王子×悪戯戯曲

そら汰★

文字の大きさ
556 / 716
第19幕 鏡に映る心の奥底

09

しおりを挟む
「瀬菜、もしかして悠斗さんと……」
「えっ、いや……てか耳ッ擽ったいから離れろよ」
「忠告してるんでしょ? そんな顔で、呆れる」

 実千流の言葉はもっともだ。身体が火照って今すぐにでも水風呂に飛び込みたい気分だ。
 
「悠斗さん、これ責任取ったほうがいいと思うけど? 明日ダウンされたら困るからほどほどにね」

 首筋にピタリと冷たい指先が触れ、ビクッと身体を弾ませる。心地いいはずの冷たさは、すぐに温度を上昇させていた。

「熱かな? 実千流ちゃん、明日もし来れなかったら、対応よろしくね」
「悠斗さん! それ確信犯だよ!」
「クスッ、なんのこと?」

 こうなった元凶でもある悠斗は、実千流にとぼけた回答をすると俺を抱き上げ教室を出ていく。黒い髪の白雪姫は、心配そうにしながらもひっそりと口元を吊り上げていた。


 毎度のことだが、本当に俺は学習能力がないのかもしれない。本来なら終了後生徒会室まで行かなければならないが、そのまま自宅へ直行だ。おかけで明日の来賓の段取りがあやふやで心配でならない。

「瀬菜、着いたよ?」
「……もう……むりぃ……っ」
「クスッ、少し意地悪し過ぎたかな?」

 もう限界だと家に着いたことで気が抜け、玄関で靴も脱がずに蹲ってしまう。ぼんやりする頭で、下肢をスボンの上からかき混ぜるように擦り上げてしまう。
 俺の醜態に喉を鳴らしながら、悠斗は舐めるようにそれを見つめていた。視線が合い涙を溜めながら、ハァハァと荒い息が玄関に響く。

「ふぁっんッ……これ、ヤッ……」
「瀬菜がイキたくないって言ったのに」
「ふぅぅ……ねがぃ……」

 甘えた声でお強請りをすると、悠斗はクスクスと笑いながらズボンのジッパーを下げていった。

「あぁ……エロ……」
「ふぇっ……みないれ……」

 俺のペニスには、体液で色が濃くなった真っ赤なリボンがラッピングするように巻かれていた。
 控室で射精したくないと言うと、悠斗は頭に飾っていたリボンを俺のペニスに可愛らしく巻いていったのだ。見た目はずいぶん華やかで可愛らしいのに、その結びは完全に勃起した陰茎に苦しみだけしか与えてくれない。
 ズボンが汚れてはいけないと、申し訳程度にコンドームを被せられたが、体液は垂れ年齢の割に薄い陰毛が湿っていた。陰毛が見えるのは、回収したはずの純白の紐パンを剥がされていたからだ。おかげで収まりきらない陰茎と、赤いリボンがよく映えている。

「瀬菜のここ、まるで白雪姫だね?」

 芝居の演目に例えそう呟く悠斗。普段の俺なら「この変態! おっさんか!」と、罵声を浴びせているはずだ。けれど余裕などあるはずがない。シャワーを浴びたあとから後孔に収まる異物に終始攻められていたのだから。
 収められたそれは、ローターのように振動を続けるでもなく、動いたり座ったりする度に動く程度だ。それでも昂ぶった身体には、刺激を不意打ちで与えていた。

「……取って、取って……いぃ? 取りたいよぉー」
「取りたい? ならこれ、引っ張ってごらん」

 蕾辺りに指先を誘導されると、ムニャリとした感触。蕾から尻尾のように、コンドームが赤いリボンの端に繋がっていた。
 力の入らない指先で恐る恐る引っ張ると、前立腺を押し上げるようにゴリッと中途半端に掠め、衝撃に腰をグッと前に突き出してしまう。

「あっ、ひんっっ! はぁっ、ふっ、むりぃっ」
「降参?」

 コクコクと頷くと、待ったなしでグッと引っ張られた。その快感は凄まじく、声も出せずに足先までピンと硬直した。
 コンドームに包まれたそれは、半透明なゴム越しでもわかるほど、ショッキングな色を映し出していた。

「……一番大きいのが出た」
「……あっうぅ……」
「ふふっ、あと三つだよ?」

 ゴムに入ったそれは、文化祭の模擬店でゲットしたスーパーボール。カラフルでどぎつい色のボールは、小ぶりでも後孔に入れるものではないが、俺の粘膜を十分に刺激し、悪戯に昂ぶったままにしていた。
しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)

優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。 本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。

陰キャな俺、人気者の幼馴染に溺愛されてます。

陽七 葵
BL
 主人公である佐倉 晴翔(さくら はると)は、顔がコンプレックスで、何をやらせてもダメダメな高校二年生。前髪で顔を隠し、目立たず平穏な高校ライフを望んでいる。  しかし、そんな晴翔の平穏な生活を脅かすのはこの男。幼馴染の葉山 蓮(はやま れん)。  蓮は、イケメンな上に人当たりも良く、勉強、スポーツ何でも出来る学校一の人気者。蓮と一緒にいれば、自ずと目立つ。  だから、晴翔は学校では極力蓮に近付きたくないのだが、避けているはずの蓮が晴翔にベッタリ構ってくる。  そして、ひょんなことから『恋人のフリ』を始める二人。  そこから物語は始まるのだが——。  実はこの二人、最初から両想いだったのにそれを拗らせまくり。蓮に新たな恋敵も現れ、蓮の執着心は過剰なモノへと変わっていく。  素直になれない主人公と人気者な幼馴染の恋の物語。どうぞお楽しみ下さい♪

【完】君に届かない声

未希かずは(Miki)
BL
 内気で友達の少ない高校生・花森眞琴は、優しくて完璧な幼なじみの長谷川匠海に密かな恋心を抱いていた。  ある日、匠海が誰かを「そばで守りたい」と話すのを耳にした眞琴。匠海の幸せのために身を引こうと、クラスの人気者・和馬に偽の恋人役を頼むが…。 すれ違う高校生二人の不器用な恋のお話です。 執着囲い込み☓健気。ハピエンです。

【完結】トラウマ眼鏡系男子は幼馴染み王子に恋をする

獏乃みゆ
BL
黒髪メガネの地味な男子高校生・青山優李(あおやま ゆうり)。 小学生の頃、外見を理由にいじめられた彼は、顔を隠すように黒縁メガネをかけるようになった。 そんな優李を救ってくれたのは、幼馴染の遠野悠斗(とおの はると)。 優李は彼に恋をした。けれど、悠斗は同性で、その上誰もが振り返るほどの美貌の持ち主――手の届かない存在だった。 それでも傍にいたいと願う優李は自分の想いを絶対に隠し通そうと心に誓う。 一方、悠斗も密やかな想いをを秘めたまま優李を見つめ続ける。 一見穏やかな日常の裏で、二人の想いは静かにすれ違い始める。 やがて優李の前に、過去の“痛み”が再び姿を現す。 友情と恋の境界で揺れる二人が、すれ違いの果てに見つける答えとは。 ――トラウマを抱えた少年と、彼を救った“王子”の救済と成長の物語。 ───────── 両片想い幼馴染男子高校生の物語です。 個人的に、癖のあるキャラクターが好きなので、二人とも読み始めと印象が変化します。ご注意ください。 ※主人公はメガネキャラですが、純粋に視力が悪くてメガネ着用というわけではないので、メガネ属性好きで読み始められる方はご注意ください。 ※悠斗くん、穏やかで優しげな王子様キャラですが、途中で印象が変わる場合がありますので、キラキラ王子様がお好きな方はご注意ください。 ───── ※ムーンライトノベルズにて連載していたものを加筆修正したものになります。 部分的に表現などが異なりますが、大筋のストーリーに変更はありません。 おそらく、より読みやすくなっているかと思います。

【完結】幼馴染に告白されたけれど、実は俺の方がずっと前から好きだったんです 〜初恋のあわい~

上杉
BL
ずっとお前のことが好きだったんだ。 ある日、突然告白された西脇新汰(にしわきあらた)は驚いた。何故ならその相手は幼馴染の清宮理久(きよみやりく)だったから。思わずパニックになり新汰が返答できずにいると、理久はこう続ける。 「驚いていると思う。だけど少しずつ意識してほしい」 そう言って普段から次々とアプローチを繰り返してくるようになったが、実は新汰の方が昔から理久のことが好きで、それは今も続いている初恋だった。 完全に返答のタイミングを失ってしまった新汰が、気持ちを伝え完全な両想いになる日はやって来るのか? 初めから好き同士の高校生が送る青春小説です!お楽しみ下さい。

陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 まったり書いていきます。 2024.05.14 閲覧ありがとうございます。 午後4時に更新します。 よろしくお願いします。 栞、お気に入り嬉しいです。 いつもありがとうございます。 2024.05.29 閲覧ありがとうございます。 m(_ _)m 明日のおまけで完結します。 反応ありがとうございます。 とても嬉しいです。 明後日より新作が始まります。 良かったら覗いてみてください。 (^O^)

ある日、友達とキスをした

Kokonuca.
BL
ゲームで親友とキスをした…のはいいけれど、次の日から親友からの連絡は途切れ、会えた時にはいつも僕がいた場所には違う子がいた

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

処理中です...