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始まり
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登城の為にお父様と私は、朝から城へ向かった。獣騎士団には何度もお邪魔していても、他の場所なんて行った事の無い私は緊張で脚が震えてきた。
城に到着すると直ぐに何処かの部屋に案内されて、指定された席に着席して待つように言われる。後からマリウス閣下と顔色の悪いエリック様も入ってきて着席した。全員が揃った所で、陛下と大公様が書記官と護衛と共に入室して着席すると、いよいよ緊張の時が始まった。
「今回、皆に集まって貰った理由は、分かっておるな?」
陛下が落ち着いた声で確認すると、着席している全員が頷いて同意した。その姿を見た陛下も頷くと、大公様に視線を向けた。
「アレク、資料を配ってくれ」
大公様が了承の返事をすると、書記官が全員の前に書類を置く。最初に眼に飛び込んできたのは、エリック様の借金の金額だった。何これ……貴族用の屋敷が一つ買える金額を借りたの?
「な!何だこれは!!」
閣下が叫ぶと、震える手で書類を掴みエリック様を睨み付けた。そうか、閣下も知らない借金ってこれね。この額は言えないわよね。
そう思ってエリック様に視線を向けると、俯いたまま両手を膝の上に乗せ微かに震えていた。
「マリウス、まぁ待て。資料はまだある」
「は、はい」
陛下に止められた閣下が、書類を捲る。私達も合わせて捲れば、そこに書かれていたのは我が家に助けを求めた女性達の証言だった。女性達を我が家に押し付けている事を知らなかったのだろう閣下は、怒りで赤かった顔から血の気が引いて青ざめていた。
「っ……」
閣下の手にある資料の束が、グシャリと音をたてて潰れる。その音を聞いたエリック様は、一目見て分かる程に身体を震わせていた。
「これ程の事をしておいて、まさか破棄を拒んだりしませんよね?閣下」
そう言ったのは大公様。閣下は口を開いたけど、言葉が見付からないのか声にならなかった。その横でエリック様は、何も話さず俯いている。
「ま、待って下さい。ロゼッタ嬢の意見も聞きませんと」
閣下がやっと話したのは、私の意見を聞くと言う言葉。『聞く』と言ったが、閣下は私を睨み付けている。破棄をするなって脅しかしら?この程度の睨みではね……魔獣は従わないわ。
そんな事を考えていたら、大公様から発言するように言われて、一礼してから口を開いた。
「私は、破棄を願います」
「何故だ!!」
資料を見ても抵抗する閣下にため息が漏れる。資料に書いて無いことを言っても良いのかしら?
「何故と言われますか?お分かりだと思いますが、約束を覚えていらっしゃるますか?」
「約束だと!!小娘ごときが、私を馬鹿にするのか!」
なんて感情的な人だろうと、他人事の様に見ていると陛下が咳払いをした。
「マリウス、今の態度は何だ?」
「え?いや、礼儀のなってないこの娘に指導をと……」
冷や汗が出るのかハンカチで顔を押さえながら、陛下の質問に答える閣下にお父様がため息を吐いた。
「指導か……他人の子供より先に自分の息子の指導をせぬのか?」
今までと違い明らかに低い陛下の声に、誰かの息を呑む音が聞こえる。
この時初めて私は、陛下が静かに怒ってる事に気付いた。
城に到着すると直ぐに何処かの部屋に案内されて、指定された席に着席して待つように言われる。後からマリウス閣下と顔色の悪いエリック様も入ってきて着席した。全員が揃った所で、陛下と大公様が書記官と護衛と共に入室して着席すると、いよいよ緊張の時が始まった。
「今回、皆に集まって貰った理由は、分かっておるな?」
陛下が落ち着いた声で確認すると、着席している全員が頷いて同意した。その姿を見た陛下も頷くと、大公様に視線を向けた。
「アレク、資料を配ってくれ」
大公様が了承の返事をすると、書記官が全員の前に書類を置く。最初に眼に飛び込んできたのは、エリック様の借金の金額だった。何これ……貴族用の屋敷が一つ買える金額を借りたの?
「な!何だこれは!!」
閣下が叫ぶと、震える手で書類を掴みエリック様を睨み付けた。そうか、閣下も知らない借金ってこれね。この額は言えないわよね。
そう思ってエリック様に視線を向けると、俯いたまま両手を膝の上に乗せ微かに震えていた。
「マリウス、まぁ待て。資料はまだある」
「は、はい」
陛下に止められた閣下が、書類を捲る。私達も合わせて捲れば、そこに書かれていたのは我が家に助けを求めた女性達の証言だった。女性達を我が家に押し付けている事を知らなかったのだろう閣下は、怒りで赤かった顔から血の気が引いて青ざめていた。
「っ……」
閣下の手にある資料の束が、グシャリと音をたてて潰れる。その音を聞いたエリック様は、一目見て分かる程に身体を震わせていた。
「これ程の事をしておいて、まさか破棄を拒んだりしませんよね?閣下」
そう言ったのは大公様。閣下は口を開いたけど、言葉が見付からないのか声にならなかった。その横でエリック様は、何も話さず俯いている。
「ま、待って下さい。ロゼッタ嬢の意見も聞きませんと」
閣下がやっと話したのは、私の意見を聞くと言う言葉。『聞く』と言ったが、閣下は私を睨み付けている。破棄をするなって脅しかしら?この程度の睨みではね……魔獣は従わないわ。
そんな事を考えていたら、大公様から発言するように言われて、一礼してから口を開いた。
「私は、破棄を願います」
「何故だ!!」
資料を見ても抵抗する閣下にため息が漏れる。資料に書いて無いことを言っても良いのかしら?
「何故と言われますか?お分かりだと思いますが、約束を覚えていらっしゃるますか?」
「約束だと!!小娘ごときが、私を馬鹿にするのか!」
なんて感情的な人だろうと、他人事の様に見ていると陛下が咳払いをした。
「マリウス、今の態度は何だ?」
「え?いや、礼儀のなってないこの娘に指導をと……」
冷や汗が出るのかハンカチで顔を押さえながら、陛下の質問に答える閣下にお父様がため息を吐いた。
「指導か……他人の子供より先に自分の息子の指導をせぬのか?」
今までと違い明らかに低い陛下の声に、誰かの息を呑む音が聞こえる。
この時初めて私は、陛下が静かに怒ってる事に気付いた。
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