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幸せな未来に向かって
アレク様に婚約を申し込まれてからは大変だった。兄様達が嫁に行かなくて良い何て言い出して姉様達に怒られたり、両親は以前からアレク様の気持ちを知っていたからお父様は号泣したり賑やかだった。
暫くして、元公爵のマリウス様が、討伐中に意識不明の重症を傷を負ったと言う話を聞いた。心配していると、アレク様が正確な情報を教えてくれた。
「意識はあるが片目を失った」
怪我の状態も気になったけど、怪我をした時の状況は更に驚かせた。魔物を初めて見て腰を抜かして座り込み、剣を振ることすらしなかったなんて。しかも……
「戦闘訓練をした事が無かった?」
「あぁ、討伐を始めた初日に動きを見ていた者が、余りにもおかしいと言うので調査したんだが……」
調査の結果、閣下は学園卒業以後、一度も戦闘訓練をしていない事が発覚。各自に任せていた貴族の訓練を、義務化しようと陛下と二人で動いていたらしい。
「仕事にかまけて連絡が遅くなってすまない」
頭を下げてくれたアレク様に、私は頭を横に振った。きっと、誰も思っていなかったはず。魔物の住む森に囲まれたこの国で、家族や領民を守る為の訓練をしない貴族がいるなんて。
「今、分かって良かったです。だって、ネロがいるから魔物が大人しいはずですから」
そう、この国最強のこの子が生きているうちに、人間は準備をしなければならない。ネロの存在に怯えて隠れている魔物達が溢れだすその時の為に、魔獣に頼るだけでなく、自分達で出来る事を増やしていかないといけない。
「この先、次代の子供達が困らない様に、今から出来る事をしないといけないですね」
「それは、私達の子供の為でもあるな」
アレク様の発言に思わす飲んでいたお茶を溢しそうになる。子供って、私はまだ学生なのですが!?
「卒業しなくても婚姻は出来るぞ」
私の心の声を見透かす様な言葉に、アレク様の顔を睨むと彼は嬉しそうに笑った。子供の話はまだ早いと思うけど、愛する旦那様を守る為にもこれからも私はネロと魔獣達と共に頑張っていこうと思う。
━━数年後━━
「おかあちゃま!ネたんさわらせて」
「ダメよ。ネロはお休み中よ」
「え~」
我慢してね。と言うとむっと頬を膨らました娘は、渋々、頷いて家に戻った。
あれから何度もネロとアレク様とシェリーで討伐に行ったか分からない。その間に子供も産まれ賑やかになった。元々、出会った時から成獣だったネロは、寝ている事が多くなった。そろそろ体力の限界なのかも知れない。
「貴方も私も、そろそろ引退かしらね?ネロ」
私の声に反応してネロが、ダルそうに片目を開ける。頭を撫でると気持ち良さそうに、私の手の平に押し付けてくる。こんな穏やかな時間が後、どれくらい残されているのだろうかと思うと、目尻から一粒の涙が溢れた。
「ここに居たのか」
アレク様の声に顔を上げると、彼は少し困った様な表情をした。彼が困る理由が分からず首を傾げると、彼の手が私の目元に触れた。
「泣くな」
「……うん……」
アレク様もネロの頭を撫でる。ネロは耳をピクッと動かしただけで、再び寝息をたて始めた。
「最後まで私達も共に居よう」
そう言ってアレク様とシェリーが私の横に並ぶ。
ネロ、私達は今、とても幸せね。
昔、エリック様と婚約してから二人で気を張って頑張っていたけど、今はアレク様とシェリーがいるもの。残された時間は分からないけど、子供と共に穏やかに過ごしましょうね、ネロ。
end
暫くして、元公爵のマリウス様が、討伐中に意識不明の重症を傷を負ったと言う話を聞いた。心配していると、アレク様が正確な情報を教えてくれた。
「意識はあるが片目を失った」
怪我の状態も気になったけど、怪我をした時の状況は更に驚かせた。魔物を初めて見て腰を抜かして座り込み、剣を振ることすらしなかったなんて。しかも……
「戦闘訓練をした事が無かった?」
「あぁ、討伐を始めた初日に動きを見ていた者が、余りにもおかしいと言うので調査したんだが……」
調査の結果、閣下は学園卒業以後、一度も戦闘訓練をしていない事が発覚。各自に任せていた貴族の訓練を、義務化しようと陛下と二人で動いていたらしい。
「仕事にかまけて連絡が遅くなってすまない」
頭を下げてくれたアレク様に、私は頭を横に振った。きっと、誰も思っていなかったはず。魔物の住む森に囲まれたこの国で、家族や領民を守る為の訓練をしない貴族がいるなんて。
「今、分かって良かったです。だって、ネロがいるから魔物が大人しいはずですから」
そう、この国最強のこの子が生きているうちに、人間は準備をしなければならない。ネロの存在に怯えて隠れている魔物達が溢れだすその時の為に、魔獣に頼るだけでなく、自分達で出来る事を増やしていかないといけない。
「この先、次代の子供達が困らない様に、今から出来る事をしないといけないですね」
「それは、私達の子供の為でもあるな」
アレク様の発言に思わす飲んでいたお茶を溢しそうになる。子供って、私はまだ学生なのですが!?
「卒業しなくても婚姻は出来るぞ」
私の心の声を見透かす様な言葉に、アレク様の顔を睨むと彼は嬉しそうに笑った。子供の話はまだ早いと思うけど、愛する旦那様を守る為にもこれからも私はネロと魔獣達と共に頑張っていこうと思う。
━━数年後━━
「おかあちゃま!ネたんさわらせて」
「ダメよ。ネロはお休み中よ」
「え~」
我慢してね。と言うとむっと頬を膨らました娘は、渋々、頷いて家に戻った。
あれから何度もネロとアレク様とシェリーで討伐に行ったか分からない。その間に子供も産まれ賑やかになった。元々、出会った時から成獣だったネロは、寝ている事が多くなった。そろそろ体力の限界なのかも知れない。
「貴方も私も、そろそろ引退かしらね?ネロ」
私の声に反応してネロが、ダルそうに片目を開ける。頭を撫でると気持ち良さそうに、私の手の平に押し付けてくる。こんな穏やかな時間が後、どれくらい残されているのだろうかと思うと、目尻から一粒の涙が溢れた。
「ここに居たのか」
アレク様の声に顔を上げると、彼は少し困った様な表情をした。彼が困る理由が分からず首を傾げると、彼の手が私の目元に触れた。
「泣くな」
「……うん……」
アレク様もネロの頭を撫でる。ネロは耳をピクッと動かしただけで、再び寝息をたて始めた。
「最後まで私達も共に居よう」
そう言ってアレク様とシェリーが私の横に並ぶ。
ネロ、私達は今、とても幸せね。
昔、エリック様と婚約してから二人で気を張って頑張っていたけど、今はアレク様とシェリーがいるもの。残された時間は分からないけど、子供と共に穏やかに過ごしましょうね、ネロ。
end
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