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閣下の罪
「あ……」
閣下も陛下の怒りに気付いて言葉に詰まる。視線を彷徨わせ何かを考えている様だった。
「私は、アレクの報告や伯爵からの陳情しか分からん」
陛下が静かにに話出したのは、大公様とお父様が何度も婚約破棄をしようとしていた事。何度も手続きしては閣下が陛下への報告を握り潰していた事実。それって公文書の無断破棄?それとも隠蔽?どちらにしても法を犯している。
陛下の言葉を聞きながら、閣下は徐々に震えだした。カタカタと椅子から小さな音が聞こえる室内で、陛下は更に話を続けた。
「彼女の結婚相手は、魔獣の習性上、魔獣が認める相手では無いとならぬ。しかし、お前の息子は取るに足らん。主である彼女より弱い者を認める訳にいかん」
「は?いや、貴族の令嬢が息子より強いと?そんな話しが……」
その時、閣下の言葉を遮るため息を吐いたのは大公様だった。
「閣下、魔獣は弱い者を主とは認めません。現に、貴方も息子も魔獣を従えていないではないですか」
大公様の言葉を聞いて、閣下は顔を歪めている。上位貴族の中で魔獣が一匹も居ないのは、ローウェン公爵家だけだった。だから習性を知らないし、重要性を軽視していた。
「それと婚約の話は無関係ではないか」
「ロゼッタ嬢の魔獣は上位種。下位すら従えない貴殿方を魔獣は認めない。つまり結婚出来ないと言う事です」
上位と聞いて閣下が私を見て止まり、その視線は私の横でのんびり寝そべっているネロに固定されている。視線に気付いたネロが顔を上げて閣下を見たが、興味を示さず再び寝そべってしまう。その仕草に閣下は、顔を真っ赤にしていた。
「魔獣に認められないからなんだ!家を別にするなりすれば」
閣下が叫ぶ様にそう言った瞬間、ネロが立ち上がり閣下を真っ直ぐに見詰めた。まるで品定めするかの様に、頭から爪先までじっくりと見詰めると、フンと鼻を鳴らした。
「獣の癖に人を馬鹿にした態度は何だ!」
立ち上がりそう叫んだ閣下の肩に陛下が手を乗せた。その手に驚いた閣下が言葉に詰まると、陛下は鋭く光る眼差しを向けている。
「その獣に守って貰っている自覚は無いのか?獣騎士団に領地を守って貰っているのでは無いのか?」
続け様に質問されて戸惑う閣下に、陛下はため息を漏らすと文官の1人から書類の束を受け取った。
「ローウェン公爵領の魔物討伐の依頼書だ」
その束はこの一年程の分だが、明らかに他の領地より多いらしい。公爵領地に何事か起きたのかと心配していると、文官が別の書類を全員に渡してくれた。
その内容は借金の返済の為に、自警団や領地騎士団を縮小していた事。騎士団を縮小した為に、小さな魔物すら自領で対象出来なくなった。まさか私との結婚に拘ったのは……
「ロゼッタ嬢1人に討伐させる気だったな、マリウス」
静かな室内で、陛下の声だけがやけに大きく響く。そう魔獣を従える私なら、小型の魔物程度なら一人で倒す事が出来る。住まいを別けると言う事は、私だけが森で魔物を倒しながら暮らすって事?
「最初から一緒に暮らす気など無かった。それ故、条件を無視して婚姻を押し進めた……相違無いな?」
閣下も陛下の怒りに気付いて言葉に詰まる。視線を彷徨わせ何かを考えている様だった。
「私は、アレクの報告や伯爵からの陳情しか分からん」
陛下が静かにに話出したのは、大公様とお父様が何度も婚約破棄をしようとしていた事。何度も手続きしては閣下が陛下への報告を握り潰していた事実。それって公文書の無断破棄?それとも隠蔽?どちらにしても法を犯している。
陛下の言葉を聞きながら、閣下は徐々に震えだした。カタカタと椅子から小さな音が聞こえる室内で、陛下は更に話を続けた。
「彼女の結婚相手は、魔獣の習性上、魔獣が認める相手では無いとならぬ。しかし、お前の息子は取るに足らん。主である彼女より弱い者を認める訳にいかん」
「は?いや、貴族の令嬢が息子より強いと?そんな話しが……」
その時、閣下の言葉を遮るため息を吐いたのは大公様だった。
「閣下、魔獣は弱い者を主とは認めません。現に、貴方も息子も魔獣を従えていないではないですか」
大公様の言葉を聞いて、閣下は顔を歪めている。上位貴族の中で魔獣が一匹も居ないのは、ローウェン公爵家だけだった。だから習性を知らないし、重要性を軽視していた。
「それと婚約の話は無関係ではないか」
「ロゼッタ嬢の魔獣は上位種。下位すら従えない貴殿方を魔獣は認めない。つまり結婚出来ないと言う事です」
上位と聞いて閣下が私を見て止まり、その視線は私の横でのんびり寝そべっているネロに固定されている。視線に気付いたネロが顔を上げて閣下を見たが、興味を示さず再び寝そべってしまう。その仕草に閣下は、顔を真っ赤にしていた。
「魔獣に認められないからなんだ!家を別にするなりすれば」
閣下が叫ぶ様にそう言った瞬間、ネロが立ち上がり閣下を真っ直ぐに見詰めた。まるで品定めするかの様に、頭から爪先までじっくりと見詰めると、フンと鼻を鳴らした。
「獣の癖に人を馬鹿にした態度は何だ!」
立ち上がりそう叫んだ閣下の肩に陛下が手を乗せた。その手に驚いた閣下が言葉に詰まると、陛下は鋭く光る眼差しを向けている。
「その獣に守って貰っている自覚は無いのか?獣騎士団に領地を守って貰っているのでは無いのか?」
続け様に質問されて戸惑う閣下に、陛下はため息を漏らすと文官の1人から書類の束を受け取った。
「ローウェン公爵領の魔物討伐の依頼書だ」
その束はこの一年程の分だが、明らかに他の領地より多いらしい。公爵領地に何事か起きたのかと心配していると、文官が別の書類を全員に渡してくれた。
その内容は借金の返済の為に、自警団や領地騎士団を縮小していた事。騎士団を縮小した為に、小さな魔物すら自領で対象出来なくなった。まさか私との結婚に拘ったのは……
「ロゼッタ嬢1人に討伐させる気だったな、マリウス」
静かな室内で、陛下の声だけがやけに大きく響く。そう魔獣を従える私なら、小型の魔物程度なら一人で倒す事が出来る。住まいを別けると言う事は、私だけが森で魔物を倒しながら暮らすって事?
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