[完結]貴方なんか、要りません

シマ

文字の大きさ
4 / 19

私の小さなお姫様 side アレク

 泣き疲れて眠ってしまったロゼッタを抱えなおす。足元で二匹の魔獣も彼女を心配して、寄り添って離れなかった。
 何時も隣にいた私だけのお姫様。妹の様に大事にしていると思い込んでいた。婚約者が出来て会えなくなって初めて気付いた、彼女を愛おしく想うこの気持ちを今も持て余している。


 王弟とは言え10歳も歳の離れた王子など、厄介者でしかなかった。私が学園に通う頃には兄は立派な王太子として執務をこなし、貴族や国民からの支持も高い。家族は大切にしてくれたが、周囲の態度はあからさまだった。
 要らないモノ扱いで荒れた私の心を癒してくれたのは、チャールストン伯爵家の面々だ。真摯に魔獣と向き合い調教する彼らは、私にも真摯に接してくれた。

魔獣との信頼関係の築き方や世話の仕方。

誰かと食事をする温かさ。

 彼らのお陰でシェリーと会えて、獣騎士にも成れた。その温もりに甘えていた私は、唯一無二の宝を掴み損ねた。

 魔物討伐の遠征から三ヶ月振りに帰って来た私を待っていたのは、ロゼッタに宛がわれた婚約者とソイツの悪い噂。部下を使って調べれば、噂以上のクズだった。
 ギャンブルで作った借金は、平民の一軒家が買える金額。学生が遊びで使う金額ではない。マリウス閣下が一度は返済したが、今はそれ以上の借金がある。
 去年辺りからは、遊びで女性に手を出し女性が妊娠すると金だけ渡して捨ていた。
 ところが最近になって、その捨てられた女性達がチャールストン家で働いていると知った時は驚いたが、お陰で罪のない子供達が救われた。あの男が渡した程度の金額では、すぐに暮らしていけなくなっただろう。部下からの話では、仕事中に子供を預かる託児所が居住区画にあるらしい。住居の側に託児所があれば親は安心して働ける。

 しかし、公爵がしないといけない救済まで、彼らに押し付けているとは……良い度胸だ。

「私のロゼッタを傷付けた、その罪の自身の身であがなって貰うぞ」

 改めて、想いを言葉にするとシェリーが同意する様に鼻先を私の手に押し付けた。

「お前達も同じ気持ちなんだな」

 二匹が同意する様に小さく鳴いた。お前達にとっても大事なご主人だ。私が絶対に守る。
 兄に迷惑が掛からない様に王族から籍を抜き、継承権も放棄の手続きは済んだ。後は、ローウェン公爵家を追い詰め婚約破棄をさせるだけだ。

 彼女がきっと私がしたことを知れば、心を痛めるかも知れない……それでも私は……彼女を救いたい。そして……

ロゼッタ、君が欲しい

あなたにおすすめの小説

婚約解消は君の方から

みなせ
恋愛
私、リオンは“真実の愛”を見つけてしまった。 しかし、私には産まれた時からの婚約者・ミアがいる。 私が愛するカレンに嫌がらせをするミアに、 嫌がらせをやめるよう呼び出したのに…… どうしてこうなったんだろう? 2020.2.17より、カレンの話を始めました。 小説家になろうさんにも掲載しています。

[完結]裏切りの果てに……

青空一夏
恋愛
王都に本邸を構える大商会、アルマード男爵家の一人娘リリアは、父の勧めで王立近衛騎士団から引き抜かれた青年カイルと婚約する。 彼は公爵家の分家筋の出身で、政争で没落したものの、誇り高く優秀な騎士だった。 穏やかで誠実な彼に惹かれていくリリア。 だが、学園の同級生レオンのささやいた一言が、彼女の心を揺らす。 「カイルは優しい人なんだろ? 君が望めば、何でもしてくれるはずさ。 でも、それは――仕事だからだよ。結婚も仕事のうちさ。 だって、雇い主の命令に逆らえないでしょ? 君に好意がなくても、義務でそうするんだ」 その言葉が頭から離れないリリアは、カイルの同僚たちに聞き込み、彼に病気の家族がいると知った。「治療費のために自分と結婚するの?」 そう思い込んだリリアに、父母がそろって事故死するという不幸が襲う。 レオンはリリアを惑わし、孤立させ、莫大な持参金を持って自分の元へ嫁ぐように仕向けるのだった。 だが、待っていたのは愛ではなく、孤独と裏切り。 日差しの差さない部屋に閉じ込められ、心身を衰弱させていくリリア。 「……カイル、助けて……」 そう呟いたとき。動き出したのは、かつて彼女を守ると誓った男――カイル・グランベルだった。そしてリリアも自らここを抜けだし、レオンを懲らしめてやろうと決意するようになり…… 今、失われた愛と誇りを取り戻す物語が始まる。

わたしを捨てた騎士様の末路

夜桜
恋愛
 令嬢エレナは、騎士フレンと婚約を交わしていた。  ある日、フレンはエレナに婚約破棄を言い渡す。その意外な理由にエレナは冷静に対処した。フレンの行動は全て筒抜けだったのだ。 ※連載

(完)婚約破棄ですね、従姉妹とどうかお幸せに

青空一夏
恋愛
私の婚約者は従姉妹の方が好きになってしまったようなの。 仕方がないから従姉妹に譲りますわ。 どうぞ、お幸せに! ざまぁ。中世ヨーロッパ風の異世界。中性ヨーロッパの文明とは違う点が(例えば現代的な文明の機器など)でてくるかもしれません。ゆるふわ設定ご都合主義。

どうしてか、知っていて?

碧水 遥
恋愛
どうして高位貴族令嬢だけが婚約者となるのか……知っていて?

酷いことをしたのはあなたの方です

風見ゆうみ
恋愛
※「謝られたって、私は高みの見物しかしませんよ?」の続編です。 あれから約1年後、私、エアリス・ノラベルはエドワード・カイジス公爵の婚約者となり、結婚も控え、幸せな生活を送っていた。 ある日、親友のビアラから、ロンバートが出所したこと、オルザベート達が軟禁していた家から引っ越す事になったという話を聞く。 聞いた時には深く考えていなかった私だったけれど、オルザベートが私を諦めていないことを思い知らされる事になる。 ※細かい設定が気になられる方は前作をお読みいただいた方が良いかと思われます。 ※恋愛ものですので甘い展開もありますが、サスペンス色も多いのでご注意下さい。ざまぁも必要以上に過激ではありません。 ※史実とは関係ない、独特の世界観であり、設定はゆるゆるで、ご都合主義です。魔法が存在する世界です。

婚約破棄されました。

まるねこ
恋愛
私、ルナ・ブラウン。歳は本日14歳となったところですわ。家族は父ラスク・ブラウン公爵と母オリヴィエ、そして3つ上の兄、アーロの4人家族。 本日、私の14歳の誕生日のお祝いと、婚約者のお披露目会を兼ねたパーティーの場でそれは起こりました。 ド定番的な婚約破棄からの恋愛物です。 習作なので短めの話となります。 恋愛大賞に応募してみました。内容は変わっていませんが、少し文を整えています。 ふんわり設定で気軽に読んでいただければ幸いです。 Copyright©︎2020-まるねこ

婚約破棄のその後に

ゆーぞー
恋愛
「ライラ、婚約は破棄させてもらおう」 来月結婚するはずだった婚約者のレナード・アイザックス様に王宮の夜会で言われてしまった。しかもレナード様の隣には侯爵家のご令嬢メリア・リオンヌ様。 「あなた程度の人が彼と結婚できると本気で考えていたの?」 一方的に言われ混乱している最中、王妃様が現れて。 見たことも聞いたこともない人と結婚することになってしまった。