前世を思い出した巫女は神のもとに行きたい

だるま

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二人の夢

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カイン様の体温が伝わってくる。温かい……

「カイン様は温かいですね。心臓もトクントクンって……生きてる音……安心します。」

「無自覚って怖い…」

「?」

しばらくしてわたし達は、いつものよう話をする。ただ違うのは手を繋いでいることだろう。
何やらムズムズするけど、素直に嬉しいと思ってしまう。
繋いだ手をにぎにぎと動かして、カイン様の手の大きさややらかさや温かさを確かめるように観察する。
妹以外手を繋いだことはない。もちろん男の人と手を繋いだこともあるはずなくわたしは物珍しかった。
一人で没頭しているとまた抱きしめられた。







それから私たちの関係は変わった。距離が更に近くなったようで、過ごせる短い時間をお互いに存在を確認するかのように触れ合うことが多くなった。
と、いっても抱きしめられる手を握るかくらいなもので、それ以上はなかったけれど。
でも幸せだった。いつかこんな感情を持てる相手と婚姻できることはないだろう。


でも、終わりはくるのだ……どんな形であろうとも。







**********


ある日神殿の長に呼び止められた。
「サニア。お前に聞きたいことがある。」

「なんでしょうか。」

「最近お前の妹……外の者と親しくしているときいている。
お前は何か知っているか?」

「いえ。普段はあまり会うことがありませんでしたので、あの子のことは何も…外部とのやりとりがあるところで勤めておりますし、多少は仕方ないのではないのでは?」

シェリスはあれから順調のようだ。会えばキラキラ目を輝かせている。その相手との時間がシェリスを、充実させているのだろう。日に日に綺麗になっていくし……これが恋というものか。
しかし、まわりに勘付かれ始めている。嫌な空気だ。

「まぁそうなのだがな。年が若いから様々なことに興味も持つだろう。
しかし、我々の立場をわかっているのか…気になってな。」

「ここには生まれた時からおりますし、それはよくわかっていると思います。わたし達の生きる世界はこの神殿なのですから。」

「そうだとよいが…もし、掟に逆らうことがあれば……」

「……」
まるで自分にも言われているようだ。つなぎとめる楔のように重い言葉……

「もうすぐ、領主様のご子息カイン様の婚姻もある。事を荒立てることがなければよいがな。我らもまたその時には祭事がある。」

ドクンっと、息が詰まった。
そう言い、長はわたしを見据えている。まるでわたしを試すかのように。
知られてはいないはずなのに。自分に思い当たる事があるだけにそうとってしまうのか……
確証もなしに顔には出せない。

「……」

「どうした、サニア?」
長はわたしの言葉を待っている。

「妹に会いましたら、注意をするように言っておきます。」

「ああ、我ら一族が存続するために必要な事だ。結束していかねばな。」

「はい。」








長が去った後もわたしはその場に佇んでいた。
手を爪が食い込むほど握り締めていたようだ。手が痺れている。
それだけ今の話は私が取り乱すことなんだこら……
カイン様が……先日あった時は変わった様子はなかった。
急に決まったのか……
どちらにしても、わたしは……
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