[完結]貴方なんか、要りません

シマ

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登城の日が決まる

 大公様と通学して3日目の夕方、迎えに来た大公様から城への召喚状が渡された。

「急ですまないが、明日、登城して欲しい」

「と言う事は、もしかして……」

 王家の蝋封のある封筒を受け取りながら、大公様の目を見ると彼は大きく頷いてくれた。エスコートされて馬車に乗ると走り出す。その中で大公様から明日の流れについて説明を受けていた。

 陛下の前で婚約破棄の理由を大公様が説明した後で、私やエリック様、お互いの両親からも話を聞いて細かい事が決まる。

「閣下も文句が言えないだけの証拠もある。婚約破棄の準備は整ったよ」

「証拠ですか?」

 条件をクリアしていない時点で、文句なんてないと思っていた私は驚いた。大公様は閣下が条件の無効を言い出した時の為に、エリック様がいかに不誠実で閣下が何もしなかった事の証拠を集めたのだと言った。

「条件の無効ですか?でも、魔獣と暮らす条件は昔から有名だと思ってましたが……」

 大公様が心配性なのは昔からですが、流石に大袈裟な気がします。

「家を別にすれば良いと言い出す可能性もあるのでね。徹底的に潰すよ」

 そう言われて、初めてその可能性に気付いた。でも、それだと結婚しても何も出来ないと気付きそうだけど……働きもしない人を押し付ける気でいるの?それとも別の理由……まさかね?

「閣下は魔獣の知識に乏しい方なのですか?」

 私の質問に大公様が苦笑いで返す。無言の肯定に私は何も言葉に出来なかった。獣騎士団を持つ国の上層部の人物が、魔獣の習性を知らないなんて。
 テイマーである私は、魔獣と常に一緒にいる。だから、住む家を分けようとも、ネロが結婚相手を認めない限り私に近付く事も触れる事も出来ない。今まではエリック様が、私に何もし無かったから無事だっただけ。彼がもし私に触れてたら、間違いなくネロが攻撃するわ。

「陛下は、これを機に魔獣の習性と獣騎士団の重要性を大々的に広め、廃止論を上げる貴族を潰したいとお考えだ」

「廃止論……まだ、残っているですね」

 魔物が住む森に国土の八割を囲まれるこの国で、獣騎士団は国防のかなめを担う。定期的に討伐の為の遠征をしているからこその平和。騎士団もあるが治安維持の役目がある為、魔物討伐までは手が回らないのも事実。だからこそ王族にも拘わらず、大公様は実力で獣騎士に就いている。その中で王都に住む貴族の中には、危機感が無いのか獣騎士団不要を唱える者がいる。

「成る程、不要論を潰す為にも、明日の直接対決は勝たないといけませんね」

 婚約破棄だけでなく大公様を獣騎士団の皆を守る為にも、明日は負けられない。

「明日は、絶対に婚約の破棄をします!」

 決意も新たに言葉にすれば、大公様も笑顔で頷いてくれた。足元のネロも同意する様に私の手に鼻先を付けた。

よ~し、明日は頑張るぞ!

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