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本編
魔王と魔物
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目玉が完全に消えた後、暫く沈黙が続いていた。私は残っていた箱の中身も、来世の幸せを願いながら魔力を流して浄化する。これで大丈夫なのか、やり方があっているのか分からないけど、唯、箱が消える直前、子供の明るい声で『ありがとう』と聞こえた気がした。
魔王の身体は、まだあるって目玉が言った。もう片方の目玉?それとも別の何か?次々に疑問が浮かんで言葉に出来ないでいると、ランバートさんが大きく息を吐き出した。
「魔王は、俺に言ったんです。もう止めたいが奴が邪魔すると」
奴とは悪夢を視る魔具を作った魔物の事らしい。魔王は人々と争う事を止めようとしていたけど、その魔物は反対して争いを続けた。ランバートさんが魔物に重症を負わせて引き離した時、魔王が本音を漏らした。
最初は家族を人間に殺された事が切っ掛けだった。魔王は復讐として、その人間と家族を殺した。人と魔物の復讐が交互に行われ、何時しか規模は大きくなり戦争の様な状態になった。家族を殺された恨みに怒り狂っていた魔王は、次々に倒れる仲間を見て思った。
『このままでは、誰も居なくなる』
そう考えた魔王は停戦の為、主要の仲間達を一人づつ説得を始めた。このままでは何も残らないと、大切な仲間も住む土地も全てを燃やし尽くしてしまうと。最初は反対していた仲間も徐々に、長引く戦に疲弊する仲間を見て魔王の言う意味を理解する。
停戦賛成の仲間と一つの国を結界で囲って、そこで静かに亡くなった仲間を弔い余生を過ごそう。そう考え準備していた矢先、一人の魔物が作り上げた結界を破壊し、その場にいた停戦賛成の魔物を殺した。
『魔王程の御方が……停戦?平和?そんなモノが何になると思いか?』
『お前は、自分が何をしたか分かっているのか?同胞を殺めたのだぞ!』
二人の意見は対立し命を掛けた争いをしていた時、ランバートさんが魔王の元に辿り着いた。
「魔王は、奴を止める為にも戦を終わらす為にも、自分を浄化して欲しいと言いました」
魔王の元に辿り着いたのも、他の魔物から魔王との話し合いを頼まれたから。
奴と呼ばれる魔物の名前は誰も知らない。唯、人間が嫌いで魔王の事を異常な程の崇拝をしていた。
「魔王を庇った奴は、肩から肘の辺りに掛けて傷が残っているはずです」
「傷以外に、特徴は無いのか?」
オーウェンさんの問いに、ランバートさんは頭を横に振った。
「変化の魔法で姿を変えるので、俺が見た時、瞳は黒でしたが今は分かりません。髪の色を変えられる様です」
その場に沈黙が落ちる。名前も姿も分からない。目的も分からない。そんな不気味な存在に寒気がした。
「そうか。それも気になるが、ミコとはなんだ?」
「それは俺も知らないです」
お義父様もランバートさんも知らない『ミコ』ミコって……巫女?オーウェンさんも目を閉じて考え込んでいる様に見えた。
「ミコが……巫女なら古い伝承の巫女か?」
「オーウェンさん、伝承って何ですか?」
正確な話は確認しないと分からないけど、心当たりがあると言う。それはエルフの長から昔、聞いた話らしい。
「ジジイの戯言と適当に聞いていたが、確か巫女の特徴が炎の様な髪だったはずだ」
オーウェンさん、戯言って酷く無いですか?え?年寄りの話は長くて真面目に聞くと疲れる?……三日も話が続いた?それは嫌ですね。
「仕方がない。ジジイから巫女の事を聞いてくる。明日、また会おう」
オーウェンさんは、そう言うと転移魔法で何処に消えた。三人になった部屋の中で魔王の残っている身体の話になったけど、ランバートさんも魔王に頼まれて胸を一突きしたから、何処の部位が残っているかは分からないと言った。
「これ以上は、話をしても意味が無いな。もう、部屋に戻って寝るぞ」
お義父様の言葉で解散になった私達。翌朝、戻ってきたオーウェンさんの話は私の想像を遥かに越える話だった。
魔王の身体は、まだあるって目玉が言った。もう片方の目玉?それとも別の何か?次々に疑問が浮かんで言葉に出来ないでいると、ランバートさんが大きく息を吐き出した。
「魔王は、俺に言ったんです。もう止めたいが奴が邪魔すると」
奴とは悪夢を視る魔具を作った魔物の事らしい。魔王は人々と争う事を止めようとしていたけど、その魔物は反対して争いを続けた。ランバートさんが魔物に重症を負わせて引き離した時、魔王が本音を漏らした。
最初は家族を人間に殺された事が切っ掛けだった。魔王は復讐として、その人間と家族を殺した。人と魔物の復讐が交互に行われ、何時しか規模は大きくなり戦争の様な状態になった。家族を殺された恨みに怒り狂っていた魔王は、次々に倒れる仲間を見て思った。
『このままでは、誰も居なくなる』
そう考えた魔王は停戦の為、主要の仲間達を一人づつ説得を始めた。このままでは何も残らないと、大切な仲間も住む土地も全てを燃やし尽くしてしまうと。最初は反対していた仲間も徐々に、長引く戦に疲弊する仲間を見て魔王の言う意味を理解する。
停戦賛成の仲間と一つの国を結界で囲って、そこで静かに亡くなった仲間を弔い余生を過ごそう。そう考え準備していた矢先、一人の魔物が作り上げた結界を破壊し、その場にいた停戦賛成の魔物を殺した。
『魔王程の御方が……停戦?平和?そんなモノが何になると思いか?』
『お前は、自分が何をしたか分かっているのか?同胞を殺めたのだぞ!』
二人の意見は対立し命を掛けた争いをしていた時、ランバートさんが魔王の元に辿り着いた。
「魔王は、奴を止める為にも戦を終わらす為にも、自分を浄化して欲しいと言いました」
魔王の元に辿り着いたのも、他の魔物から魔王との話し合いを頼まれたから。
奴と呼ばれる魔物の名前は誰も知らない。唯、人間が嫌いで魔王の事を異常な程の崇拝をしていた。
「魔王を庇った奴は、肩から肘の辺りに掛けて傷が残っているはずです」
「傷以外に、特徴は無いのか?」
オーウェンさんの問いに、ランバートさんは頭を横に振った。
「変化の魔法で姿を変えるので、俺が見た時、瞳は黒でしたが今は分かりません。髪の色を変えられる様です」
その場に沈黙が落ちる。名前も姿も分からない。目的も分からない。そんな不気味な存在に寒気がした。
「そうか。それも気になるが、ミコとはなんだ?」
「それは俺も知らないです」
お義父様もランバートさんも知らない『ミコ』ミコって……巫女?オーウェンさんも目を閉じて考え込んでいる様に見えた。
「ミコが……巫女なら古い伝承の巫女か?」
「オーウェンさん、伝承って何ですか?」
正確な話は確認しないと分からないけど、心当たりがあると言う。それはエルフの長から昔、聞いた話らしい。
「ジジイの戯言と適当に聞いていたが、確か巫女の特徴が炎の様な髪だったはずだ」
オーウェンさん、戯言って酷く無いですか?え?年寄りの話は長くて真面目に聞くと疲れる?……三日も話が続いた?それは嫌ですね。
「仕方がない。ジジイから巫女の事を聞いてくる。明日、また会おう」
オーウェンさんは、そう言うと転移魔法で何処に消えた。三人になった部屋の中で魔王の残っている身体の話になったけど、ランバートさんも魔王に頼まれて胸を一突きしたから、何処の部位が残っているかは分からないと言った。
「これ以上は、話をしても意味が無いな。もう、部屋に戻って寝るぞ」
お義父様の言葉で解散になった私達。翌朝、戻ってきたオーウェンさんの話は私の想像を遥かに越える話だった。
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