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本編
問題児登場
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王様達が一度、席を外し雛壇の上は王妃様のみ。王様は祖父母の所に、王太子は令嬢達に囲まれてダンスのお相手をそれぞれしている。そして私達は挨拶周りをしながら、広間の中を歩いていた。
「勇者様、私と結婚するのではなかったのですか!」
そう叫ぶ様に大きな声で言ったのは、無意識に呪詛を掛けた公爵令嬢。あれ?この人、出入り禁止になってなかった?
「ランバートさん、この方……」
「出入り禁止のままだな」
ランバートさんと顔を近付けてコソッと聞くと、案の定の答えが返ってきた。ですよね~こんなに堂々と出てきて罪悪感とか後ろめたさとか無いのかなぁ……うわ!怖い顔で睨んでますが、綺麗なメイクもドレスも台無しですよ。
「貴女、邪魔しないでよ!」
「邪魔ですか……心当たりは御座いませんが、何の事でしょうか?」
あー、むず痒い!丁寧な言葉使いに自分でも違和感ありますが、淑女、淑女。
心の中で呪文の様に繰返しながら、公爵令嬢を真っ直ぐに見詰め返すとグッと言葉に詰まった。言いがかりだって自覚はしているんですね。
「何の事って、勇者様は私と結婚する約束でしたのよ!離れなさい!」
「そんな約束をした覚えは一度も無い」
キッパリと否定する彼を令嬢は驚いた様な表情で見返している。あれ?この人、名前なんだったかなぁ……ヤバ!聞いてないわ。
「その女に言わされているのですね。大丈夫ですわ、勇者様。私の父が平民ごとき消してくれますから!」
満面の笑顔で恐ろしい事をサラッと言うけど、隣にいるランバートさんの殺気の方が怖いです。そして、お義父様が怒りで無表情になった。
「お前は誰に向かって、そんなふざけた真似をしている」
「貴方の方こそ何様よ!」
お義父様に向かって彼女は放った一言に、会場が一瞬で静かになった。いや、始めに挨拶したけど聞いてなかったの?それとも理解が追い付いてないかなぁ。なんか樽みたいなおじさんが人混みの中から出てきたけど誰だろう?
「この人が令嬢の父親だ」
ランバートさんが私の耳元で教えてくれたけど、私達が顔を近付けて話しているのが嫌らしい令嬢は鋭い視線で私を睨んだ。
「エリザベス、大きな声を出して、どうしたんだい」
「お父様、この人が私を馬鹿にするんです!」
そう言ってお義父様を睨む令嬢の態度に、父親は顔色が悪くなった。王族を抜けたとはいえ王兄なのは変わり無いしね。
「何て事を言うんだエリザベス。早く謝りなさい!」
「お父様、何を慌てていらっしゃるの?何時もの様に底辺のゴミは片付けて下さいませ」
父親は慌てて娘の口を塞いだけど手遅れだった。周囲の軽蔑の視線を受けて、更に顔色が悪くなる。それなのに令嬢は言葉はまだ続く。
「それに勇者様が結婚の約束をしてないなんて嘘をつくんですよ。私、悲しいわ」
お義父様をこの人呼ばわりした次は、勇者様を嘘つきと言う。周りで話しを聞いていた人々から非難の声が聞こえ始めた。
『いくら籍を抜けたとはいえ王兄に、この人って……公爵様は、娘の教育をされていたのか?』
『勇者様を嘘つきって、勇者様より令嬢の方が嘘つきでは?』
『あの令嬢、問題を起こして登城禁止と聞いたが許可は受けたのか?』
小さな囁きだった筈の声は、次第に大きくなり二人を責め立てる。令嬢は視線を彷徨わせながら味方を探している様に見えた。
「ご令嬢、貴女は何度も結婚と言葉にするが、私が貴女に触った事があるか?」
ランバートさんが珍しく無表情で一歩前に出た。令嬢は首を傾げて考える仕草を見せる。何も言わない令嬢に見せ付ける様に、私の手を掬い上げた彼は指を絡ませ私に微笑んだ。
「私に触れられるのも、私が触れたいと願うのもイリーナだけだ」
微笑みながら私の指にキスをした彼は、悪戯が成功した子供の様に無邪気な笑顔を私に向けた。もう!恥ずかしいから何度もしないで!!
「嘘よ!」
ランバートさんに見向きもされない事が悔しいのか、小さな声であり得ないと繰り返す令嬢に周りから再び、非難の声が聞こえる。
『まだ、言っているわ。あんなに中睦まじくされているお二人を前に見苦しいわね』
『勇者様に相手にされなかった八つ当たりかしら?』
『嫉妬じゃないの。イリーナ様、素敵なアクセサリー着けてらっしゃるけど、勇者様からの贈り物ですって』
『まぁ!自分の色の宝石なんて素敵ね』
『全て婚約者の色なんて羨ましいわ』
周りの空気が悪くなる中、令嬢は反省する様子はなく諸悪の根源は私だと言わんばかりに睨んでいた。でも、違うでしょう?貴女の勘違いのもとは、誰からの情報ですかね。
「全ての婚約申込みを断ったにも関わらず、誰から結婚すると聞いた」
不機嫌を隠そうともせずランバートさんがハッキリと断った事を伝えると、驚いた様子で令嬢が父親を見ている。父親は更に顔色を悪くして、青から白へ変わっていった。
「公爵、また嘘で誤魔化しましたね。私は言った筈ですよ……次は無いとね」
「勇者様、私と結婚するのではなかったのですか!」
そう叫ぶ様に大きな声で言ったのは、無意識に呪詛を掛けた公爵令嬢。あれ?この人、出入り禁止になってなかった?
「ランバートさん、この方……」
「出入り禁止のままだな」
ランバートさんと顔を近付けてコソッと聞くと、案の定の答えが返ってきた。ですよね~こんなに堂々と出てきて罪悪感とか後ろめたさとか無いのかなぁ……うわ!怖い顔で睨んでますが、綺麗なメイクもドレスも台無しですよ。
「貴女、邪魔しないでよ!」
「邪魔ですか……心当たりは御座いませんが、何の事でしょうか?」
あー、むず痒い!丁寧な言葉使いに自分でも違和感ありますが、淑女、淑女。
心の中で呪文の様に繰返しながら、公爵令嬢を真っ直ぐに見詰め返すとグッと言葉に詰まった。言いがかりだって自覚はしているんですね。
「何の事って、勇者様は私と結婚する約束でしたのよ!離れなさい!」
「そんな約束をした覚えは一度も無い」
キッパリと否定する彼を令嬢は驚いた様な表情で見返している。あれ?この人、名前なんだったかなぁ……ヤバ!聞いてないわ。
「その女に言わされているのですね。大丈夫ですわ、勇者様。私の父が平民ごとき消してくれますから!」
満面の笑顔で恐ろしい事をサラッと言うけど、隣にいるランバートさんの殺気の方が怖いです。そして、お義父様が怒りで無表情になった。
「お前は誰に向かって、そんなふざけた真似をしている」
「貴方の方こそ何様よ!」
お義父様に向かって彼女は放った一言に、会場が一瞬で静かになった。いや、始めに挨拶したけど聞いてなかったの?それとも理解が追い付いてないかなぁ。なんか樽みたいなおじさんが人混みの中から出てきたけど誰だろう?
「この人が令嬢の父親だ」
ランバートさんが私の耳元で教えてくれたけど、私達が顔を近付けて話しているのが嫌らしい令嬢は鋭い視線で私を睨んだ。
「エリザベス、大きな声を出して、どうしたんだい」
「お父様、この人が私を馬鹿にするんです!」
そう言ってお義父様を睨む令嬢の態度に、父親は顔色が悪くなった。王族を抜けたとはいえ王兄なのは変わり無いしね。
「何て事を言うんだエリザベス。早く謝りなさい!」
「お父様、何を慌てていらっしゃるの?何時もの様に底辺のゴミは片付けて下さいませ」
父親は慌てて娘の口を塞いだけど手遅れだった。周囲の軽蔑の視線を受けて、更に顔色が悪くなる。それなのに令嬢は言葉はまだ続く。
「それに勇者様が結婚の約束をしてないなんて嘘をつくんですよ。私、悲しいわ」
お義父様をこの人呼ばわりした次は、勇者様を嘘つきと言う。周りで話しを聞いていた人々から非難の声が聞こえ始めた。
『いくら籍を抜けたとはいえ王兄に、この人って……公爵様は、娘の教育をされていたのか?』
『勇者様を嘘つきって、勇者様より令嬢の方が嘘つきでは?』
『あの令嬢、問題を起こして登城禁止と聞いたが許可は受けたのか?』
小さな囁きだった筈の声は、次第に大きくなり二人を責め立てる。令嬢は視線を彷徨わせながら味方を探している様に見えた。
「ご令嬢、貴女は何度も結婚と言葉にするが、私が貴女に触った事があるか?」
ランバートさんが珍しく無表情で一歩前に出た。令嬢は首を傾げて考える仕草を見せる。何も言わない令嬢に見せ付ける様に、私の手を掬い上げた彼は指を絡ませ私に微笑んだ。
「私に触れられるのも、私が触れたいと願うのもイリーナだけだ」
微笑みながら私の指にキスをした彼は、悪戯が成功した子供の様に無邪気な笑顔を私に向けた。もう!恥ずかしいから何度もしないで!!
「嘘よ!」
ランバートさんに見向きもされない事が悔しいのか、小さな声であり得ないと繰り返す令嬢に周りから再び、非難の声が聞こえる。
『まだ、言っているわ。あんなに中睦まじくされているお二人を前に見苦しいわね』
『勇者様に相手にされなかった八つ当たりかしら?』
『嫉妬じゃないの。イリーナ様、素敵なアクセサリー着けてらっしゃるけど、勇者様からの贈り物ですって』
『まぁ!自分の色の宝石なんて素敵ね』
『全て婚約者の色なんて羨ましいわ』
周りの空気が悪くなる中、令嬢は反省する様子はなく諸悪の根源は私だと言わんばかりに睨んでいた。でも、違うでしょう?貴女の勘違いのもとは、誰からの情報ですかね。
「全ての婚約申込みを断ったにも関わらず、誰から結婚すると聞いた」
不機嫌を隠そうともせずランバートさんがハッキリと断った事を伝えると、驚いた様子で令嬢が父親を見ている。父親は更に顔色を悪くして、青から白へ変わっていった。
「公爵、また嘘で誤魔化しましたね。私は言った筈ですよ……次は無いとね」
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