王子×悪戯戯曲

そら汰★

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第24幕 甘い誘惑と苦い後悔

06

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 グンッと大きく跳ね上がる竿が唇から抜けると同時に熱い飛沫が降りかかってくる。青臭い液体は顔中に飛び散り、ゆっくと下へと垂れ肌を焼いていた。
 空気を深く取り込むと、肺が空気を押し返しゴホゴホと咳を吐き出す。酔が廻り切った頭では、なにをされたのかすら理解できず、ただ朦朧とするばかりだった。

「ヤバ……凄えエロッ……液塗れ。次は瀬菜ちゃんを気持ちよくしてあげる」
「……やっぁ」

 身体が傾きグルグル廻る視界に影が落ちてくる。
 スカートを足から抜き取られ、ボタンを外されると火照った身体に冷えた空気が触れる。肌を伝う手のひらは妙に優しく擽ったい。

「あっ、悠斗……」
「……そこでその名前呼ぶ? まぁ、いいけど……」

 ブレる視界に悠斗が優しく微笑む姿が見えた気がした──。





「…………んッ、ゆう……と?」

 覚醒した途端、頭の奥にガンガンと定期的に痛みが突き刺さる。薄暗い中でも光が入り、頭痛と合わせて瞼を閉じ眉間にシワを刻む。自分は一体なにをしているのか。定まらない思考の中、ぬくもりを感じ身を捩った。
 昨夜見た夢の中の幻。悠斗が居るわけでもなく、いつものようにユウの鼓動にホッとひと息つくが違和感に目を見開いた。

 フサフサじゃないッ‼︎

 目の前に広がる肌色にガバッと身を起こそうとすると、そのままシーツの上に押さえつけられた。視界の中に映された人物が、甘い微笑みで声を枯らしながら朝の挨拶をシレっと呟いた。

「……おはよ。瀬菜ちゃん……」
「なっ、なっなんで! お前、なんで!」
「なんでって……昨日はあんなに愛し合ったのに、覚えてないの?」
「──愛し……合った……」

 布団の中の俺は女装こそしていないが、生まれたままの姿で下着さえ履いていない。サーッと顔を青くすると、昨日の出来事を思い出そうと使えない脳をフル回転させた。

「……なにを……なにした……」

 昨日は会長に新入生をサークルに呼び込むための、女装装備を一式揃えて来いと言われた。イヤイヤながら玉夫に引き摺られ、学校近くのショッピングモールに出掛けたはずだ。
 その後イタリアンで食事をしながらワインを飲んで……ワインを……飲んで……フラフラしながら、ユウにご飯をあげたのはなんとなく覚えている。その先が全く思い出せない。そもそも俺の家でないことが謎だった。大きなベッドに見慣れない内装。ここはどこなのだと突っ込みどころが満載過ぎる。
 頭を抱える俺の姿に玉夫はクスクス笑い、俺の髪を梳きながら甘い声で語りかけてくる。

「覚えてないか……残念だなぁ。まぁ、結構酔ってたし、付き合って初めてのエッチだったけど、瀬菜ちゃん思っていた通り綺麗で可愛くて最高だった」
「…………ウソ……だろ……」

 頭を撫でる手を止める玉夫は、ギュッと胸に俺を抱き寄せると、恋人のように頭にキスを降らせた。

「俺を疑うの? ならこの紅い痕は? 瀬菜ちゃんのお尻から溢れているエッチな汁は?」
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