[完結]私を巻き込まないで下さい

シマ

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本編

ドレスを作るよ

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 昨日の夕食後の話に疲れて気分転換したいけど、今日はドレスの採寸をするらしい。貴族の女性のドレスは一点モノを作るけど、パーティーまで三ヶ月。今からは間に合わないから、決まったデザインの中からサイズ調整して飾りや刺繍を追加するらしい。
 私……服って、一週間で出来る物だと思ってたよ。長く住んでいた町の洋服屋さんは、頼めば一週間以内で仕上げてたけど何が違うのかなぁ?生地?刺繍は……無かったからソレ?

「はい、次は……」

 只今、採寸中です。暇です。他の事を考えて時間を潰すのも限界ですよー

「以上で採寸終了です。お疲れ様でした」

 終わった?終わったの?もう服を着たら本を読んでも……

「次にデザインですが……」

 あー、なんか抜けていきそう。まだあるの?

「イリーナさん、服を着て良いわよ。今からはデザイン画を見るだけだから」

 王妃様の言葉にホッとしながら普段着に着替えた。針子さんが採寸の道具を片付けると、ランバートさんと何故かお義父様が部屋に入ってきた。王妃様が呆れた様な視線を向けるけど、お義父様は気にしない。そして、四人でデザイン画を見ている。

 私の体型に似合うデザインだけを出してくれたらしい。どれもスラッとして大人びたデザインで、確かに背が高くても大丈夫だけど……この中から選ぶの?……着こなす自信無いよ。

「そうね……このデザインで、色は蒼で胸元に花飾りを付けて……」

 新しい紙に王妃様の指示を描き込みデザイン画を完成させる。シンプルなドレスの胸元に白い花が付けられて、スカートの裾には刺繍がされているのか、下から上へ広がる植物が描き込まれていた。……綺麗……

「良いわね。ドレスはこのデザインで決まりね。あとは宝飾品ね」

「あ、王妃様。見て頂きたい物があるのですが、宜しいですか?」

 宝飾品と聞いたランバートさんが、王妃様の前にあるテーブルの上に、ポーチから大量の宝飾品を取り出した。

「いや、自分が持っている物を彼女に着けて欲しいと……師匠!何で殺気!?」

 お義父様を宥めて彼の話を聞くと、ドレスも宝飾品も彼が買いたかったらしい。だけど、どちらも間に合わないから、宝飾品は手持ちの物から私と王妃様に選んで貰おうと考えて今出したと。それでもこの量は……

「貴方の気持ちは分かったわ。でも、コレ全て合わせると国家予算一年分は軽くあるわよ……そうね……」

 そう言って王妃様が手に取ったのは、蒼い大粒の宝石が付いた豪華なネックレス。
 似合と思ったと彼は言うけど……ムリムリムリムリ!怖くて付けられないよ!!え?加護付き?大粒のサファイア!?周囲はダイヤ!?イヤリングもサファイア?あの、さっきから蒼い物ですが……

「これだけ蒼で固めれば、貴女が誰のモノか分かるでしょう?」

 王妃様が笑顔で私に言うけど、隣でお義父様がね?恐ろしい顔で見てます。それにランバートさん本人から何も言われてませんが?

「あら、お義兄様はご不満かしら?」

「……当人同士で話すのが先じゃないのか?」

 二人の間に火花が見えた気がしたよ?ほら、ランバートさんも青ざめた表情になったよ。暫く無言でお互いに睨み合っていたけど、王妃様がフーと息を吐いて終わらせた。

「確かに二人共、言葉が足りないわね。もう一度、話合いなさい。この先、どうしたいのかをハッキリさせなさい」

「「……」」

 ドレスの飾りも決まったし宝飾品はこの中から、二人で選ぶ様に言われた王妃様が、部屋に私とランバートさんだけ残して全員に出るように指示する。お義父様も頷いて部屋を出た。


「えっと……アクセサリー」

「あ、ごめん。また、何も言わずに勝手な事したな……」

 怖い、でも……中途半端は……もう嫌だと思った。闇の中で声が聞こえて……目が覚めた時、側にいてくれて、凄く嬉しかった。だから

「意味……分かってますか?」

 黙ってしまった彼に、尋ねたけど顔が見れなくて、俯くとグッと手に力が入った。

「分かってる……俺は……」

 分かってるの言葉に慌てて顔を上げる。苦し気に眉間にシワを寄せて、何かに堪えているように見えた。

「聞いて欲しい話があるんだ……」


 そう言って始まった話は意外だった。

 
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