気に冷めちゃうね? 早く浸かろう」
「今日は一段と冷えるねぇ。今なら俺らで独占だよ!」
「おお、丁度いい湯加減じゃん」
外の寒さと交わって、お湯の温度が下げられ長湯しても湯当たりせずに済みそうだ。
雪除けの屋根下で四人並び外の風景を楽しみながら満喫する。雪が天から深々と降る雪景色は幻想的で、透き通った冷えた空気が普段と異なる音を奏でている。その幻想に心を奪われ誰もが無言で景色を眺め、ジーンと温まって行く温泉に静かに浸かっていた。
深い深呼吸と共に村上が言葉を発する。
「はぁー、染みるねー」
「村上おっさんみたい!」
「でも、まぁ一年の疲れがマジで取れるわ」
「そうだね。今年は色々あったからね」
「柳ちゃんと王子は特に……だよね~♪」
「本当だよな。俺らが一番功労者だよな。そう思うだろ?」
多澤は感謝しろと、俺と悠斗に言ってきた。
「二人にはちゃんと感謝してるよ? ねぇ、瀬菜」
「ははっ……」
「悠斗、瀬菜は感謝していないらしいぞ。笑いでごまかしやがって」
「ダメでしょ雅臣? 瀬菜をそうやって虐めないの」
「柳ちゃんって、なんでか弄りたくなるよね~」
「分かったよ! もう! 湯上りマッサージでもなんでもするし!」
プクッと頬を膨らませ口を尖らせながら俺がそう言うと、多澤はニタリと笑いかけてきた。
「二言はねぇな? 弄るのも悪くない。ラッキー」
「多澤のアホーー! あ~ヤバイ。大声出したらクラクラしてきた……。そろそろ上がらないか?」
「そうだよね、夕食の時間も迫っているし」
「また飯食べてから温泉三昧だぁね~」
ホカホカな身体が冷えないように急ぎ足で室内に戻ると、脱衣所で水気を拭い部屋から持って来た浴衣に着替えをする。旅館の名前が和風の文字で書かれ、白地に藍色の花模様。帯も藍色でコレぞ温泉旅館という感じだ。肩に浴衣を羽織ると、右左と交互にパタパタ合わせて困り顔になる俺。
「瀬菜?」
「へへへっ~。あのさ……どっちだっけ?」
クスクスと笑いながら悠斗が、上がこっちと教えてくれる。
「夏に着たのに忘れちゃった?」
「だって、滅多に着ないしさ」
「そうだね。じっとしていて?」
「うん、俺がやるとすぐに着崩れちゃう」
みんなと同じように緩い感じで良かったが、悠斗はしっかり着付けをしてくれる。
「はい。いいよ? 湯冷めしないように茶羽織も着て?」
「ちゃばおり? へぇ~、これそんな名前だったんだ」
半纏のような上掛けの名前に、多澤は頭をガシガシとタオルドライしながら感心を示す。
「ふーん。俺も知らなかった。悠斗の知識は幅広すぎだよな」
「俺も浴衣の上に着るやつって言う名称かと思っていた~。王子は凄いねぇ」
悠斗のおかげで、みんな知識を吸収しレベルアップした。
深い緑の茶羽織は、意外と暖かくて冬の和風の防寒着らしい。
髪を洗面台で軽く乾かすと、部屋に戻り夕食を心待ちにする。部屋は二部屋だが、夕食は俺と多澤の部屋で四人分セットしてもらった。まだ、予約した夕食まで時間が早かったので、中居さんの準備が終わるまで悠斗達の部屋で寛いでいた。
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